44 / 50
相談
1
しおりを挟む 俺は山本さんの家に向かって玄関から入る。
山本さんと言うよりかは、稀子と鈴音さんとの関係はお客さんの関係では無いため、インターホーンも鳴らさずに入る。まるで自分の家の感覚だ。
俺がリビングに入ると、ダイニングの方では、昼食のたこ焼きの準備を稀子と鈴音さんがしていた。
山本さんのお母さんは、お店の方に出ている。
稀子と鈴音さんも学園生なので、積極的には働かせようとはさせない感じだ。
普段のお店は、山本さんのお母さんとパートさんで回していると聞いた。
俺があの時……、良い意味でランドセルに興味が有ると言えば、山本さんは俺を雇うつもりだったらしい……
「こんにちはとただいま!」
「稀子。鈴音さん」
「あっ、比叡君。お帰り!」
「お帰りなさい。比叡さん」
稀子、鈴音さんがそれぞれ挨拶を返してくれる。
「孝明さん……。帰って来るの遅れるらしいですね」
山本さんが連絡を入れたのだろう。鈴音さん達は山本さんの事情を知っているようだ。稀子は早速声を掛けてくる。
「比叡君。どうだった?」
「新しい、アルバイト先の見学は…?」
稀子は和やかな笑顔で聞いてくる。
「社長も良い人な感じがするし、やっていけると思う」
「そう! それは良かった!!」
「ちなみにどんなお仕事?」
「金属加工の仕事と言えば良いかな…。メインは加工品のバリ取りだって」
「ふ~ん」
「聞くだけでは、大変な仕事では無さそうだね」
「見つかって良かったね♪」
「そうだよね!」
「バリ取りと言っても、そんなに大きな物は作っていない感じだから、やっていけると思う…」
「頑張ってね! 比叡君!!」
「アルバイトでの初給料、期待しているね!!」
「うっ、うん…」
「ありがとう。稀子…」
そんな事を言う稀子だった。
……
山本さんが帰ってくるまで、稀子と鈴音さんと会話をしているが、鈴音さんが有る事を聞いてくる。
「…すると、比叡さんはこれから半年間位…、アルバイトが中心の生活ですか?」
「養成学校も秋の予定でしたからね?」
「そうですね……。その間に保育士養成学校のAO入試や願書の出願等を行って、無事に選考が通れば、10月からは保育士養成学校に通いながらのアルバイトに成るかと……」
俺はこの道に進むと決めた時、保育士養成学校から資料を取り寄せて準備は進めてきた。オープンキャンパスや説明会に参加して準備は進めている。
本当はこの町来てから行いたかったが、受付期間の影響でその様に動かなければ間に合わなかった。
前の家から赴いたので、御陰でかなりの交通費は使ったが……
「ここの保育士養成学校は、作文と書類選考で合否が決まる見たいなので、気楽と言えば気楽ですが…」
「そんな事言ってますと、足下すくわれますよ」
「楽観的考えるのは宜しくないですよ!」
鈴音さんは『めっ!』をする感じで、俺に軽く注意をする。
「そうですよね……。言葉に気を付けます」
「分からない事が有りましたら、遠慮無しに私や稀子さんに聞いて下さいね!」
「現役の学生ですし、女性ですから!」
「そうだよ。比叡君!」
「どん、どん、聞いてきてね!」
「でも…、変な事は聞かないでね……。あはは///」
稀子は元気な声で言い、鈴音さんも天使の微笑みの様な笑顔で言ってくれる。
俺は稀子よりもっと、鈴音さんの事が知りたい!!
