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デスゲーム0日目
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「初めまして~!新入社員の本城まひるです!これからよろしくお願いします!」
会議室内に明るい声が響き渡る。
「本城って……」
「そう、本城家の人間だよ」
吉田はニヤニヤしている。
「まあ詳しい血縁関係は知らんのだがな。そこの詮索はタブーということだから気をつけてくれ」
「はあ……」
目の前でニコニコ笑いながらこちらを窺っている、この女性が……
身長は低く、ボブカットに弾ける笑顔が似合う彼女は、どこか少女らしさが残っているようで、あの本城家の一族だとは到底思えなかった。
「では、こちらも自己紹介といこう。部長の吉田だ」
「遠山です」
「あ……な、内勤の鴨志田です……」
鴨志田さんの声、久々に聞いたな……
内勤ということもあり、あまり職場で交流する機会が無かったが、それ以上に鴨志田が内向的な性格ということもあり、遠山と鴨志田は入社時の挨拶以外でコミュニケーションを取っていなかった。
「さて」
吉田が手を叩く。
「今回のデスゲームに関しての話を始めよう」
~~~~~
「ターゲットは山村女子高校の1年生、華村カナとそのグループです」
遠山は目の前の資料を読み上げる。
「依頼者は華村カナの同級生である水瀬マキ。華村カナのグループから日々いじめを受けており、連中への殺意が頂点に昇ったとのことです。華村カナのグループは6人いて、優木サクラ、出雲ハル、江藤マドカ、丸山エリカ、これに先述の2人を加えたものです。元々は同じクラスでつるんでいた所、華村カナが水瀬マキをいじめるようになり、気が付けば水瀬マキはグループ内でいじめられるようになったという経緯ですね」
「はーい!いじめの原因はなんですかー?」
まひるは明るい声で訊いた。
「水瀬さん曰く心当たりがないとのことです。華村は中学時代からクラスの女王的なポジションにいたので、彼女の何らかの逆鱗に触れたんじゃないでしょうか」
「なるほど~……あ、遠山先輩!私に対してタメ口でいいですよ!先輩なんですから!」
「あ、そう?了解し……わかった」
「ぎこちなwwww」
……女子高生のノリかよ
「話を戻しまして……今回依頼者とのヒアリングで向こうからの希望は『とにかく凄惨に殺してほしい』と『確実に殺してほしい』ということでした。凄惨、は分かりますが確実にというのはどういうことなんでしょうかね」
「おそらくデスゲームものに対する理解が結構あるのだろう。フィクションの世界ではそれなりに生き残ったりするからな。まあ我々は殺し屋だからそんな事態は無いんだが、不安になることもあるだろう」
「ああ……納得しました」
まだ少し引っ掛かる部分もあるが……今はいいだろう
会議室内に明るい声が響き渡る。
「本城って……」
「そう、本城家の人間だよ」
吉田はニヤニヤしている。
「まあ詳しい血縁関係は知らんのだがな。そこの詮索はタブーということだから気をつけてくれ」
「はあ……」
目の前でニコニコ笑いながらこちらを窺っている、この女性が……
身長は低く、ボブカットに弾ける笑顔が似合う彼女は、どこか少女らしさが残っているようで、あの本城家の一族だとは到底思えなかった。
「では、こちらも自己紹介といこう。部長の吉田だ」
「遠山です」
「あ……な、内勤の鴨志田です……」
鴨志田さんの声、久々に聞いたな……
内勤ということもあり、あまり職場で交流する機会が無かったが、それ以上に鴨志田が内向的な性格ということもあり、遠山と鴨志田は入社時の挨拶以外でコミュニケーションを取っていなかった。
「さて」
吉田が手を叩く。
「今回のデスゲームに関しての話を始めよう」
~~~~~
「ターゲットは山村女子高校の1年生、華村カナとそのグループです」
遠山は目の前の資料を読み上げる。
「依頼者は華村カナの同級生である水瀬マキ。華村カナのグループから日々いじめを受けており、連中への殺意が頂点に昇ったとのことです。華村カナのグループは6人いて、優木サクラ、出雲ハル、江藤マドカ、丸山エリカ、これに先述の2人を加えたものです。元々は同じクラスでつるんでいた所、華村カナが水瀬マキをいじめるようになり、気が付けば水瀬マキはグループ内でいじめられるようになったという経緯ですね」
「はーい!いじめの原因はなんですかー?」
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「なるほど~……あ、遠山先輩!私に対してタメ口でいいですよ!先輩なんですから!」
「あ、そう?了解し……わかった」
「ぎこちなwwww」
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「おそらくデスゲームものに対する理解が結構あるのだろう。フィクションの世界ではそれなりに生き残ったりするからな。まあ我々は殺し屋だからそんな事態は無いんだが、不安になることもあるだろう」
「ああ……納得しました」
まだ少し引っ掛かる部分もあるが……今はいいだろう
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