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復讐の連鎖

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 「ランディ、もっと食べる?
もう一つむきましょうか?」

キャシーがりんごを手に、ランディに尋ねた。



 「いや、もう良いよ。
それより、キャシー、そろそろ家に戻ってくれ。
ジョナサンは学校もあるだろう?
 俺ならもう大丈夫だから。」

 「父さんには私がついてるから大丈夫よ!」

 「そうね…じゃあ、ジョナサンとローリーを連れて明日にでも戻るわ。」



ランディは、順調に回復を続けた。
まだ、一人で歩ける程ではなかったが、心配された脳の内部にも特に大きな問題は見られず、後は傷さえ良くなれば退院出来ると伝えられた。



 「ジョナサンはどこだ?」

 「雑貨屋さんで遊んでるわ。
お店のお手伝いをするのが楽しいらしいの。
じゃあ、私、ちょっと洗濯をしてくるわね。」

 「あ、母さん、私も行くわ。」

 二人が部屋を出て行くと、ローリーがランディのベッドにゆっくりと歩み寄った。



 「ローリー、退屈だっただろう?
 明日、お家に帰れるからね。」

 「あのね…父さん…」

 「なんだい?ローリー?」


 何事かを言いよどむローリーの髪を、ランディが優しく撫でる。
ローリーは、あの火事以来、一人で部屋に閉じこもり、ほとんど何もしゃべらなくなっていたが、ランディの怪我をきっかけに、少しずつ話をするようになっていた。
まだ以前のように明るく笑うようなことはなかったが、ローリーのこの変化は家族にとってとても嬉しい変化だった。



 「あのね……」

ローリーは、言うのを躊躇うように口許に手を添える。



 「ローリー、言いたくないんだったら言わなくても良いんだよ。」

ランディは、ローリーの身体を引き寄せ抱き締める。



 「……父さん……小人さんが…小人さんが家に来たの…」

ランディの胸に顔を埋め、涙声でローリーはそう呟いた。



 「小人さん?リンクやアルグにまた会ったのか?
いつ?」

ローリーは顔を上げ、首を振る。



 「違うの。初めて会った小人さん。
お兄ちゃんが小人さんのお家に火をつけて…
それで、小人さんの奥さんと赤ちゃんが死んじゃって…
 ……だから、私達は、その代わりに死なないといけないって…小人さんがそう言ったの……」

ローリーは大粒の涙をぽろぽろとこぼしながら、ゆっくりとそう話した。
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