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賢者
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「どうやら良い知らせみたいですね!」
「そうですね。
ロダンさんの居場所がわかったんじゃないでしょうか?」
二人がそんなやりとりをしてる間に、アドニアを伴なってアレクが戻った。
「さて、と。」
アレクは長椅子に腰掛け、手に持ったりんごのような果物を一口かじった。
「ロダンの居所がわかった。
しかも、生きてる。」
その報告に、リアナとダニエルは顔を見合せて嬉しそうに微笑む。
「ただ……その話を教えてくれた奴もロダンを直接知ってるわけじゃなくて、何年か前に誰かから聞いたらしいんだ。
正直言ってその後のことはわからないが…ま、数年前まで生きてたことは間違いないんだ。
行ってみる価値はあると思う。
スピロスと一緒に行こうと思ってたんだが、残念ながらいないようだし、奴が戻るのを待つのももどかしい。
だから、俺、今から行って来る。
何か問題があれば、またすぐに戻ってくるから…」
「ま、待って下さい、アレクさん!」
急に立ちあがって大きな声をあげたリアナに皆の視線は注がれた。
「リアナ、どうしたんだい?」
「アレクさん、私も連れて行って下さい!」
「え…でも……さっきも言った通り、ロダンは…」
「とにかく行きたいんです!
お願いします!」
その場の空気が変わる程、リアナの言葉には熱い気迫がこもっていた。
「そりゃあ、まぁ…構わないが…」
「ありがとうございます、アレクさん!」
リアナは、アレクの傍へ駆け寄り、彼の両手を握り締めた。
「……アドニア、そういうわけだ。
今からリアナと一緒に行って来る。
ロダンの住んでる所には行ったことがないから、近くの町までジャンプして、そこから先は馬車や徒歩になるから、今日中には帰れないかもしれない。」
「わかったよ。
じゃあ、リアナのことも頼んだよ。」
アレクは頷き、リアナの手を取ったかと思うと、その瞬間、二人の姿はその場からかき消えた。
「……相変わらず慌しいね。
でも、ま、確かに良いニュースだ。
後はロダンが無事かどうかだねぇ…」
「大丈夫ですよ。
きっとロダンさんは生きてます。」
「なんでそう思うんだい?」
「……そんな気がするんです。」
やはりあのカードはロダンのことを指していたのだと、ダニエルは確信した。
「そうですね。
ロダンさんの居場所がわかったんじゃないでしょうか?」
二人がそんなやりとりをしてる間に、アドニアを伴なってアレクが戻った。
「さて、と。」
アレクは長椅子に腰掛け、手に持ったりんごのような果物を一口かじった。
「ロダンの居所がわかった。
しかも、生きてる。」
その報告に、リアナとダニエルは顔を見合せて嬉しそうに微笑む。
「ただ……その話を教えてくれた奴もロダンを直接知ってるわけじゃなくて、何年か前に誰かから聞いたらしいんだ。
正直言ってその後のことはわからないが…ま、数年前まで生きてたことは間違いないんだ。
行ってみる価値はあると思う。
スピロスと一緒に行こうと思ってたんだが、残念ながらいないようだし、奴が戻るのを待つのももどかしい。
だから、俺、今から行って来る。
何か問題があれば、またすぐに戻ってくるから…」
「ま、待って下さい、アレクさん!」
急に立ちあがって大きな声をあげたリアナに皆の視線は注がれた。
「リアナ、どうしたんだい?」
「アレクさん、私も連れて行って下さい!」
「え…でも……さっきも言った通り、ロダンは…」
「とにかく行きたいんです!
お願いします!」
その場の空気が変わる程、リアナの言葉には熱い気迫がこもっていた。
「そりゃあ、まぁ…構わないが…」
「ありがとうございます、アレクさん!」
リアナは、アレクの傍へ駆け寄り、彼の両手を握り締めた。
「……アドニア、そういうわけだ。
今からリアナと一緒に行って来る。
ロダンの住んでる所には行ったことがないから、近くの町までジャンプして、そこから先は馬車や徒歩になるから、今日中には帰れないかもしれない。」
「わかったよ。
じゃあ、リアナのことも頼んだよ。」
アレクは頷き、リアナの手を取ったかと思うと、その瞬間、二人の姿はその場からかき消えた。
「……相変わらず慌しいね。
でも、ま、確かに良いニュースだ。
後はロダンが無事かどうかだねぇ…」
「大丈夫ですよ。
きっとロダンさんは生きてます。」
「なんでそう思うんだい?」
「……そんな気がするんです。」
やはりあのカードはロダンのことを指していたのだと、ダニエルは確信した。
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