15 / 355
運命の出会い
5
しおりを挟む
「どうすれば良い?」
(簡単なことだ。
私をここから出したいと念じながら、宝石を潰してくれれば良い。
ジェローム、そなたにはそれが出来る…
いや、それが出来るのはそなただけなのだ!)
「わかった…
しかし、その前にやることがある。
少しだけ待っていてくれ。」
しばらくして戻って来たジェロームは、ベルナールの首に銀のロザリオを架けた。
(それは何の真似だ…)
「……鋭いな、やはりわかったか?
これは、まぁ、保険のようなものだな。
貴公のことを信じていないというわけではないが、万一ということもあるからな。
なに…貴公が約束を守ってくれればすぐにはずしてやるさ…
では、今、そこから出してやるからな…」
ジェロームは、黒い宝石を両手で包み込み、渾身の力を込めた。
ジェロームの身体が小刻みに震え出し、額からは玉のような汗が噴き出した。
荒い呼吸の音だけが部屋に響く…
(ジェローム、あと少しだ!
頑張ってくれ!!)
「はぁーーーーーっ!!」
ジェロームの口から気合いのこもった叫び声が飛び出し、ベルナールはその声に瞳を大きく見開いた。
その刹那、乾いた音を立ててジェロームの手の中の宝石が砕け散った。
ジェロームの掌からは真っ赤な血が滴り落ちる…
その瞬間、ベルナールの背中がびくんと大きくのけ反った。
束の間の後、俯くベルナールの喉の奥から低い笑い声が響く…
「……素晴らしい…」
ベルナールが小さな声を発した。
「ルシファー…なのか…?」
「……あぁ……」
「どうだ…新しい器の感触は…?」
「とても良い…
ジェローム、感謝しているぞ…
実体があるということがこれほどまでに心地良いものだったとはな…」
「もっと良い気持ちにさせてやろう…」
ジェロームの力強い腕がベルナールの身体を抱き締め、激しい口付けを浴びせる。
「良い目だ…
心を持った目はやはり違うものだな…
それが善だろうと悪だろうとな…」
「なんなら、本当のベルナールのように泣き叫んで見せようか?」
「いや、結構だ…私は演技されるのは好きではないのでな…」
「では…自然体で楽しませて差し上げよう…
あの忌まわしい宝石から出していただいたお礼にな…
ただし……こういうことは、これが最初で最後だ…」
ベルナールは、ジェロームの手の平の血を優しく舐めとる。
(簡単なことだ。
私をここから出したいと念じながら、宝石を潰してくれれば良い。
ジェローム、そなたにはそれが出来る…
いや、それが出来るのはそなただけなのだ!)
「わかった…
しかし、その前にやることがある。
少しだけ待っていてくれ。」
しばらくして戻って来たジェロームは、ベルナールの首に銀のロザリオを架けた。
(それは何の真似だ…)
「……鋭いな、やはりわかったか?
これは、まぁ、保険のようなものだな。
貴公のことを信じていないというわけではないが、万一ということもあるからな。
なに…貴公が約束を守ってくれればすぐにはずしてやるさ…
では、今、そこから出してやるからな…」
ジェロームは、黒い宝石を両手で包み込み、渾身の力を込めた。
ジェロームの身体が小刻みに震え出し、額からは玉のような汗が噴き出した。
荒い呼吸の音だけが部屋に響く…
(ジェローム、あと少しだ!
頑張ってくれ!!)
「はぁーーーーーっ!!」
ジェロームの口から気合いのこもった叫び声が飛び出し、ベルナールはその声に瞳を大きく見開いた。
その刹那、乾いた音を立ててジェロームの手の中の宝石が砕け散った。
ジェロームの掌からは真っ赤な血が滴り落ちる…
その瞬間、ベルナールの背中がびくんと大きくのけ反った。
束の間の後、俯くベルナールの喉の奥から低い笑い声が響く…
「……素晴らしい…」
ベルナールが小さな声を発した。
「ルシファー…なのか…?」
「……あぁ……」
「どうだ…新しい器の感触は…?」
「とても良い…
ジェローム、感謝しているぞ…
実体があるということがこれほどまでに心地良いものだったとはな…」
「もっと良い気持ちにさせてやろう…」
ジェロームの力強い腕がベルナールの身体を抱き締め、激しい口付けを浴びせる。
「良い目だ…
心を持った目はやはり違うものだな…
それが善だろうと悪だろうとな…」
「なんなら、本当のベルナールのように泣き叫んで見せようか?」
「いや、結構だ…私は演技されるのは好きではないのでな…」
「では…自然体で楽しませて差し上げよう…
あの忌まわしい宝石から出していただいたお礼にな…
ただし……こういうことは、これが最初で最後だ…」
ベルナールは、ジェロームの手の平の血を優しく舐めとる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした
ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。
しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義!
そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。
「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる