不倫の蜜

阿頼耶識(あらやしき)

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真夏の思い出

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 残暑の夏、子供たちの夏休みも終わりに近づきつつあり私はアイスを頬張る。

 
「あなた、一休みしたらどう?」


 画家として絵を描いて生計をたてる私は妻の年金と国からの補助金を受け取り生活をしている。
こんな生活をしてるから子供らに満足行く進路にも進めさせれない事に憤りを感じる。


「絵の具も高いな…黒が切れた。」


「だから言ったじゃない。今はイラストレーターってパソコンやタブレットで出来るんだからそっちがいいって。」

「電気代もかかるし私にはこれしか取り柄がないんだよ。」

「まぁ、あなたが機械に疎いのは分かるけどやり方変えた方がいいんじゃない?」


食べ終わったアイスの棒を見ると当たりと書かれていたがタメ息が出る。
 
本来なら嬉しい気持ちになるのだろうが私は運をつまらない事に無駄遣いしてしまったと後悔するばかりだ。


「絵が売れないのは困ったもんだよな…」

「何?私はそんなあなたの側に居れて幸せよ。それにあなたの描いた絵は好きなの。」


妻は元々は私のファンだった。
若い時に路上で絵を売ってると毎日買いに来る変わったお嬢さんが居ると思ってたがある日、付き合って欲しいと言われ何度もモデルをしてもらっていた。妊娠した時も彼女の裸婦の絵を描いて送った。
妻はそれを見て一言『綺麗…』と呟いたのを覚えてる。


「子供らは友達のところか?」

「うん、叶ちゃんとお泊まりだって。」

「ふ~ん、迷惑になってないか?時田さんの家はシングルマザーじゃなかった?」

「大丈夫だって。それに直人と友喜が色々手伝ってくれるから助かってるだって。」

「ならいいんだが…」


私、我妻家は妻の牧、32歳と私、良樹、38歳そして、小学4年生の双子の直人と友喜の4人家族でボロい一軒家に住んでいた。

時田さんとは妻がママ友でシングルマザーの彼女とは家族ぐるみで一緒にご飯に行ったり互いに日用品の買い物など行っていた。


「とりあえず、次の個展は出せそうだから頑張って稼いで来るよ。」


「うん、頑張って。」


そう言ってまた絵を描き始めた。

一方、時田さんの家では直人と友喜、叶ちゃんの3人でプール遊んでいる。


「叶!流れるプールの方に行こうぜ!」

「いや、直人、今の時間はウォータースライダーが空いてるからそっちだろ?」

「友喜こそ、アレは2人乗り専用じゃん。出し抜いて叶と遊ぶつもりだろ?」


そんな子供のやり取りを見てると微笑ましく思う。
すると叶は私の方に走って来た。

「お母さんもこっち」

「お母さんはあなた達の荷物を見てないとダメだからね。直人お兄ちゃんと友喜お兄ちゃんと遊んでおいで。」


 旦那と離婚してから男性を信用しなくなった私だが我妻夫婦と出会ってから新しい出会いもいいんじゃないかと思い出して来た。
 私、雪は31歳で牧さん年齢は近く娘と2人暮しだから男っ気のない生活をしてきた。

