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帰還
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*
「話はわかった。
とにかく、そのオルジェスって奴を探せば良いんだな。
……しかし、悪魔と人間の間に出来た子…しかも、女の悪魔が産んだ人間の子なんて初めてだ。
物好きな奴もいたもんだな。
で、そいつの容貌はどんな感じなんだ?」
ゾルファは手帳のようなものを取り出し、アズラエルの言ったことを書き留めていた。
「年は18。
人間の18よりは多少大人びて見えるようだ。
体格は長身で、細目の筋肉質だということだ。
顔は、母親そっくりだということだったから、整った顔立ちだと思う。」
「思う…って、あんたは会ったことないのか?」
「あぁ、知人の息子なのでな。」
「知人…?母親の方か?」
「いや…オルジェスの母親はすでにこの世にはおらん。
父親も身体を壊していて、自分で探すことが出来ないのだ。」
「なるほどな…そういうことか、わかったぜ。
ところで、報酬の方はなにをくれる?」
「……これを…」
アズラエルの差し出した宝石を見て、ゾルファの顔色が変わった。
「これは、もしかしたら妖精の宝石じゃないのか?!」
「その通りだ。
無事、オルジェスを見つけてくれれば、おまえにこれをやる。」
「本当か?本当にこれをくれるんだな?!」
「あぁ、おまえがオルジェスを探してくれたら、これはおまえにやろう。
無理を言ってすまないが、なるべく早い方が助かる。」
「わかった。
今、抱えてる仕事はいくつかあるが、一番にそいつを探そう。
その代わり、その宝石は絶対にくれよ。」
「心配するな…そんなことで騙したりはしない。」
「まぁ、あんたのことは信用してるがな。
じゃあ、数日、待っててくれ。
必ず、見つけ出すから。
それと、もう少しそいつのことを詳しく話してもらおうか。」
アズラエルとゾルファの話し合いは、明け方近くまで続いた。
*
「オルジェス、みつかるかな?」
「あぁ、ゾルファならきっとやってくれるさ。
私の方でも、伝手を尋ねてみよう。」
「……どんな息子になってるんだろうな…」
「さぁな…
だが、きっと、良い子に育ってるさ…
早くトレルと和解してほしいものだな。」
アズラエルのその言葉に、リンクは黙って頷いた。
「話はわかった。
とにかく、そのオルジェスって奴を探せば良いんだな。
……しかし、悪魔と人間の間に出来た子…しかも、女の悪魔が産んだ人間の子なんて初めてだ。
物好きな奴もいたもんだな。
で、そいつの容貌はどんな感じなんだ?」
ゾルファは手帳のようなものを取り出し、アズラエルの言ったことを書き留めていた。
「年は18。
人間の18よりは多少大人びて見えるようだ。
体格は長身で、細目の筋肉質だということだ。
顔は、母親そっくりだということだったから、整った顔立ちだと思う。」
「思う…って、あんたは会ったことないのか?」
「あぁ、知人の息子なのでな。」
「知人…?母親の方か?」
「いや…オルジェスの母親はすでにこの世にはおらん。
父親も身体を壊していて、自分で探すことが出来ないのだ。」
「なるほどな…そういうことか、わかったぜ。
ところで、報酬の方はなにをくれる?」
「……これを…」
アズラエルの差し出した宝石を見て、ゾルファの顔色が変わった。
「これは、もしかしたら妖精の宝石じゃないのか?!」
「その通りだ。
無事、オルジェスを見つけてくれれば、おまえにこれをやる。」
「本当か?本当にこれをくれるんだな?!」
「あぁ、おまえがオルジェスを探してくれたら、これはおまえにやろう。
無理を言ってすまないが、なるべく早い方が助かる。」
「わかった。
今、抱えてる仕事はいくつかあるが、一番にそいつを探そう。
その代わり、その宝石は絶対にくれよ。」
「心配するな…そんなことで騙したりはしない。」
「まぁ、あんたのことは信用してるがな。
じゃあ、数日、待っててくれ。
必ず、見つけ出すから。
それと、もう少しそいつのことを詳しく話してもらおうか。」
アズラエルとゾルファの話し合いは、明け方近くまで続いた。
*
「オルジェス、みつかるかな?」
「あぁ、ゾルファならきっとやってくれるさ。
私の方でも、伝手を尋ねてみよう。」
「……どんな息子になってるんだろうな…」
「さぁな…
だが、きっと、良い子に育ってるさ…
早くトレルと和解してほしいものだな。」
アズラエルのその言葉に、リンクは黙って頷いた。
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