実際は出来ないが……
「ありがとうございます。鈴音さん、稀子…」
俺が鈴音さんにお礼を言ったタイミングで、玄関が開いた音がする。
山本さんが帰ってきたのだろう。
山本さんが帰って来たので、昼食兼たこ焼きパーティーが始まる。
先に山本さんのお母さん分と、パートさんにお裾分け分を焼いてから、本格的に始める。
たこ以外にチーズや小さく切ったお餅、チョコレートやスイートコーン等バリエーション豊かで有る。
山本さん、稀子、鈴音さん、そして自分と、和気あいあいと昼食のたこ焼きを楽しんだ……
……
稀子達と楽しい時間を過ごして、夜に近い夕方……俺はアパートに戻る。
昼食と言ったが、昼食兼夕食と成った。
夜食用にお土産のたこ焼き貰ったので、小腹が空いても大丈夫だ!
お腹一杯成った腹をさすりながら畳みに寝転がり、俺は明日からの事を考える……
(明日は行政手続き……。後は―――)
火曜日からはアルバイトが始まる。
日用品等は別に買い足さなくても良いが、食材は有る程度買わなければ成らない事を思い出す。
(アルバイトが始まったら、準備しなければ成らないのは朝食ぐらいか…)
昼食はお弁当を頼む予定だし、晩ご飯は山本さんの家でお世話に成る。
(以前の仕事をクビに成ってから、2ヶ月位ブランクが有るが…、上手に遣っていけるだろうか…?)
未経験の仕事は誰だってやりたくは無い。更に保育士養成学校の学校生活が、半年後には待っているはずだ。
そう考えると少し不安には成ってくる。
今までの人生……そこまで深く考えて生きて来なかったからだ!
時間が来たら学校や仕事に行って、言われた事をこなして家に戻ってくる。
俺は怒られる事が嫌いだから、反論もせずマニュアル通りしか動かなかった。
休暇も無意味に時間を潰す事ばかりで、将来の事なんて全然考えなかった……
俺は稀子に声を掛けなかったら、今頃はどうしているのだろうか?
実家に戻っているのだろうか?
それとも、生活のために嫌な仕事を嫌々しているのだろうか?
本当にこれからやる事だらけだし、この先も大きな難関が幾つも有るはずだ。
でも…、俺はそれに挫けずに目標を達成して、稀子を俺の生涯の人にしたい!!
☆偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!☆
☆出会い編☆
おわり
山本さんと言うよりかは、稀子と鈴音さんとの関係はお客さんの関係では無いため、インターホーンも鳴らさずに入る。まるで自分の家の感覚だ。
俺がリビングに入ると、ダイニングの方では、昼食のたこ焼きの準備を稀子と鈴音さんがしていた。
山本さんのお母さんは、お店の方に出ている。
稀子と鈴音さんも学園生なので、積極的には働かせようとはさせない感じだ。
普段のお店は、山本さんのお母さんとパートさんで回していると聞いた。
俺があの時……、良い意味でランドセルに興味が有ると言えば、山本さんは俺を雇うつもりだったらしい……
「こんにちはとただいま!」
「稀子。鈴音さん」
「あっ、比叡君。お帰り!」
「お帰りなさい。比叡さん」
稀子、鈴音さんがそれぞれ挨拶を返してくれる。
「孝明さん……。帰って来るの遅れるらしいですね」
山本さんが連絡を入れたのだろう。鈴音さん達は山本さんの事情を知っているようだ。稀子は早速声を掛けてくる。
「比叡君。どうだった?」
「新しい、アルバイト先の見学は…?」
稀子は和やかな笑顔で聞いてくる。
「社長も良い人な感じがするし、やっていけると思う」
「そう! それは良かった!!」
「ちなみにどんなお仕事?」
「金属加工の仕事と言えば良いかな…。メインは加工品のバリ取りだって」
「ふ~ん」
「聞くだけでは、大変な仕事では無さそうだね」
「見つかって良かったね♪」
「そうだよね!」
「バリ取りと言っても、そんなに大きな物は作っていない感じだから、やっていけると思う…」
「頑張ってね! 比叡君!!」
「アルバイトでの初給料、期待しているね!!」
「うっ、うん…」
「ありがとう。稀子…」