私も旦那の分も働かなければいけないと強がって生きて来たが娘に辛く当たる日々だった。

 『別にいいんじゃないか?旦那の分もやらなくて。せっかくの縁だ困った事あったらウチの息子らを貸すしもう少し気を抜くといいよ。』


それが、良樹さんからの言葉だったから私は学校で我妻夫婦の前で泣き崩れてしまったのを思い出した。

「恥ずかしいよな…普通」


そんなのを思い出してると後ろから四十半ばぐらいの男性が話しかけてきた。


「いや~子供さんは元気ですよね~」

「え?はぁ…そうですね。」

「あ、良かったら飲みます?」


男性はビールを渡して来たがお酒が苦手で飲めないし子供らを見ないといけないので飲むわけには行かないのだ。


「あの…すいません。私は飲めないので」

「え?あぁ、これは申し訳ない。綺麗な美女とお近づきになりたくてね。」

「え?」

「モテるって言われません?綺麗な胸してるし健康的なスタイル、それに美人だし男が放っておかないでしょ?」


ナンパだな…こう言う時に男性がいないと対処に困る。


「ありがとうございます。でも、私は本当に連れの子供らを見ないといけないので…」

「んじゃ、連絡先だけ交換しない?また後日に時間あったらご飯とか行こうよ。美味しい店に案内するから。」

「ええ…っと」


私が困った顔をすると直人君が荷物を取りに来た。


「こんにちわ。」

「ん?あぁ、こんにちわ。」

「ナンパ?」

「な…そんな軽いモノじゃないよ…アハハハ」

「ふ~ん、おじさんでも止めといた方がいいよ。雪おばさんには怖い彼氏がいるから手を出したら殺されるよ。」

「え?彼氏いるの?」

「ええと…はい、黙っていて申し訳ありません。」

「あぁ、いいよ気にしなくて。そりゃこんな美人なんだから彼氏ぐらい居るわな…アハハハ…はぁ。」


男は逃げるようにその場を離れた。


「直人君、ありがと~おばさん怖かったよ~」

「おばさんもまともに相手しなくていいよ。どうせ大した男じゃないだろうし。」

「あなたは本当に小学4年生?」

「その…叶のお母さんも守らなきゃ男じゃねぇだろ…」

「…ふ~ん、叶の事が好きなのかな~?」

「違うよ!その…大事な妹みたいたもんだから兄ちゃんがしっかりしないといけないだろ。困ったら言えよ!」

「うふふ…こりゃ叶の嫁ぎ先も安泰かもね。」


プールで遊び終えると我妻家まで直人君と友喜君を家まで送りに行く事にした。

家まで行くと友喜君はカギを取り出し玄関を開けた。


「お母さんは?」

「たぶん買い物、今日はそうめんにするとか言ってたし。雪さんは麦茶いる?」

「んじゃ貰おうかな?」

「待ってて。」


毎回思う…こんなに気の回る子供らへの教育がしっかり出来てる。牧さんへの尊敬を感じる。そして…

良樹さんはキャンパスに向かい集中している。恐らく私たちが帰って来たのにも気づいてないのだろうけど…彼の絵に向ける目が…視線か魅力的に感じた。


「本当に…綺麗…」

「親父を画家としては尊敬するけど…親としては認めてないよ。」


横から直人君が麦茶を持って来た。


「定職に就けばこんな貧乏生活から抜け出せるのに…俺らなんてスマホ一台買えないんだぜ?焼き肉なんて行けないし。」

「そう…でも、良樹さんは格好いいよね。牧さんが羨ましいわ…」

「…雪おばさんは親父が好きなの?」

「え?違うよ!アーティストとして格好いいよねって話!」

「ん?」


良樹さんは私の声に気付き振り返った。


「あぁ、お前ら帰ってたのか。迷惑かけてないか?」

「いや、ナンパしてきたヤツを追い払ったり叶の面倒も見てたしかけてないよ!」

「ナンパか…雪さんは牧に負けず劣らずの美人だからな。良くやった直人、」

「う…うるせぇ!」


直人はそう言って台所に走り叶のところに向かった。


「たく…素直に喜べよ。ん?雪さんもどうした?顔が赤くなって。」

「い…いや、少し熱中症かな?」

「ヤバくね?」


その後は良樹さんの布団で横にさせられ扇風機を回された。

牧が家に帰ると雪が布団のうえで寝てるのを見て良樹に事情を聞いて晩御飯を皆で食べる事になった。


「今日はありがとう。」

「こちらこそね。それに大丈夫?帰ってちゃんと水分とりなよ。この季節はとくに…」

「う、うん、ありがとう。心配してくれて。」


帰るとその夜は叶は今日は疲れたのか早く眠りについた。

私は好きな人の事を思い出していた。


「布団、良樹さんの匂いがしたな…個展が近いからそんなにお風呂に入れてないとか言ってたけ…」


ただの照れ隠しのつもりで嘘を言っただけだったのに彼の部屋で寝れた事に幸せを感じていた。
離婚してから夜の事情がなくなったからなのか…久しぶりに好きな男の匂いに触発されたのか…私の中に火照るモノが沸き上がって来た。

