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Angel's Ring
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「こんな所の住人までいなくなってるとはな…
もう帰ろうぜ。
ここにいたって手掛かりはみつかりそうにないぜ。」
「そうですね…」
私達が家を出た時…
なにかが目の端を素早く通り過ぎて行くのを見た気がしました。
「あれ…?」
「ファビアンさん、どうかなさったんですか?」
「いや…なんでもない。
動物かなんかがいたような気がしたんだ…」
ファビアンさんも私と同じことを感じられていたようです。
ここは山の中ですから、動物がいても不思議はありません。
私が見たのもきっと動物だったのでしょう。
「やっぱりこのまま帰るんですか?」
「そうするしか仕方がないんじゃないか?
どこにも誰もいない。
争ったような形跡もない…まるで、住人達は神隠しにでもあったみたいだな。」
「おっしゃる通りですね。
一体、皆さんはどこにいか…」
「…誰だ!!」
話している途中で、ファビアンさんは大きな声をあげ即座に剣を抜いて振り返られました。
「あ……」
私も同時に振り向くと、そこにいたのはとても小さな人間でした。
ファビアンさんの大声と剣に怯えているのか、青い顔をして固まっていました。
「なんだ…小人じゃないか…」
「ファビアンさん、その剣をおさめて下さい。
小さい人が怯えてらっしゃいますよ。」
「あ…そうか。
すまなかったな…脅かすつもりじゃなかったんだ。」
小さい人は、私達の話を聞きながらじっとその場に立ち尽していました。
「大丈夫ですよ。
私達は、あやしい者ではありません。
この町で異変があったので、その原因を調べに来ただけなのです。」
「おまえたち…ボクの姿が見えるのか?」
「え?!」
ファビアンさんと私は思わず顔を見合わせました。
(ファビアンさん、あそこに小さい人がいますよね?
緑色の三角帽子をかぶって茶色い靴をはいて…)
(あぁ、あんたの言う通りのちっこいのがいるぜ。
しゃべった声もしっかり聞いたぜ。)
(でも、あの人は「ボクの姿が見えるのか?」っておっしゃいましたよね?
もしかしたら普通は見えないもんなんでしょうか?)
(う~ん…どうなんだろうなぁ?
俺にははっきり見えるんだがなぁ…)
困った私は直接質問してみる事にしました。
「あのぉ…もしかしたら、あなたの姿は普通は見えないものなんでしょうか?」
小さい人は深く頷かれました。
やはり、普通は見えないようです。
もう帰ろうぜ。
ここにいたって手掛かりはみつかりそうにないぜ。」
「そうですね…」
私達が家を出た時…
なにかが目の端を素早く通り過ぎて行くのを見た気がしました。
「あれ…?」
「ファビアンさん、どうかなさったんですか?」
「いや…なんでもない。
動物かなんかがいたような気がしたんだ…」
ファビアンさんも私と同じことを感じられていたようです。
ここは山の中ですから、動物がいても不思議はありません。
私が見たのもきっと動物だったのでしょう。
「やっぱりこのまま帰るんですか?」
「そうするしか仕方がないんじゃないか?
どこにも誰もいない。
争ったような形跡もない…まるで、住人達は神隠しにでもあったみたいだな。」
「おっしゃる通りですね。
一体、皆さんはどこにいか…」
「…誰だ!!」
話している途中で、ファビアンさんは大きな声をあげ即座に剣を抜いて振り返られました。
「あ……」
私も同時に振り向くと、そこにいたのはとても小さな人間でした。
ファビアンさんの大声と剣に怯えているのか、青い顔をして固まっていました。
「なんだ…小人じゃないか…」
「ファビアンさん、その剣をおさめて下さい。
小さい人が怯えてらっしゃいますよ。」
「あ…そうか。
すまなかったな…脅かすつもりじゃなかったんだ。」
小さい人は、私達の話を聞きながらじっとその場に立ち尽していました。
「大丈夫ですよ。
私達は、あやしい者ではありません。
この町で異変があったので、その原因を調べに来ただけなのです。」
「おまえたち…ボクの姿が見えるのか?」
「え?!」
ファビアンさんと私は思わず顔を見合わせました。
(ファビアンさん、あそこに小さい人がいますよね?
緑色の三角帽子をかぶって茶色い靴をはいて…)
(あぁ、あんたの言う通りのちっこいのがいるぜ。
しゃべった声もしっかり聞いたぜ。)
(でも、あの人は「ボクの姿が見えるのか?」っておっしゃいましたよね?
もしかしたら普通は見えないもんなんでしょうか?)
(う~ん…どうなんだろうなぁ?
俺にははっきり見えるんだがなぁ…)
困った私は直接質問してみる事にしました。
「あのぉ…もしかしたら、あなたの姿は普通は見えないものなんでしょうか?」
小さい人は深く頷かれました。
やはり、普通は見えないようです。
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