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決意

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「ど、どういうことなんだ、アズラエル!
 詳しく教えてくれ!」

 「あぁ……」

アズラエルは、深く頷き、そしてゆっくりと話し始めた。
その話は、トレルがルキティアというエルスールそっくりな女性と知り合い、オルジェス達のことさえ忘れる程の幸せな日々を過ごしていた時から始まり、ルークとオルジェスによるルキティアの殺害、そしてその後のトレルの様子に終わった。



 「そ…そんな恐ろしいことをあのルークとオルジェスが……」

ランディは頭を抱え、肩を落としてうな垂れた。



 「ボクにもまだ実感がわかない…
二人のことはよく知らないけど…でも、オルジェスはトレルとエルスールの子だろ、ルークはケイトとオルジェの子だ。
あのケイトとあのオルジェの子なんだぞ!
……それなのに、なんでそんな恐ろしい…」

そう言って唇を噛み締めるリンクの傍で、アルグは黙ったまま俯いた。



 「……アズラエル…もう無理なんだろうか?
そこまで変わり果てた二人を元に戻すことなんて、もう……」

 「馬鹿なことを言うな!
……確かに二人は変わってしまった…とんでもないワルにな…
今はもう昔の二人ではないだろう。
だが、ランディ…それでも、ルークはおまえを殺さなかった…
オルジェスもトレルを殺さなかった…
 ……まだ、望みはあるってことだ。
 彼らは心底悪人になってしまったわけではない。
 私はそう信じている。
 良いか、君が諦めた時…望みは本当に消え果てるんだぞ!
だから、諦めてはいけない!
……君はルークの父親なんだ…ルークを助けられるのは君だけなんだぞ!」

 「……アズラエル…」

ランディは潤んだ瞳でアズラエルをみつめた。
アズラエルは頷き、そんなランディに穏やかな微笑を返す。



 「明日から本格的にトレルとルーク達を探そう。
 君達が来てくれて、私も心強いよ。」

 「心にもないことをよく言うな。」

 「おまえは、相変わらず口が悪いな…
さぁ、そろそろ夕食にしよう。
 腹が減っただろう?
ちょうどうまい肉と酒があるぞ。」

 「やったー!
このところ、ろくなもん食べてなかったんだ。
アズラエル、早く頼むよ!」

はしゃぐリンクに、アズラエルは意地悪な視線を投げ掛けた。



 「おまえにはおいしいパンがあるぞ。」

 「えっ!なんでボクだけパンなんだよ!」

にんまりと笑うアズラエルに、リンクは先程のことを思い出し、最高の笑顔で微笑んだ。



 「アズラエル、一人じゃ大変だろ?
ボクもなにか手伝うよ。」

 二人のやりとりに、ランディやアルグも思わず笑い声を上げた。
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