「これは…浮気じゃないよね…叶、ごめんね。」


横で寝てる娘を横目に自分のパジャマの上から胸に右手を当てる…


「ダメ…止まらない」


乳首を撫でる…優しく良樹さんに舐められてる自分を想像する。


「ん…ダメ…」


想像の中の良樹さんは次に私の濡れた唇にキスを交わし始めて抱きしめられる自分がそこに居た。


「…あ、もっと…キスして…」


彼に対しての好きな気持ちがそうさして欲求不満からの欲望が相まって左手が私の陰部に伸びた。


「あ…うん…良樹さん…好き…好きなの…」


まるで想像の中の良樹さんが私の手を操るように私は私を慰め始めた。


「あ…あ…気持ちいい…」


クチュクチュと陰部が濡れてるのが良く分かるぐらいに身体は準備が出来ていた。


「あぁ…良樹さんが欲しいよ…」


右手は乳首を、左手は陰部を、唇はキスを…想像の良樹は優しく私に愛を注ぎ込むように愛し続けた。

左手の徐々に早くなりクチュクチュ音はさっきより激しく濡れ始めた。
良樹は挿入し腰を動かし始め私にこう呟いた。


『雪さんは本当に美人だな…』

「あぁ…好き…好き…良樹さん…好き!」


そのまま、逝ってから私は汗だくになりハァハァと呼吸を荒げて濡れた左手を眺めた。


「大丈夫…浮気じゃない…よね。」


私は彼ら夫婦への罪悪感感じたが好きな人への気持ちも積もってるのを確信する。
だが…それは止める事も捨て去る事も出来ない。

個展が開催されたが誰1人として会場に入って来なかった。


「…やはり、売れないか…」


良樹は自分の描いた絵を眺めながら考えていた。


「…私が描きたいのはコレじゃなかったのか…本気で描いた…いや、画家なんて…今時、求められてないのか…」


すると1人入って来たのでその方向を向くと雪さんが立っていた。


「どう?」

「ダメだ…売れない…やはり牧の言う通り今時のやり方じゃないと売れないのかな…」

「私が買いましょうか?」

「1枚、高いけど大丈夫?」

「割り引きしてもらえます?」

「しないよ。」

雪さんは冗談ぽく話すと笑顔を向けた。

「…ありがとう。少し気が楽になったよ。」

「良かったです。」


雪さんは私の描いた絵を眺めるとゆっくりと口を開いた。


「私、良樹さん夫婦に救われました。1人でやって行かなきゃって身構えて心に余裕が無かった。でも私はあなた達夫婦のいいところが好きで…良樹さんの絵が好きで…だから感謝してます。」

