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魔導士

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 (あれ~…あいつら…)

 次の朝、目を覚ましたアレクは部屋にいるはずのマウリッツとウォルトの姿がないことに気付き、溜め息を吐いた。



 (こんなことじゃないかって思ったぜ。
 飲みすぎるなって注意するだけ無駄だったな。)

 苦笑いを浮かべたアレクは、大きく伸びをしてベッドから起きあがった。



 *



 「……そ、それは本当なのか!?」

マウリッツ達を探しに酒場に向かったアレクは、そこで聞かされた思い掛けない言葉に表情を難くした。



 「あぁ…うちのバーテンが数人の男達とハンターらしき男が出ていくのを見たらしいんだ。
そいつはまだここいらのことに詳しくなくて、ハンターのこともよくわからなかったらしくてな。
すぐに気付いてりゃ助けることも出来たかもしれねぇが…すまなかったな。
 実は……その中に金色の髪と銀色の髪の男がいたらしい…
多分、それがあんたの探してる男達じゃないだろうか?」

 「畜生!
ハンターの奴ら、このあたりにまで来てやがるのか…!」

アレクは唇を噛み、握り拳でテーブルを叩き付けた。



 「あぁ、つい最近のことだがな。
このあたりには、ハンターはずっといなかった。
だから、まさかって皆油断してたんだ。
 最初に何人かがいなくなった時も、ハンターのことを疑う奴はいなかった。
でも、それから毎日のように連れ去られる奴が続いた。
それらはすべて体格の良い働き盛りの屈強な男ばかりだ。
……と、なりゃあ、ハンターしか考えられねぇ。」

 「なんてこった。
あの時、無理にでも宿に連れて戻れば良かった…
それで、ハンターらしき者を見たってバーテンはどこにいるんだ?」

 「それが…あんたと同じく仲間を連れ去られたっていう女が、その時の様子を教えてほしいってやって来て、ついさっき外へ……あ!戻って来た。
リーブル、この人も昨夜のことを知りたいそうだ。」

アレクはリーブルと呼ばれる若い男に昨夜のことを問い正した。
リーブルの話によると、金髪の男と銀髪の男、そして、黒髪の男が、同じく黒い髪の男二人に誘われるようにして一緒に出て行ったという。
 三人はかなり酔っ払っていた様子で、二人の男達がそれを支えるようにして歩いていたのを見ただけだということだったが、先程、女が訪ねて来たため、近所の店で情報を聞き込んでみたが、男達が町のはずれの方に歩いていたことくらいしかわからなかったとのことだった。




 (……厄介なことになった…
これからどうするべきか…)

アレクの眉間に深い皺が刻まれた。
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