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復讐の連鎖

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「ベルナール、大丈夫だ。
やっぱり外には誰もいなかった。」

 「そ…そうか、では行こうか…」

ベルナールは、ルークに小さな目配せをし、三人は山道を降り始めた。



 「ここには家はそう何軒もないから、ルキティアがみつかるのはすぐだと思うぜ。」

 「オルジェス、くれぐれも手荒い真似をするんじゃないぞ。
ルキティアは自分の意志で好きな男と暮らしてるんだ。
それをおまえにとやかく言う権利はない。
 話をするだけだ。
わかってるな?」

 「……その話ならもう何度も聞いた。
わかってるさ、冷静に俺の気持ちを伝えるだけだから安心してくれ。」

そう言うと、どこか拗ねたようにオルジェスは先頭を歩いていく。



 「オルジェス、トレルの家をのぞいていかないか?」

 「やなこった。
あいつの顔なんざ、見るのもいやだ。
それにみつかったらやばいだろう?」

 「……ルキティアの相手はトレルだったりしてね…」

ルークの顔に意地悪な笑みが浮かんだ。



 「ルーク!!」

ベルナールの咎めるような声にもルークはひるまず、言葉を続けた。



 「だって…この町には若い男自体少ないし、ルキティアが気にいるとしたらあいつくらいしかいないんじゃない?」

 「ルーク…おまえ…
言って良い冗談と良くない冗談の区別もつかないのか!」

オルジェスは、刺すような視線でルークを睨みつけ、彼の胸倉を掴み上げた。



 「止せ、オルジェス!そんなことで喧嘩してどうする。
ルークもつまらんことは言うな。
トレルの家には寄らない。
さあ、行くぞ!」

 「……確かめてくる…」

 「やめろ!オルジェス!」

 止めるのも聞かず、オルジェスは姿を消し、ベルナールの差し伸ばした手は空しく宙を掴んだ。



 「ルーク、なぜ、あんなことを…」

 「ベルナール、今のあいつに妙な優しさはいらない。
 現実を見せつけてやる方があいつのためだ。
そんなことより、早く、トレルの家へ…!」

 「わかった…」

ベルナールはルークの腕を取り、姿を消した。
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