深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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さらなる復讐

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 (ここがロートレアの町か。
オルジェスとベルナールはちゃんと待っててくれるだろうか?
……まさか、僕を残して二人で出発したんじゃ……)

ルークは、宿を訪ねた。
しかし、そこには二人の姿はなく、ルークは不安な気持ちを抱えながら、町にあるもう一軒の宿屋に向かった。



 「本当に…?
 本当に、泊まってないんですか?」

そこにも二人の姿はなかった。
やはり、自分は見捨てられたのだ…信じてもらえなかったのだ…という想いがルークの胸を締め付けた。



 「どうかしたのかい?」

ちょうどそこへ年配の男性が現れ、憔悴しきったルークの様子に足を停めた。



 「あぁ、旦那さん、この方はお連れさんをお探しのようですが、長い金髪の方と黒髪の男性の二人連れのお客さんなんて、お泊りじゃないですよね。」

 「金髪と黒髪の……?もしかして、あんた、ルークさんかい?」

 「えっ?……どうして、僕の名前を?」

 「ベルナールさんの連れのルークさんだね?
 彼は、今、狩りに行くとかで、あんたが訪ねて来たらここで待っててほしいって伝言だったよ。
 宿賃も預かってるからね。」

 「本当ですか!」

ルークは、その一言で安堵し、これまでの疲労感が一気に押し寄せるのを感じた。
 宿の主人の話によると、受付にいた男は数日前に入ったばかりの新入りで、ベルナールの伝言を伝えるのを忘れていたということだった。
 二人は、遅くとも一月以内には戻って来ると言い残して、どこかへ出掛けて行ったという。



 (良かった…置いて行かれたんじゃなかった…
そりゃあそうだよな。
 僕もなかなかリュタンに会えなかった。
ここに来るまでにもずいぶんとかかってしまったし、いくらここが賑やかな町だって言っても、待つのは退屈だよな。
……あれから、リュタンの村はどうなっただろう?
リンクとアルグはいなかったんだから、殺れなくても怒られないよな?
それとも,僕が嘘を吐いてるって思われるかな?
あれで、村もたいした損害がなかったら、またベルナールに馬鹿にされるかもしれないな…)

ルークはベッドの上で様々なことを思い浮かべているうちに、いつの間にかぐっすりと眠り込んでいた。
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