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ゲームの始まり
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振り向いた三人の目に映ったのは、見たこともない男だった。
「……悪魔…か…」
「えっ?!」
ベルナールの言葉に、ぎょっとした顔でルークが男の顔をみつめる。
「いかにも俺は悪魔だが…おまえは……」
男は、ベルナールを見ながら考え込んでいる。
「奇妙な奴だな…
おまえからは悪魔の気も人間の気も感じられる…
まさか、おまえもオルジェスと同じってことか?
……オルジェスってのはおまえだな。」
男はそう言いながら、オルジェスの方に向き直った。
「だったら、どうした!?」
「ある人物に頼まれて、長い間、おまえを探していた。
それにしても、呆れた奴らだな…」
「誰が俺のことを!?
トレルか!?」
「……ここではなんだ…
人気のない所で話そう…」
ベルナールが男の答えを待たずに歩き出した。
三人はベルナールの後に続き、やがて、町外れの雑木林に着いた。
「ここなら、落ち着いて話が出来る。
……教えてもらおうか。
おまえは、誰に頼まれてオルジェスのことを探していた?」
「若いくせにずいぶんと高飛車な物言いだな。
そんな質問に答えなきゃならん義理はない。
誰に頼まれたかなど、おまえには関係のないことだ。
おまえこそ何者だ。
今回の悪巧みは、おまえが首謀のようだな。」
「違う!俺達は自分の意思でやってるんだ!」
その言葉に、男はくすりと笑った。
「甘いな…
これじゃあ、心配されるのも当然だ…」
ベルナールが唐突にそう呟いた男の後ろに回り込んで男の腰の短剣を投げ捨てたかと思うと、次に男を羽交い締めにして叫んだ。
あまりの早業に、男は逃げることも出来なかった。
「オルジェス!
その短剣で、こいつの心臓を突け!!」
「な、なんだって!」
「早くするんだ!!」
「や、や、やめろっっ!!」
男は必死でベルナールをふりほどこうとするが、ベルナールも玉の汗を浮かべながら渾身の力を込めて男の身体を取り押さえる。
「オルジェス!!」
オルジェスは短剣を拾うと、怯えたような瞳で男をみつめる…
「早くしろ!」
「馬鹿!やめろ!やめるんだ!」
オルジェスが短剣をしっかりと握り締めた。
「……悪魔…か…」
「えっ?!」
ベルナールの言葉に、ぎょっとした顔でルークが男の顔をみつめる。
「いかにも俺は悪魔だが…おまえは……」
男は、ベルナールを見ながら考え込んでいる。
「奇妙な奴だな…
おまえからは悪魔の気も人間の気も感じられる…
まさか、おまえもオルジェスと同じってことか?
……オルジェスってのはおまえだな。」
男はそう言いながら、オルジェスの方に向き直った。
「だったら、どうした!?」
「ある人物に頼まれて、長い間、おまえを探していた。
それにしても、呆れた奴らだな…」
「誰が俺のことを!?
トレルか!?」
「……ここではなんだ…
人気のない所で話そう…」
ベルナールが男の答えを待たずに歩き出した。
三人はベルナールの後に続き、やがて、町外れの雑木林に着いた。
「ここなら、落ち着いて話が出来る。
……教えてもらおうか。
おまえは、誰に頼まれてオルジェスのことを探していた?」
「若いくせにずいぶんと高飛車な物言いだな。
そんな質問に答えなきゃならん義理はない。
誰に頼まれたかなど、おまえには関係のないことだ。
おまえこそ何者だ。
今回の悪巧みは、おまえが首謀のようだな。」
「違う!俺達は自分の意思でやってるんだ!」
その言葉に、男はくすりと笑った。
「甘いな…
これじゃあ、心配されるのも当然だ…」
ベルナールが唐突にそう呟いた男の後ろに回り込んで男の腰の短剣を投げ捨てたかと思うと、次に男を羽交い締めにして叫んだ。
あまりの早業に、男は逃げることも出来なかった。
「オルジェス!
その短剣で、こいつの心臓を突け!!」
「な、なんだって!」
「早くするんだ!!」
「や、や、やめろっっ!!」
男は必死でベルナールをふりほどこうとするが、ベルナールも玉の汗を浮かべながら渾身の力を込めて男の身体を取り押さえる。
「オルジェス!!」
オルジェスは短剣を拾うと、怯えたような瞳で男をみつめる…
「早くしろ!」
「馬鹿!やめろ!やめるんだ!」
オルジェスが短剣をしっかりと握り締めた。
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