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本編

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「ケイン、今日はどんな歌を聞かせてくれるの?」

「そうだなぁ。恋の歌なんてどうかな?
好きでたまらない女性をなんとか振り向かせようとする男性の歌なんだ。」

「良いわね、聞かせて!」



ケインは、ジョセフィーヌのために、竪琴を弾きながら歌います。
竪琴の音を聞くと、アベルを思い出しましたが、そのうちにケインの歌声に惹かれていきました。
彼は、時には切なく、時には楽しく、そしてまたコミカルに歌を歌い、ジョセフィーヌはすぐに彼の世界に引き込まれてしまいました。



今日の歌は、とてもコミカルで、ジョセフィーヌは思わず笑ってしまいました。



「あぁ、なんて面白い歌なのかしら。」

「酷いなぁ。これでも彼は真面目にやってるんだよ。」

わざと怒ったふりをするケインに、ジョセフィーヌはまた笑います。



「君の笑顔は最高だね。」

「ありがとう。あなたのおかげよ。
こんなに笑えるなんて、自分でも信じられないわ。」

「少しでも役に立てたなら嬉しいよ。」



いつしかケインとジョセフィーヌは、互いに愛し合うようになっていました。
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