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復讐の連鎖

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「何の真似だい!」

 「……あいにくと私はそんなことをしに来たわけではないのだ。
 弟を返してもらいに来ただけなのでな…」

 「弟?では、この男があんたの弟…?
 少しも似た気をしていないのに…」

 「あぁ、わけありの兄弟なのでな…」

ルキティアは決まりの悪い表情を浮かべ、早口でまくし立てた。



 「あ、あたしが悪いんじゃないよ。
この子があたしにしつこくつきまとって、ついには力づくでものにしょうとして来たから…だから…」

 「別にそんなことを責めているわけではない。」

 「……そうか、良かった。
じゃ、あっちで…」

ルキティアは再びベルナールの手を取った。



 「ルキティア…そんなに私がほしいのか…?」

 「ば…馬鹿なことを言うんじゃないよ!
あたしが誰だか知ってるんだろう?
あたしは男に不自由したことなんかないんだ!」

 「そうか…ならば、私は弟を連れて帰ることにしよう…」

ベルナールは、ルキティアの手を振り払うと、意味深い視線を送り、オルジェスの傍に歩み寄る。



 「……ま、待って…!」

オルジェスに手を差し伸べようと身をかがめたベルナールの背中に、ルキティアの熱い息遣いが降りかかる。



 「たのむよ…行かないでおくれよ…」

 「噂通りだな…
だが、私も女には不自由はしておらん。
……それに、私は従順な女しか愛せない。
 申し訳ないが、君のような傲慢な女は苦手なのだ。」

 「あ、あたし、あんたに尽すよ。
 何でも言う通りにするからさ!」

ルキティアは自分の身体を、ベルナールの背中にぴったりと押しつけた。



 「なぜ、それほど私にこだわる…?
 男には不自由しておらんのだろう?」

 「……さっきも言っただろう?
あんたみたいな美しい男は見た事がないって…
それに……あたしにはわかるんだ。
あんたは、普通の悪魔とは違う…
なんて言ったら良いんだろ…
あんたの奥底に…なにかとてつもなく強い力みたいなもんを感じるんだ。」

ルキティアはベルナールの胸に後ろから腕を回し、耳元で吐息混じりに囁いた。
その言葉に、ベルナールは俯き失笑する。 
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