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さらなる復讐

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「早いもんだな…あれからもう一週間が経ったなんて…」

「あの日のことが、ずっと昔のことのように思えたり、ついさっきのことのように思えたりするよ。」

トレルは遠くをみつめながら、紫色の煙を吐き出した。



「トレル…いいかげんにしておけよ。
イアンのおかげでせっかく元気になれたんだ。
それなのにそんなに煙草を吸ったんじゃ…」

「ランディ、悪魔でも病気になるのか?」

「あ……そうか…
そういえば、煙草の吸い過ぎで病気になった悪魔の話なんて聞いた事はないな。
だが、それにしたって吸い過ぎだぞ!」

「……こうでもしてなきゃ落ち付かないんだ。
あれから、オルジェスとルークはすっかり姿を消してしまった。
おかしいじゃないか。
きっと、奴らは俺が生きてることを知った筈だ。
イアンが死んだことも知ってるだろうから、それがどういうことなのか理解してると思う。
そうなれば、また俺を狙って来る筈じゃないか?…なのに、なぜ来ない?」

トレルは、苛立ちのこもった視線でランディをみつめた。



「トレル…オルジェスもルークも元は優しい良い子達だ。
彼らは傷付いている。
出生の秘密を知ってしまったことで、とても深く傷付いている。
だから、今回のような馬鹿な真似をしでかしてしまったが、イアンが死んだことを知って、自分達の過ちに気付いたんじゃないだろうか?
とんでもないことをしてしまったと後悔し、でも、素直に謝る事も出来ずにどこかで悩んでるんじゃないだろうか?
俺は、二人のことがとても心配なんだ…」

「……あんた、イアンみたいなことを言うんだな。
俺は…そこまで二人のことを良くは思えない。
エルスールは、とても気性の荒い女だった。
執念深く冷酷な所もあった。
ルークはともかく、オルジェスにはそんな母親の血が流れてるんだ。
……こんなことを考えるなんて、俺は父親としては失格なのかもしれんな。
イアンがいたら、俺は叱られるだろうな。
……ランディ、俺は今でもイアンがいなくなったことがまだどこか信じられないんだ。
今にも、あのドアを開けてイアンが戻って来るように思えたり…」

その刹那、トレルのみつめる扉が不意に開いた。
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