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王女

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「おそらく…
なんせ、ハンターが関わっていることですから…
その結界も容易なものとは思えません。」

 「その通りだ。
だから、確実に誰か一人は魔導師を送りこまなきゃならないし、その場所を付き止めなきゃならない。
ハンターの目に付きそうな魔導師がいりゃ送りこむのには最適だが、もし仮にいたとしても結局はその場所を知らせる方法がないんだ。」

 「そうだね、魔導師にはどちらかというとあんたみたいにすらっとした者が多いからね。」

 「自分だけで飛ぶにしても、軽いに越したことはないからな。
だが、そういう男にあてはないことはない。
 特別優秀って程じゃないが、それなりの力は持ってる男がいる。
だが……」

アレク達の口から語られる話は、ダニエルの知らなかったことがほとんどで、名案を思いつくどころかただ感心して頷くしか出来なかった。



 「そうだ…
ロダンなら……」

 「ロダン…?
……なるほど!その手があったか!」



 小さな声で呟いたスピロスの言葉に、アレクは大袈裟な仕草で膝を叩いた。



 「誰なんだい、そのロダンとかいうのは…」

ダニエルやリアナの訊きたかったことをアドニアが訊ねた。



 「アドニア、絆の護符のことを訊いたことはありませんか?」

 「護符のことはよく聞くけど…その絆の護符っていうのは一体何のことだい?」

 「大昔の術の一つです。
たとえば、遠くに旅をする時等に、子供と親が一対の護符を身体の中に埋めこみました。
 当時は今ほど交通の手段もなく、地図もいいかげんなものだった上に物騒な奴らがたくさんいたそうです。
ですから、子供とはぐれたりかどわかされたりすることが多く、そんな時のためにその護符を使ったのだそうです。
もちろん、それは魔導師にしか有効なものではありませんが、絆の護符を埋めこんだ者同士は離れていても、お互いのいる場所にたどり着けたと言います。
ですから、それを囮の魔導師とアレクに絆の護符を授ければ、なんとかなるのではないかと思うのです。」

 「そんなものがあるのかい!
それじゃあ、それを使おうじゃないか!」

 「ただ、それには少し問題が……」

 救いを求めるような視線をアレクに投げかけたスピロスに、アレクも困ったような表情で頷いた。 
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