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決意
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「もうそろそろ追いついても良い頃だ…」
「ルークが本当にこの方向へ向かっていれば…だけどな。
あいつは金の奪い方を知ってる。
俺にはあいつがわざわざ歩いて移動するとは思えないんだけどなぁ…」
コーカスからの馬車には、ルークらしき男が乗った形跡はなかった。
しかし、町にもういないことを考えれば、コーカスを離れたのは間違いのないこと。
それは、ルークが徒歩で移動していることだとベルナールは推測した。
ベルナールとオルジェスは、ルークの姿を見過ごさないように、ごく短い距離の瞬間移動を繰り返しながら、ルークが進んだと思われる道を辿った。
「さっきの町でもそれらしき男女の姿は見られていたではないか。」
「でも、あいつが特定の女を連れて旅するなんてありえない。
それに、宿にも泊まってないなんてやっぱりどう考えてもおかしいぜ。
あいつが野宿をするなんてことを好む筈はない。
女連れだったらなおさら見栄もあるだろうし。
やっぱり別人じゃないか?」
「……オルジェス…
おまえは気付かないのか?
ルークは近くにいる…しかも、今朝からどんどん近くなって来ている。」
「ルークが近くに!?
なんで、そんなことがわかるんだ?」
「なんでって…おまえは本当に感じないのか?
あいつの気を…」
こともなげに答えたベルナールに、オルジェスは感心したように頷いた。
「あんたがそういうんじゃ、きっと間違いないだろうな。
この先って言ったら…
そうだ!ルキティアを探しに来た時に立ち寄った小さな町があるはずだ。
……そこじゃないのかなぁ…でも、他に脇道のようなものは…」
オルジェスは小首を傾げ、このあたりの地理を頭に浮かべる。
「……オルジェス、とりあえず、あの町に行こう。
町外れに空き地があっただろう?
あのあたりへ飛ぼう。」
「よし、わかった。」
オルジェスが頷くと同時に、二人の姿はその場から消えた。
「もうそろそろ追いついても良い頃だ…」
「ルークが本当にこの方向へ向かっていれば…だけどな。
あいつは金の奪い方を知ってる。
俺にはあいつがわざわざ歩いて移動するとは思えないんだけどなぁ…」
コーカスからの馬車には、ルークらしき男が乗った形跡はなかった。
しかし、町にもういないことを考えれば、コーカスを離れたのは間違いのないこと。
それは、ルークが徒歩で移動していることだとベルナールは推測した。
ベルナールとオルジェスは、ルークの姿を見過ごさないように、ごく短い距離の瞬間移動を繰り返しながら、ルークが進んだと思われる道を辿った。
「さっきの町でもそれらしき男女の姿は見られていたではないか。」
「でも、あいつが特定の女を連れて旅するなんてありえない。
それに、宿にも泊まってないなんてやっぱりどう考えてもおかしいぜ。
あいつが野宿をするなんてことを好む筈はない。
女連れだったらなおさら見栄もあるだろうし。
やっぱり別人じゃないか?」
「……オルジェス…
おまえは気付かないのか?
ルークは近くにいる…しかも、今朝からどんどん近くなって来ている。」
「ルークが近くに!?
なんで、そんなことがわかるんだ?」
「なんでって…おまえは本当に感じないのか?
あいつの気を…」
こともなげに答えたベルナールに、オルジェスは感心したように頷いた。
「あんたがそういうんじゃ、きっと間違いないだろうな。
この先って言ったら…
そうだ!ルキティアを探しに来た時に立ち寄った小さな町があるはずだ。
……そこじゃないのかなぁ…でも、他に脇道のようなものは…」
オルジェスは小首を傾げ、このあたりの地理を頭に浮かべる。
「……オルジェス、とりあえず、あの町に行こう。
町外れに空き地があっただろう?
あのあたりへ飛ぼう。」
「よし、わかった。」
オルジェスが頷くと同時に、二人の姿はその場から消えた。
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