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決意
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「ありがとう、オルジェス…
一日も早くそうなりたいものだな…
……それで、ルーク…あの娘のことだが…」
ベルナールは、隣の部屋に視線を向ける。
「旅に出る時に、あいつはここに置いて行く。
あいつがつまらないことを言うから苛々してちょっと苛めてやったけど…
……それにももう飽きた。
あいつはろくに客も取れないし、一緒にいても何の得にもならないからな。」
「……可哀想に。ずいぶんと酷いことをさせていたのだな。」
「たいしたことじゃないよ。
僕、ここに戻るまでの路銀をあいつに稼ぐように言ったんだ。
でも、あいつはなかなか客が取れなくて、そのせいでここ二日は野宿だったんだよ。
あいつにはお仕置きのために昨日から食事もさせてない。」
ベルナールは、ルークの言葉に苦笑いを浮かべた。
「おまえは本当にきついことをするんだな。」
そう言うと、ベルナールは懐から皮袋を取り出し、ルークの前に差し出した。
「……ベルナール…これは?」
「ルーク、今夜は私があの娘を買おう。
その金でオルジェスと町で遊んで来ると良い。」
「冗談だろ?
あんな田舎娘、あんたの相手にはならない。」
「田舎娘だから良いんじゃないか。
あぁいうのは、店にはいないからな。
……それとも、妹を私に抱かせるのは気が進まないか?」
ルークは鼻で笑い、おもむろに立ち上がったかと思うと、隣の部屋からサマンサを引っ張るように連れ出した。
「サマンサ、ベルナールが今夜のお客だ。
こんな美男子に相手してもらえるなんて、おまえは幸せだな。
精一杯、尽すんだぞ。
……ベルナール、じゃあ、僕達は町で遊んで来るよ。
こいつのことは好きなように使って。」
「わかった。
オルジェス、すまないが夕食を二人分、部屋まで運ぶように言って行ってくれ。」
「ベルナール、こいつに食事なんて…」
「……途中で倒れられてはつまらないからな。」
その返事に、ルークは皮肉な笑いを残し、オルジェスとルークは部屋を出て行った。
一日も早くそうなりたいものだな…
……それで、ルーク…あの娘のことだが…」
ベルナールは、隣の部屋に視線を向ける。
「旅に出る時に、あいつはここに置いて行く。
あいつがつまらないことを言うから苛々してちょっと苛めてやったけど…
……それにももう飽きた。
あいつはろくに客も取れないし、一緒にいても何の得にもならないからな。」
「……可哀想に。ずいぶんと酷いことをさせていたのだな。」
「たいしたことじゃないよ。
僕、ここに戻るまでの路銀をあいつに稼ぐように言ったんだ。
でも、あいつはなかなか客が取れなくて、そのせいでここ二日は野宿だったんだよ。
あいつにはお仕置きのために昨日から食事もさせてない。」
ベルナールは、ルークの言葉に苦笑いを浮かべた。
「おまえは本当にきついことをするんだな。」
そう言うと、ベルナールは懐から皮袋を取り出し、ルークの前に差し出した。
「……ベルナール…これは?」
「ルーク、今夜は私があの娘を買おう。
その金でオルジェスと町で遊んで来ると良い。」
「冗談だろ?
あんな田舎娘、あんたの相手にはならない。」
「田舎娘だから良いんじゃないか。
あぁいうのは、店にはいないからな。
……それとも、妹を私に抱かせるのは気が進まないか?」
ルークは鼻で笑い、おもむろに立ち上がったかと思うと、隣の部屋からサマンサを引っ張るように連れ出した。
「サマンサ、ベルナールが今夜のお客だ。
こんな美男子に相手してもらえるなんて、おまえは幸せだな。
精一杯、尽すんだぞ。
……ベルナール、じゃあ、僕達は町で遊んで来るよ。
こいつのことは好きなように使って。」
「わかった。
オルジェス、すまないが夕食を二人分、部屋まで運ぶように言って行ってくれ。」
「ベルナール、こいつに食事なんて…」
「……途中で倒れられてはつまらないからな。」
その返事に、ルークは皮肉な笑いを残し、オルジェスとルークは部屋を出て行った。
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