Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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01 探し物は見つかりますか

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会場にはギリギリでしたがなんとか間にあいました。
いつもなら瞬間移動で行くのですが、なんせ「あれ」がないのでそういうわけにはいかなかったのです。
会場前で弾んだ息を整え、素知らぬ顔で中に入りました。
特に、私に注目してる者もいないようです。
会場にはすでにほとんどの天使が集まっており、座席も後ろの方しか空いてませんでした。
出来るだけ目立たないようにしておきたかったので、それは私にとって好都合なことでした。

会合は時間通りに始まりました。
天使の中でも階級の高い方々のお話が続き、やがて神様が出ていらっしゃいました。
神様のお話がすめば会合はお開きになりますから、あと少しです。
私は、息を潜めながらどうか早くにこのお話が終わりますようにと祈っていました。

その時です。
神様が、にっこりと微笑まれたのです。
そして、大きな声でこうおっしゃったのです。



「ディディエ…
もうしばらくの辛抱ですよ。
あと、ほんの少しで済みますからね。」



皆が私の方を見て、くすくすと笑っています。
一瞬、何のことだかわからなかったのですが、すぐに皆の笑いの意味に気が付きました。



(ハッ!私は…もしかしたら、無意識に神様にお願いしてしまったんですね?!)



あろうことか、私は神様に向かって「神様のお話が早く終わりますように…」と祈ってしまったのです。
仲間達に笑われるだけならまだ良かったのですが、このことがさらに悪い結果をもたらしてしまいました。



「ディディエ…前へ…」



神様の声が場内に響きます。
今のことで、ついに、あのことまでバレてしまったようです…



「はい…」

私は俯きながらおずおずと前へ進み出ました。
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