「そうか、ちなみにどの絵が好き?」

「そうだな…」


雪さんは1枚の裸婦画の前に止まった。


「牧さんがモデルしてる絵…これかな…」

「そうか?」

「やはり、裸婦画は評価いいのな…」


良樹がそう言うと雪さんは覚悟を決めたように言う。


「あの…良かったらモデルしましょうか?」

「え?」

「あの…ちょっと興味があって…その~私も描いて欲しいな~って。」

「わかった。牧に言っておくね。さすがに裸婦って訳には…」

「ううん、今だから残せるなら裸婦画がいいな。」

「…そうか、わかった。とりあえず、牧に話しておくよ。」

「ありがとう。」


雪さんは嬉しそうに個展から出た。


結果的に売れた絵は2枚売れて売り上げとしては10万と言ったところだった。
勿論、2枚とも裸婦画だ。


雪さんのモデル当日は彼女の家で行う事になった。子供らには
『叶ちゃんの家に行かないように』
と牧から伝えられていた。


「叶ちゃんはウチで預かる形になったけど良かったよね?」

「娘にこんなところ見せれないわよ。」

「だよな。無粋な事を聞いたね。ごめんね。」

「んじゃ脱ごうか?」

「うん、」


雪さんは着ていた衣服を1枚ずつ脱ぎ始めた。
下着1枚のになった時はさすがに見惚れてしまいそうになり心を落ち着かせた。


「…ごめん、すっかり女性の裸は見慣れたもんだと思ってたが…」

「綺麗だった?」

「うん、まぁ、魅力的だと思う…さて、描くか。」


良樹は綺麗な形をした乳房や綺麗な曲線を描いたクビレや卵のような白い肌に釘付けになる。


「描かないの?」

「…あぁ、描くよ。」


今まで外から見てるだけだったのに今は彼が私を見てる、真剣な眼差しを私は肌で感じ彼の顔愛おしく見つめた。

本気で好きで叶わない関係で…毎晩、毎晩、彼との関係を望んだ…叶わない関係を。


「ありがとう…」


彼はそう呟くが筆を止めなかった。

夕方になり絵は完成した。
絵の中の私は幸せそうに彼を見つめていた。


「私もこんな顔が出来るんだ…」

「久しぶりに気合いが入った愛しい人を見つめる…凄いよ。女優になれるんじゃないか?」


描き終えて彼は畳に大の字で倒れている。


「たぶん、無理だと思う。」

「ん?」

「好きなの…良樹さんが…」

「…マジか…」

「けど、牧さんの事も裏切れないしずっと思いを殺して来たの。私はこの絵を描いてもらうだけで満足かも…て。」

「そうか…」

「でも…貴方に触れて欲しかった。」


雪さんは大の字で寝転がる私の腕に頭を置いて来た。


「お願いもう1つ聞いてくれる?」


ゴクリと唾をのみ込み雪さんの方を見る。彼女の目は潤ませて唇には薄く紅が塗られていた。


「耳が弱いの…」

「耳か…」

「抱きしめて…」

良樹は裸でバスタオル1枚の雪さんをギュッと抱きしめた。


「あぁ…久しぶりに抱かれてる…幸せだわ。」


顔が近くにあるとその唇を奪いたくなるのが男の性だが牧の顔を思い出し出来るだけキープをする。
しかし、雪さんの柔らかい綺麗な形をした胸が当たり彼女からは清潔な石鹸の香りと彼女の魅力的な匂いが鼻の奥を辿り本能を刺激する。


「どうしたの?」

「本当に…雪さんは綺麗だな。」


私がそう言うと気づけば彼女の唇を奪いそうになっていた。


「唇じゃなくて耳を…舐めて…」


彼女にそう言われ私は彼女の耳を優しく舐めた。
その都度彼女は吐息を漏らし足を絡めて来て更に身体を密着させた。


「はぁはぁ…ん…」


その吐息を聞いてると次は胸へと手が伸びてしまいそうになる。


「そこは…ダメ…」


雪さんは欲望に抗いながらも私を求めている。
潤んだ瞳に濡れた唇…額から流れる汗、全てが媚薬のようだと私も男としての本能に抗う。


「ハァハァ…何で?」

「止まらなくなっちゃう…ん…」


ピチャピチャと雪さんの耳を舐めたり甘咬みをしたり首筋に何回もキスをしたりと幾度となく愛撫する。自分の中でも愛おしくなり彼女を強く抱きしめた。


「これ以上は…こっちが止まらない…」


すると雪さんはこちらを妖しく見つめた。


「裏切れないから…手で我慢してね?」


そう言うと彼女は徐に私のズボンに手をかけた。


「それは…」


彼女は私のズボンのファスナーをゆっくりおろし中から破裂しそうなほどふくれあがった肉棒に手を添えた。

そして、亀頭を優しくなでると先端を少し強く撫で始めた。


「う…気持ちいい」

「ん…嬉しい…」


そう言う彼女は更に剃り立った肉棒をゴシゴシとしごき始めた込み上げる快感は彼女の身体を求めそうになるが必死に堪える。


「本当は欲しいの…ごめんね。好き…良樹さん…好きよ」


そう雪さんは私を見つめ呟く。
私も彼女の期待に応えるようにひたすら愛撫を続け耳を舐めたり甘咬みしたりした。


「ん…あ、ダメ…気持ちいいよ…それ、好き…もっと…」

「気持ちいい…雪…好きになりそうだ…」

「ダメ…好きになったら…ダメ…」

「分かってる…でも…好きになる…ヤバい…イク!」


私がそう言うと私の肉棒から込み上げる快感と同時に雪さんの白からほんのり赤く火照った身体を強く抱きしめた。
彼女の太ももには自分の我慢した白濁駅が彼女の太ももに大量にかかり彼女もまた、私の温もりを感じてるようだった。

「ハァハァ…雪さん…本当に綺麗だよ。」

「良樹さん…ハァハァ…好きです。」


互いに『愛してる』の言葉だけは使わなかった。
舌を絡めたキスも、それ以上の事も…彼女の身体を求めたかった。

その後は何も無かったように振る舞い家路につこうとしたが雪さんの吐息や濡れた唇を思い出すとまた止まらなくなりそうだった。


「一応、牧さんには内緒でね?」

「言えるわけないだろ?」

「そ…そうよね。」


アハハと2人で苦笑いをした、誰も居ない道で恋人の様に手を繋ぎ始めた。


「途中までなら…いいかもな。」

「…うん。」


2人の関係は更に進む事になる。

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