ダブル★愛★

田山麻雪深

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両想い!?

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そして、翌日。



私にとって、更なる大事件発生!?の一日となる。





「ふあああ・・・」

私は大きなあくびを一つ。


昨日まなとゲームして遊んでるうちに、私もかなり楽しんじゃって。


結構遅くまでしてたから、寝不足。


眠いや……。



「くすっ……」

隣でまなが笑った。


「ちょっと、まな……」



「だって……。お姉ちゃんすごいあくび。お姉ちゃんは何をしても可愛いね」



「恥ずかしいから、あんまり見ないでよ……」


「やだ‼見るの‼」


「まな?」


「可愛いのにもったいない」

至近距離でそんな風に言うから。


一瞬ドキッとしてしまったじゃない‼


「何言ってんのよ、もう~」


「僕、本当にそう思ってるんだよ?」


「はいはい、ありがとう」



「ぶう‼」


また口を膨らませて拗ねる…。



あのねぇ……。


私にどうしろと?


姉として、ありがとうとしか言えないじゃない‼



はあ……。


呼吸を整えて、私は口を開く。



「あのね、まな」


「なあに?」


「私のことを好きでいてくれるのは、すごく嬉しいのよ」


「なら、問題ないじゃん!」


「でもね、毎日のように、好きとか可愛いという相手を、まなは間違えてる」


「え!どういうこと!?」


「そういうのは、いつかまなに彼女が出来たら・・・大切な人が出来たら、その人に言ってあげなさい」


「・・・お姉ちゃんは、僕のこと嫌いなの・・・?」
潤んだ瞳で訴えてくる。


「そんなことは一言も言ってないでしょ?でもまなだって、いつか好きな人や彼女が出来るんだし・・・」


「僕、彼女なんていらないもん!お姉ちゃんがいれば、それだけでいいんだもん!」

そう言って。
ガバッと私に抱きついてきた。

「ちょっと、まな!」

一体どうすればいいのよ!?
誰か教えて~!!
今日も助けを求める私であった・・・トホホ。




学校に着いて、自分の机で半分落ち込んでると。


「おはよ!めぐ」

可恋が挨拶してきた。

「あ、可恋。おはよ」

「なに、どうしたの?なんか暗いよ?」


昨日まなと夜遅くまでゲームしてたのもあるけど・・・。
それ以上の悩みも増えたことを思うと。
更にどっと落ち込む。


「今日もあの可愛い愛翔くんのことで悩まされてるんでしょ?」

「うっ・・・なんで分かるの?」

「いつもめぐと一緒にいるんだもん。見てりゃあ分かるよ」

「参ったなあ・・・」


ホント、可恋には適わないや。
杉田くんが好きだってことも当てちゃうし。
可恋には、嘘つけないかもしれない・・・。


「それで?今日はどういったお悩みで?」
可恋が手でマイクを作って、インタビューするみたいに聞いてきた。


「んー・・・実は」

可恋に、今朝まなに言われたことを伝えた。


「あれま。それは大変ね」
言いながら可恋の顔・・・思い切りニヤけてるんですけど・・・?


「・・・全然大変だって、思ってないでしょ?」


「ウソ、ウソ!思ってるってば!でもまさかそこまで言われちゃうと、そりゃあどうしていいか分からないよね」


「うん・・・」

どうすればまなは、私のことを「姉」として見てくれるの?
私・・・嫌だよ。
実の弟と付き合うなんて・・・・。


それに、私には思いを寄せてる相手がいるんだもの。
今は彼のことで、頭がいっぱいなのに・・・。


そんなことを思ってたら・・・。




「倉本さん、今日の帰り時間大丈夫かな?話があるんだけど・・・」


「え?」
杉田くんが声をかけてきた。


突然杉田くんからのお誘い!?
これは、もしや?
ドキドキとワクワクで、胸がいっぱいになった。
もちろん、私の返事は。


「はい、大丈夫です」

「良かった。じゃあ、今日の放課後この教室で待ってて。みんながいなくなった頃に俺、また戻ってくるから」

「分かりました」


もしや・・・これは。
告白なのでは!?


しかも、放課後の教室で二人きりなんて・・・。
ロマンチックじゃない!?
色々な妄想が、私の頭の中をよぎる。



「めーぐー?」
わっ!と目の前に可恋が現れたから・・・。

「わっ!可恋!」
思わず転びそうになった。

「今、杉田くんと何話してたのよ?」

さすが鋭い・・・。
私の観察は、欠かさないのね・・・。


「あ・・・うん。今日の放課後、この教室で待っててって。話したいことがあるみたい」

「なるほどね~。めぐ。これはチャンスかもよ?」

「え?」

「だってめぐ、彼にずっと片思いしてたわけでしょ?」

「う・・・うん」


「彼もめぐのこと好きってことじゃない?二人とも両想いかもしれないでしょ?」


「そうなのかな・・・」


「も~、めぐって本当に鈍感ね」


「うっ・・・」


「放課後誰もいない教室に二人きり・・・。どう考えても、告白する雰囲気じゃない?」


「まあ・・・そうだね」


「良かったね、片思いが実って」

「まだそうと決まったわけじゃ・・・」


「いいや!絶対に合ってる。私の勘が鋭いの、忘れたの?」

確かに・・・。
可恋の勘って、本当に鋭いもんなあ・・・。


「・・・そうでした」

「素直でよろしい」
そう言って、私の頭を撫でてくれた。

「ちょっと可恋。恥ずかしいじゃない・・・」

「別にいいじゃない。私はめぐが幸せになってくれるのが嬉しい。明日ちゃんと私に報告するのよ?」

「うん、分かった」

可恋と笑い合った。


私はいつも、外見は平静を装っているけど。
心の中は、もうドキドキバクバクで大変なんだ!
それくらい、彼のことが大好きで・・・。
だから、いつかまなに私の気持ちがバレてしまうのではと、ヒヤヒヤする。

授業中だって、気持ちを抑えるのがやっとなのに・・・。
でも、今日は。
いつもより彼のことを、考えてはドキドキしっぱなしだった。

そう。
今日の放課後のことがあるから・・・。



キーンコーン。

今日も1日が終わる。

本当に時間って、あっという間に過ぎてしまう。


1日は24時間だけど。

こんなあっという間に過ぎていくと、半分の12時間しかないのでは?と思ってしまう。

そう…。

あっという間に、放課後になってしまった。


彼の話って、何だろう?

本当に告白なのかな?

告白だったらいいな。

そんな期待を胸に。

みんなが帰って、いなくなるのを待った。


「めぐ。この後、彼から話があるんだよね?」

「うん」

「じゃあ私も先に帰るね。結果は明日ね!」

「了解!」
そういって、可恋も帰って行った。 

誰もいない教室に、私1人。

シーンと静まり返る教室に。

私の心臓の音だけが、やたら響き渡る。 



杉田くん、まだかな…。

ドキドキとわくわくで胸がいっぱいになる。 

やば…緊張してきた!

その時。


ガラッ。 

教室のドアが開いた。


ビクッ!


私の肩が、大きく揺れる。


「倉本さん、待たせてごめん」

「ううん、大丈夫…」


杉田くんと2人きり。

そう思うと、更に緊張が高まってくる。


今の私、変じゃないかな?

緊張で、顔強ばってそうで…。


そんな私を気遣ってくれたのか、杉田くんは口を開く。


「あ、綺麗な夕焼けだね」

杉田くんが窓の外を見ながらそう言った。

「うん、そうだね。今日は良い天気だったもんね。綺麗…」


本当に綺麗な夕焼け…。


こんな綺麗な夕焼けを見ながら、大好きな杉田くんと2人きり…。


「よかった…。これならムード出そう」

「え?」


それってどういう…?

もう私は待ち切れなくて、自分から話を切り出した。
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