深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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運命の出会い

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「ジェローム……いいかげんにしたらどうだ。
もうとっくに夜が明けたぞ…
それに、そいつは弱っている。
それ以上、いたぶっては死んでしまうぞ…」

「悪魔の肉体はそんなに脆いものなのか?」

「そなたが強過ぎるのだ…
悪魔でもそこまでやる奴はいないぞ…」

「悪魔以上か…それは光栄だな…」

ジェロームの傍らには、アレクシスがぐったりとした様子で倒れていた。
力なく開いたその瞳にはもうなにも映していないようにも見える。

ベルナールは、アレクシスに近付き彼の様子をうかがう。



「まずい…思ったより弱ってるな。
回復するまでしばらく待たねば…
もう、こいつにはそなたの身体に入るだけの力は残って無さそうだ。」

「面倒だな…」

「……そうだ、良い事を思い出した!
ジェローム…悪魔の力を手に入れるには、契約を結ぶ以外にも方法があることを知っているか?」

「いや、知らぬ。
どんな方法だ?」

「とても容易い事だ…」

「どうするのだ?」

「まだ死んではいない悪魔の血をすすり肉体を食らうのだ。
どうだ?容易い事だろう?」

アレクシスが低いうめき声をあげ、泣きながら必死で逃げようと動き出した。




「そんな方法があったのか…
それは簡単だな…」

ジェロームの腕が、アレクシスの足をがっしりと捉えた。



「こやつの身体には様々な調味料がふりかかっておるから、ちょうど良い。
良い味がしそうだな。早速、いただくとするか…」

ベルナールは低い声で笑った。



「ジェローム、少しくらい躊躇したらどうなんだ?
私は生きた悪魔を食らえと言ったのだぞ。」

「私は生の動物の肉を食らったことがある。
悪魔と動物の違いがそんなに大きいのか?」

「それもそうだな…では、私が食べやすいようにさばいてさしあげよう…」

ベルナールは、アレクシスの傍ににじり寄る…
アレクシスは恐怖で動く事が出来ず、ただただ首を振り大粒の涙を流す…
必死に動かす口からも言葉らしい言葉は発せられなかった。




「これで本当の意味でおまえと私は一つになれるというわけだ。
おまえの血や肉が私の一部となり、一つになれるのだ。
嬉しいか?アレクシス…」

「……さようなら、アレクシス様…」

ベルナールの振り上げた手が、アレクシスの心臓に食いこみ、深く深く沈んでいく…



「う…っ」

短いうめき声と共に、アレクシスの口から真っ赤な血が吐き出された。
それと同時に、ベルナールは指先に渾身の力を込め、アレクシスの心臓を掴んだままそれを彼の肉体から引き抜いた。
無残に穴の空けられたその場所からは固まりになった黒い血が噴き出し、心臓を失ったアレクシスの肉体は痙攣しながらやがてがっくりと前のめりにくずおれた…

 
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