25 / 123
第一章
第6話(4) 凍る魂
しおりを挟む
長岡市内の工場の敷地内に四人は潜入した。
「工場の敷地はほぼ完全に狭世に覆われているな」
「何の工場なんだ?」
「食品製造・加工等を行う工場だ」
「この施設を利用して何をするつもりなのでしょう?」
「分からんが、どうせ人間にとっては有益なものではないだろう」
御剣は振り返って、三人に告げる。
「現在この敷地内にいる妖は全て根絶対象とする。一体たりとも逃がすな」
三人は頷く。愛が問う。
「作戦はどうしますか?」
「無い」
「え⁉」
即答する御剣に愛は驚く。
「レーダーを見る限り、妖はほぼ一か所に集中している。そして、こちらにはまだ気が付いていないようだ。一気に叩く!」
「だ、大丈夫でしょうか?」
「多分な!」
「大雑把過ぎません⁉」
「兎に角、あの一番大きな建物の中に入るぞ!」
走り出した御剣に三人が続く。建物の入り口に差し掛かったところ、その上から紫色の巨体が飛んで襲い掛かってくる。
「!」
「危ない!」
人によく似た巨体が繰り出した拳を勇次が金棒で受け止める。しかし、その衝撃を完全には受け止めきれず、勇次は後方に吹っ飛ばされる。
「勇次君!」
「くっ……なんて馬鹿力だよ」
「奴は『剛力』という種族の妖だ! その名の通り、力自慢だ!」
刀を構える御剣に対し、すくっと立ち上がった勇次が声を掛ける。
「ここは俺に任せて下さい!」
「何⁉」
「今回の親玉は奥にいるんでしょう? 逃げられる前に早く!」
「……分かった、貴様に任せる。愛、行くぞ!」
「良いのですか⁉」
「ああ、三尋!」
御剣は三尋に目配せする。三尋は頷く。
「!」
自身の脇を通り抜けようとする御剣らを剛力は阻止しようとする。
「お前の相手は俺だ! デカブツ!」
勇次は飛び掛かり、金棒を剛力の右肩辺りに叩き付ける。
「よっしゃ、手応えあり……って、うおおっ⁉」
剛力が振り返り、うなり声を上げるとともに拳を振りかざす。
「どわぁっ!」
勇次は再び大きな拳を金棒で受け止める。吹っ飛ばされそうになるが、今度はなんとか踏み留まる。勇次は舌打ちする。
「ちっ、力比べでは不利か、どうすれば……!」
剛力が拳を振り上げて、勇次に向かって殴りかかろうとする。
(パンチスピードが速えっ! ガードが間に合わない! ⁉)
次の瞬間、剛力がバランスを崩し、その場に膝を突く。
「な、何だ⁉」
「奴の両脚の腱を斬った! これで立ち上がれん!」
「三尋か!」
黒い風を巻き起こしながら三尋が勇次の横に並び立つ。
「勇次、覚えておけ! 例外もあるが、妖も生きている。特にこの人に似た種族はほとんど人体と同じような肉体構造をしている! つまり弱点もまた同じということだ!」
「! 分かったぜ!」
「ただ皮膚は相当固いぞ! 力を一点に込めるイメージだ!」
「おっしゃあ!」
勇次が力を込める。頭部には角が生え、体全体を赤い光が包み込む。その姿を間近で見て、三尋は驚く。
「そ、それが鬼の半妖の力か……噂には聞いていたが、ほんのりと赤いな……」
「まだほんのりか……それじゃあ、やっぱり完全には覚醒しきれてないってことかな……まあいい! てめえを倒すには十分だ!」
そう言って、勇次は上空に勢い良く飛び上がり、金棒を剛力の脳天目掛けて思いっ切り叩き付ける。剛力の頭部はスイカのように真っ二つに割れ、残された胴体は霧消する。
「……助かったぜ、三尋。お前が居なかったらヤバかったぜ」
「隊長がお前を援護しろと合図を送ってきたからな。お礼は隊長に言うんだな」
「隊長が……ちぇっ、なんでもお見通しってわけか」
