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復讐の連鎖
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「仮にそうだったとしても、それはオルジェスの問題だ。
なぜルークが…?」
「だから、それはオルジェスが村に入れないからさ。
オルジェスとルークは兄弟のように仲が良い。
俺がおまえの代わりに奴らに制裁を加えてやる…!…そんなことだったんじゃないか。
若い頃にはついそんなことを言いたがるもんだろ?
もちろん、二人共、リュタン達を少し困らせるだけのつもりだったんだと思う。
まさかこんな大事になるとは思ってなかったはずだ。」
「なるほどな…
それなら、わかるような気がするよ。」
ランディは、トレルの説明に何度も頷いた。
アズラエルは、二人のやりとりを聞きながら、何も言葉を挟まなかった。
(また、私の考え過ぎだということか……)
アズラエルはこの出来事から、さらにルシファーの関与を強く感じていた。
しかし、トレルの話すことは理に適っていた。
アズラエルは、今の話で、今回の不明だった部分が全てわかったような気分を感じていた。
「ランディ、本当にすまない。
オルジェスのせいで、ルークにはまた罪を犯させてしまった…
やはり、このままにしておくわけにはいかないな。
なんとしても、オルジェスに会わなければならない。
そして、話し合う…
それでもどうしても許せないのなら、俺を殺せば良いさ。」
「トレル!何言ってんだ!
イアンさんのくれた大切な命をそんな風に粗末にして良いと思ってるのか!」
トレルは薄笑いを浮かべながら、煙草の煙を吐き出した。
「死をもってしか伝えられないこともあるのかもしれないぜ。
……俺はこれでもあいつの父親だ。
だから、どんなことをしてでもわからせる。
ルークにさせたことが間違いだった事を…
それさえ出来りゃ、俺はもう思い残す事はない。
俺が殺られることで、エルスールを見殺しにしたことを許してもらえるのなら…俺も本望だ。」
「トレル!あんたはエルスールを見殺しにしたわけじゃない。
あの時は仕方なかったんだ…」
「ランディ、俺は昔からその言葉が嫌いでな。
仕方なかったなんてのは、言い訳に過ぎない。
俺が、エルスールをそのままにして行ったのは事実だ…」
そう言ったトレルの瞳には、うっすらと光るものが浮かんでいた。
なぜルークが…?」
「だから、それはオルジェスが村に入れないからさ。
オルジェスとルークは兄弟のように仲が良い。
俺がおまえの代わりに奴らに制裁を加えてやる…!…そんなことだったんじゃないか。
若い頃にはついそんなことを言いたがるもんだろ?
もちろん、二人共、リュタン達を少し困らせるだけのつもりだったんだと思う。
まさかこんな大事になるとは思ってなかったはずだ。」
「なるほどな…
それなら、わかるような気がするよ。」
ランディは、トレルの説明に何度も頷いた。
アズラエルは、二人のやりとりを聞きながら、何も言葉を挟まなかった。
(また、私の考え過ぎだということか……)
アズラエルはこの出来事から、さらにルシファーの関与を強く感じていた。
しかし、トレルの話すことは理に適っていた。
アズラエルは、今の話で、今回の不明だった部分が全てわかったような気分を感じていた。
「ランディ、本当にすまない。
オルジェスのせいで、ルークにはまた罪を犯させてしまった…
やはり、このままにしておくわけにはいかないな。
なんとしても、オルジェスに会わなければならない。
そして、話し合う…
それでもどうしても許せないのなら、俺を殺せば良いさ。」
「トレル!何言ってんだ!
イアンさんのくれた大切な命をそんな風に粗末にして良いと思ってるのか!」
トレルは薄笑いを浮かべながら、煙草の煙を吐き出した。
「死をもってしか伝えられないこともあるのかもしれないぜ。
……俺はこれでもあいつの父親だ。
だから、どんなことをしてでもわからせる。
ルークにさせたことが間違いだった事を…
それさえ出来りゃ、俺はもう思い残す事はない。
俺が殺られることで、エルスールを見殺しにしたことを許してもらえるのなら…俺も本望だ。」
「トレル!あんたはエルスールを見殺しにしたわけじゃない。
あの時は仕方なかったんだ…」
「ランディ、俺は昔からその言葉が嫌いでな。
仕方なかったなんてのは、言い訳に過ぎない。
俺が、エルスールをそのままにして行ったのは事実だ…」
そう言ったトレルの瞳には、うっすらと光るものが浮かんでいた。
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