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復讐の連鎖

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 「ベルナール、僕、そろそろ出掛けるよ。」

 「今日は早いのだな。」

 「今日は、ちょっといつもとは違うからね。
それにしても、ベルナール…
オルジェスはどうしてるんだろう?
あれからもう二週間近く経ってるのに、まだ帰って来ないなんて意外だね。」

 「意外なのはおまえの方だ。
 正直言うと、おまえがここまでやれるとは思っていなかった。
 昨夜で男二十人を倒し、確か女はあと一人だったな。
それも今日で終わり…おまえの勝ちはもう決まったようなものだな。」

ルークはその言葉に、子供のような無邪気な笑みを浮かべた。



 「まぁ、君に脱出の手伝いをしてもらってるし、いろいろ教えてもらったからね。
だけど、実は、僕自身ここまで出来るとは思ってなかったんだ。
 今回のことで、僕もちょっと自信がついたよ。」

ルークのいたいけな笑みの奥底にベルナールは邪な影をみつけ、心の中でほくそ笑む。



 「悪魔のオルジェスと人間のおまえとでは元々の力が違う。
それに、おまえがリュタンの村に行ってる間に、私はオルジェスにいろいろなことを教え込んだのだから、今度はおまえに多少の力を貸しても良い筈だ。
……それにしても、オルジェスはあまりに遅いな。
まさかとは思うが…そのうち様子を見に行ってみよう。」

 「ベルナール、そのルキティアって女はそんなに強いの?」

 「あぁ、かなりのものらしい…」

 「かなりって……でも、オルジェスが殺られる程じゃないよね?」

 「それは……わからん。」

 「わからんって、そんな!!
オルジェスをそんな強い女の所に行かせるなんて、酷いじゃないか!!
 何かあったらどうする気なんだよ!」

 叫ぶような声と共にルークの顔が赤く上気し、拳がわなわなと震え出した。
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