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予期せぬ出来事

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 「本当に本当なんだろうね!」

 「アドニア…僕の言うことがそんなに信用出来ないのですか?」

 「そ、そういうわけじゃないけどさ…
本当に、リアナはなんともなさそうだったんだね?
 無理してる様子はなかったんだね?」

 執拗に念を押すアドニアに、スピロスは苦笑しながら頷いた。



 「ええ…そんな素振りは少しも…
ロダンさんはアレクの言う通りかなりのご高齢でしたし、お話させていただいた時の印象もどこもおかしな感じは受けませんでしたよ。
ただ……」

 「ただ、何なんだい?」

 「……気にはなっているんです。
なぜ、ロダンさんがリアナに興味を持ったかということが…
もちろん、色恋の問題ではないと思うのですが、ロダンさんが理由もなくリアナを傍に置きたがったとは思えないのです。
 何か理由があるのではないかと思うのですが…」

スピロスはまるで自分に問い掛けるようにそう言いながら、ゆっくりと首を捻った。



 「じゃあ、どんな理由があるっていうのさ?
リアナのことを孫みたいな気持ちでみてるっていうことかい?
ああいう可愛い子が傍にいると癒されるとか、毎日が楽しいとか…?」

 「いえ、そんなことではないと思うのですが…
でも、そうかといって具体的な理由が思いつくわけでもないのです。
とにかく、リアナのことは心配ありませんから、もう少し様子をみてみましょう。
そのうちにきっとなにかがわかってくると思います。」

スピロスの言葉に、アドニアは渋々ながらも納得した。
アドニアがようやく落ち着いた所で、スピロスはロダンの家でのことを何かと話して聞かせた。
 仕事部屋の様子や、ロダンと話した時の印象…そして、絆の護符のこと…
ダニエルもスピロスの話に黙って耳を傾けた。



 「そうかい、それでアレクはあんなに慌てて出て行ったんだね?」

 「そうなんですよ。
 護符の力を過信しすぎるのも良くありませんし、実際に試してみるのが一番ですからね。
まぁ、ロダンさんの護符ですから、いくら古いものだとはいえ効果はそう薄れてはいないと思うのですが、問題はアレクとマックスの親交の深さですよね。」

 「……うまくいくと良いけどねぇ…」

アドニアはいつになく弱気な声で呟いた。
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