そんな事を言う稀子だった。
……
山本さんが帰ってくるまで、稀子と鈴音さんと会話をしているが、鈴音さんが有る事を聞いてくる。
「…すると、比叡さんはこれから半年間位…、アルバイトが中心の生活ですか?」
「養成学校も秋の予定でしたからね?」
「そうですね……。その間に保育士養成学校のAO入試や願書の出願等を行って、無事に選考が通れば、10月からは保育士養成学校に通いながらのアルバイトに成るかと……」
俺はこの道に進むと決めた時、保育士養成学校から資料を取り寄せて準備は進めてきた。オープンキャンパスや説明会に参加して準備は進めている。
本当はこの町来てから行いたかったが、受付期間の影響でその様に動かなければ間に合わなかった。
前の家から赴いたので、御陰でかなりの交通費は使ったが……
「ここの保育士養成学校は、作文と書類選考で合否が決まる見たいなので、気楽と言えば気楽ですが…」
「そんな事言ってますと、足下すくわれますよ」
「楽観的考えるのは宜しくないですよ!」
鈴音さんは『めっ!』をする感じで、俺に軽く注意をする。
「そうですよね……。言葉に気を付けます」
「分からない事が有りましたら、遠慮無しに私や稀子さんに聞いて下さいね!」
「現役の学生ですし、女性ですから!」
「そうだよ。比叡君!」
「どん、どん、聞いてきてね!」
「でも…、変な事は聞かないでね……。あはは///」
稀子は元気な声で言い、鈴音さんも天使の微笑みの様な笑顔で言ってくれる。
俺は稀子よりもっと、鈴音さんの事が知りたい!!
実際は出来ないが……
「ありがとうございます。鈴音さん、稀子…」
俺が鈴音さんにお礼を言ったタイミングで、玄関が開いた音がする。
山本さんが帰ってきたのだろう。
山本さんが帰って来たので、昼食兼たこ焼きパーティーが始まる。
先に山本さんのお母さん分と、パートさんにお裾分け分を焼いてから、本格的に始める。
たこ以外にチーズや小さく切ったお餅、チョコレートやスイートコーン等バリエーション豊かで有る。
山本さん、稀子、鈴音さん、そして自分と、和気あいあいと昼食のたこ焼きを楽しんだ……
……
稀子達と楽しい時間を過ごして、夜に近い夕方……俺はアパートに戻る。
昼食と言ったが、昼食兼夕食と成った。
夜食用にお土産のたこ焼き貰ったので、小腹が空いても大丈夫だ!
お腹一杯成った腹をさすりながら畳みに寝転がり、俺は明日からの事を考える……
(明日は行政手続き……。後は―――)
火曜日からはアルバイトが始まる。
日用品等は別に買い足さなくても良いが、食材は有る程度買わなければ成らない事を思い出す。
(アルバイトが始まったら、準備しなければ成らないのは朝食ぐらいか…)
昼食はお弁当を頼む予定だし、晩ご飯は山本さんの家でお世話に成る。
(以前の仕事をクビに成ってから、2ヶ月位ブランクが有るが…、上手に遣っていけるだろうか…?)
未経験の仕事は誰だってやりたくは無い。更に保育士養成学校の学校生活が、半年後には待っているはずだ。
そう考えると少し不安には成ってくる。
今までの人生……そこまで深く考えて生きて来なかったからだ!
時間が来たら学校や仕事に行って、言われた事をこなして家に戻ってくる。
俺は怒られる事が嫌いだから、反論もせずマニュアル通りしか動かなかった。
休暇も無意味に時間を潰す事ばかりで、将来の事なんて全然考えなかった……
俺は稀子に声を掛けなかったら、今頃はどうしているのだろうか?
実家に戻っているのだろうか?
それとも、生活のために嫌な仕事を嫌々しているのだろうか?
本当にこれからやる事だらけだし、この先も大きな難関が幾つも有るはずだ。
でも…、俺はそれに挫けずに目標を達成して、稀子を俺の生涯の人にしたい!!
☆偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!☆
☆出会い編☆
おわり
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる