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最愛の妻

過去への執着

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人類が滅びる前の世界…1人の男が寝ぼけ眼で歯を磨いていた。

「あぁ…ラニー、お前の目覚まし機能には音の爆弾でもついてるのか?」

「ロイは一度寝ると中々起きないのでボリュームを上げるしかなかったのです。」

ロイは顔を洗うとラニーからタオルを受け取った。

「刑事と言う仕事はハードなのは理解しましたが生活が乱れるのは貴方のバイタルに影響がでます。食生活改善と飲酒を抑える事をお勧めします。」

「酒は俺の唯一の趣味だ。家の家事だけしっかりしてろ。」

「今日の朝食はパンと野菜満点のサラダ、たんぱく質にベーコンとスクランブルエッグを添えてます。」

「あぁ、すぐに出るからパンに挟んでサンドイッチにしてくれ。すぐに現場に行かなきゃいけないんだよ。それと…また、着いてこい。お前にも仕事がある。」


「分かりました。ロイ。」


ロイは車を運転するとあるマンションの一室に入った。


「ロイ刑事おはようございます。」

「ん?新人?こんな人間のドブの塊みたいな世界に足をつけたがる変態も居るんだな。ようこそ糞の世界へ。」

入り口で新人を毒を吐くロイを見つけると1人中年の男が近寄る。

「ロイ‼️この野郎‼️また署に寄らずに来たのか⁉️」


「あぁ、お疲れ様ですウェイド警部補。奥さんとの喧嘩終わりました?」

「今は関係ないだろ‼️」

「で…今回の被害者は?」

「聞けよ…たく、被害者はアバン・ステイ、23歳で近くのレストランでウェイターの仕事をしてる。死因は胸への刺殺だ。財布が消えてるのを見ると…強盗だな。」

「強盗ですか。私には人間の同族を手にかける理由が分かりません。」

ロイはラニーを連れて来るとサンドイッチを頬張った。

「おい‼️何ロボット入れてんだ‼️現場が荒れるだろ‼️てか、殺人現場で飯食うな‼️」

「人間入れるよりマシですよ。」

サンドイッチを片手にロイはラニーに聞いた。

「来る途中に目新し傷やおかしなところは無かったか?」

「いいえ、おかしなところは無かったです。」

「そうか、では…強盗に入られたって過程でどうだ?」

「強盗だとしたら綺麗過ぎると思われます。」

ロイはサンドイッチを食べ終わりコーヒーを飲むとウェイド警部補に話を振った。

「警部補殿…これが強盗だとしたら偉く律儀な強盗犯じゃないですか?ピンポン押して、靴を脱ぎ、丁寧に指紋を残さないようにお掃除をしていくなんて紳士の鏡じゃないですか?」

ロイはそう言うとラニーに命令した。


「ラニー、現場データを保存しろ。」

「分かりました。」

ラニーは部屋と言う部屋を観察し始めた。

「犯人は彼女の知り合いだ…しかも、几帳面で事件当日は自分の痕跡だけを丁寧に消した。空の財布だけ置いてればいいもの、持って帰らなければならなくなった。まぁ、あくまでも考察ですけどね。」

「…分かった。ではその線で捜査をする事にする。お前の推理力は凄いのに…何で相棒が全員嫌がるんだよ。」

「腑抜けばかりですからね。今時の刑事は。」

そのまま、ロイは警察署に戻る事にした。
その後を追いかけるようにラニーは外に出ようとすると…振り返りウェイド警部補に頭を下げた。

「…ロボットの方が礼儀がしっかりしてるってどうよ?」



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