深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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復讐の連鎖

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「……おまえはなかなかカンが良いようだな。
よし、わかった。
おまえがそれ程までに言うのなら抱いてやろう…
しかし、その前にこいつにおまえの血を与えよ。
……おまえは手加減というものをしなかったようだな。
あと少し遅ければ危ない所だった…」

 「……わかったよ。」

ルキティアは、自らの腕をその長い爪に力を込めて切り裂いた。
 真っ白な腕を真っ赤な血がのたうつ蛇のように流れ、ぽたぽたと赤い雫を垂らした。



 「オルジェス…しっかりしろ、オルジェス…」

ベルナールが、声をかけ身体をゆすると、ゆっくりと腫れ上がった瞼が開いた。



 「……だ…れだ……」

 開いた瞳はなにも映していないのか、意識がまだはっきりとしていないのか、オルジェスは消え入りそうな小さな声で問う。



 「オルジェス、私だ、ベルナールだ。
もう大丈夫だからな…」

 「ベル…ナール…」

 「そうだ。オルジェス。ベルナールだ。
すぐに楽になるから頑張るのだぞ。
さぁ、ルキティア、血を…」

ベルナールは、オルジェスを抱き抱え口を開かせた。



 「オルジェス、ゆっくりと飲み込むのだ。
 無理はするな…少しずつ…少しずつ…ゆっくりとな。」

ベルナールには言われるままに、オルジェスはゆっくりとその血をすすった。
 何度か咳き込み、すすった血を何度か吐き戻しながらもオルジェスはルキティアの生温かい血の感触に酔いしれた。



 「美味いだろう、オルジェス…
ようし、このくらいで良いだろう。
……ルキティア、使用人を呼んでオルジェスの手当てをさせろ。」

ルキティアは言われた通りに、使用人を呼び、オルジェスを引き渡した。



 「良い子だ…」

ベルナールは、ルキティアのドレスを引き千切ると、それを細く裂き、彼女の腕に巻きつけた。



 「あんた、ベルナールって言うんだね。
ベルナール、あんたの言うことはちゃんと聞いたよ…だから…」

 出血のせいか、どこか焦点のはずれた眼差しを向けるルキティアの唇が、ベルナールの唇をねっとりと塞ぐ。



 「……あぁ、わかっている…
おまえが満足するまで可愛がってやろう…」 
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