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運命の出会い

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「アレクシス様、葡萄酒を少しいただいてもよろしいですか。
少し、気持ちが動揺してしまって…」

ベルナールはテーブル上のワインに目を走らせた。



「あぁ、かまわん。
私も一緒にいただこう。」

「ありがとうございます。」

ベルナールは、葡萄酒をグラスに注ぎ、一つを自分に、そしてもう一つをアレクシスの前に差し出した。



「どうぞ…アレクシス様。」

二人はテーブルを挟んで座り、赤い液体の入ったグラスを傾ける。



「とても美味しい葡萄酒ですね…」

「地下にはまだいくらでもあるぞ。
好きなだけ飲め…」

葡萄酒を飲む度にベルナールの白い頬が桜色に染まっていく。



「さぁ、もっと飲め…」

アレクシスは、ベルナールの隣に席を移し、グラスが空くのを待ちきれないように何度も葡萄酒を注ぎ入れる。



「どうだ?少しは落ち着いて来たか?」

「ええ…でも、僕はお酒には弱いのに…少し飲み過ぎたみたいで…」

「気分が悪いのか?
身体を楽にした方が良いぞ…」

アレクシスは、ベルナールの上着を脱がせブラウスのボタンに次々と指をかけていく。
ブラウスをはだけ薄紅色に染まるベルナールの肌を目の前にした途端、アレクシスの理性はどこかへ吹き飛んだ。



「ベルナール!…おまえは私のものだ…」

アレクシスは、ベルナールの身体に覆い被さり、吐息交じりに耳もとで囁いた。



「アレクシス様…大丈夫ですか?息使いが荒いようですが…」

「なに…おまえの魅力に酔ってしまったのだ…」

アレクシスの舌が、ベルナールの首筋をまるで蛇のように這い回る…



「僕の魅力にそろそろ身体も痺れてきたのではありませんか?」

「な…なにを…」

ベルナールは、無造作にアレクシスの身体を押しのけ上体を起こした。



「お…まえ…葡萄酒に、何か、混ぜた…のか…」

「ええ、少しばかり痺れ薬をね…
たいした量ではありませんから、まるで動けないというわけではないでしょう?
ただ動きが緩慢になるだけ…」

「お…おまえも飲んだ筈なの…に…」

「僕はちゃんと別の薬を飲んできましたから、影響は受けませんよ。ご心配なく。」

「な…ぜ、こんなことを…」

アレクシスはゆっくりと起きあがる。



「ほう…こいつが高位の悪魔か…」

背後からの声に、アレクシスがのろのろと振り向く…



「……!!……き…貴様は…ジェ…ローム…!」

「私の玩具に手を出すとは…礼儀を知らん悪魔だな。」

ジェロームは、力任せにアレクシスの頬を打った。 
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