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ゲームの始まり

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「ランディさん!
突然、どうなすったんです!」

いつもは手紙を出してからしか来ることのないランディが訪ねて来たことで、イアンは慌てた。



「お久しぶりです、イアンさん。
今日は、ちょっと大事な話があって。
イアンさん、トレルはいるかな?」

「トレルは…あの、あいにくと今は…」

「出掛けてるのか?
いつ戻る?」

「それがですね…」 

返答に困るイアンの落ち着かない視線が部屋の奥で止まった。
それと同時に、ランディもそこにいたトレルの姿に気が付いた。



「トレル!
一体…一体、どうしちまったんだ、その姿は!」

「……久しぶりだな、ランディ…」

おぼつかない足取りで歩いてくるトレルに、イアンが肩を貸し、身体を支えた。



「トレル…」

自分の記憶の中のトレルとは別人のようなトレルを目の前にして、ランディは言葉が出ない。



「身体がイカレちまってな…
こんな情けない姿はあんたには見せたくなかったんだが…
何かあったのか?」

「……い、いや、何でもない…
たいしたことないんだ……」

トレルの体調は誰が見ても明らかに良くはなさそうだ。
そんなトレルに心配をかけるようなことは言えない…
そう考え、ランディは口をつぐんだ。



「水臭い真似はよしてくれよ。
何もなくて、あんたがわざわざここまで来ることはないだろう。
俺なら大丈夫だ。
話してくれ。」

ランディは返事に困り、イアンに救いを求める視線を投げ掛けた。



「ランディさん、話してやって下さい。」

イアンのその言葉で、やっと決心が付いたランディは、これまでのことを話し始めた。

何者かが、ルークに出生の秘密を告げたこと、そのせいでルークが家を出ていってしまったこと、そして、サマンサの語ったことを… 
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