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帰還

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「やぁ、待たせたな。」

ゾルファにオルジェスのことを依頼してから、三週間程が経っていた。
やっと、オルジェスの手掛かりがみつかったという。



「ゾルファ、早く話を聞かせてくれ。」

「そう急ぎなさんなって。
ここまで来たら、あとは早い。
みつかるのは時間の問題だと思うぜ。
そうだ、奴の知り合いで、ものすごい美青年がいるって話は聞いたことがないか?」

「ものすごい美青年…?
トレルの話によると、彼にはルーク達以外には友達はいないということだったが…」

「そうか…じゃあ、家を出てから知り合ったってことか…」

ゾルファはここ三週間の間にわかったことをアズラエルに伝えた。
オルジェスが、幾人かの悪魔に接触してエルスールのことを聞きまわっていたこと…
少し前にスィーク・レノに立ち寄ったこと…
そして、ちょうど同じ頃、スィーク・レノにケイトを訪ねて来た男がいたこと…
オルジェスらしき男が、とても美しい青年と一緒にいるのを見た者がいたことなどを。



「ケイトを訪ねて来た男というのはどう言う者だったんだ?」

「それが、オルジェスと一緒にいた美青年なんだが…
とにかく、めったに見かけないような美しい男だったらしい。
年の頃はオルジェスとあまり変わらないくらいで、金髪で長身でとにかく綺麗なんだそうだ。」

「…それで、その者はケイトとどういう関係なんだ?」

「なんでも、そいつの両親がケイトと同じ村の出身で親しくしていたということだ。
農場の使用人がケイトもオルジェももうとっくの昔に死んだと言ったら驚いていたそうだ。」

「ケイト達と同郷の…?」

(おかしい…
今まで、ケイトからもオルジェからも同郷の者の話など聞いたことはなかった。
まして、スィーク・レノにいたことを知らせる程、親しくしていた者等いただろうか?)

アズラエルの胸に、不気味な不安感が広がった。



「それからオルジェスとそいつは町の宿屋に泊まり、エルスールのことを聞いたようだ。」

「エルスールのことを…?!
そうか…それは可哀想に…オルジェスはきっと深く傷付いたことだろうな…」

「その後の足取りも途中まではもうわかってる。
じゃあ、また連絡するからな!」

「よろしく頼む…」

ゾルファはふくろうに姿を変え、暗い空へ飛び去った。
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