勇次は悔しそうに頭を掻く。三尋が問い掛ける。
「ところで勇次……質問があるんだが?」
「何だよ?」
「入隊間もないにも関わらず、隊長はお前のことを下の名前で呼んでいるな……」
「? ああ、そうだな」
「俺でも半年はかかったというのに……」
「? それがどうかしたのか? 千景も万夜も億葉も俺のことを名前で呼ぶぜ。いや、億葉の場合はちょっと違うか……」
「⁉」
驚愕の表情を浮かべる三尋。
「心を通わせたのか……俺以外の女と……」
そう言って、あからさまに落胆する三尋に勇次は戸惑う。
「ちょっと待て! 何に対して、どうショックを受けているんだ、お前は⁉ 行くぞ!」
勇次は肩を落とす三尋を置いて、建物内に向かって走り出す。
「……隊長、あれは?」
物陰に隠れて奥の様子を窺いながら、愛が御剣に尋ねる。奥には様々な体色をした人間よりはやや小柄だが、頭部は人間よりも大きい不思議な人型の妖が集まっている。
「あれは『魂喰(こんじき)』という妖だな。生物の魂を喰らう種族だ」
「魂を……⁉」
「ああ、そして食品製造工場を根城にしている……連中の狙いが見えてきたな」
「……それは話が早くて助かります」
愛と御剣の背後に青色の魂喰の姿があった。
「⁉」
「しまっ……!」
青色の魂喰が両手を二人の体内に突っ込む。そして、白い綿菓子のようなものを二人の体から取り出す。御剣たちは力なく、その場に崩れ落ちる。
「? どうしました、課長?」
「お喜び下さい、部長。妖絶士の魂を二つほど取って参りました」
青色の魂喰が赤色の魂喰に二つの魂を見せる。赤色の魂喰が驚く。
「ほう! これは大変なお手柄ですよ、課長! 特にこの大きい方の魂は、相当な値で売れるでしょう! 早速、この工場で加工し、市場に流通させるのです!」
「工場の稼働は明日からの予定では?」
「そうも言っていられません! 前倒しで作業を始めましょう! 別室で待機している職員を皆呼んできて下さい!」
「分かりました!」
「さあ、忙しくなるぞ!」
「……部長、魂喰以外の妖も魂を喰らうのですか?」
「直接喰らう種族は我々を含め、そこまで多くはありません。用途は様々ですが、主にその体内に取り入れる種族が多いようですね」
「成程……勉強になります」
「勉強熱心なのは結構ですよ……って、えええっ⁉」
赤色の魂喰が振り向くと驚いた。そこには魂が抜かれてもぬけの殻になったはずの御剣が立っていたからである。
「お、お前は妖絶士⁉ 何故、そのような状態で動けるのだ⁉」
「私は氷の術者でもあってな。魂を六分の一ほど凍らせて、体内に残しておいた」
「そ、そんな馬鹿げた芸当が……!」
「やってみたら出来たな……それより貴様に聞きたいことがある」
「な、なんだ?」
「貴様らの種族は人さらいをするのか?」
「そ、それはまた別の種族だ! 貴様らに目をつけられるような余計な真似はしない! 我々はどこからか流れてきた人体から魂を抜くのだ!」
「そうか……ならば用はない」
「!」
御剣は刀を赤色の魂喰に突き刺す。
「ぐっ……か、課長! 何をしている!」
ドアが開き、青色の魂喰がゆっくりと姿を現す。
「おおっ! 課長、早く皆でコイツを……⁉」
青色の魂喰はバタっと倒れ込み、霧消する。その後ろからやや長目の黒髪をかき上げながら、三尋が顔を出し、御剣に告げる。
「隊長、全て俺と勇次で片付けました」
「ご苦労だった」
「ぐっ、お、おのれ……」
赤色の魂喰はガクッと頭を垂れ、やがて霧消した。御剣が倒れ込む。
「た、隊長!」
勇次が慌てて御剣の体を支える。御剣は目を閉じている。
「だ、大丈夫ですか⁉」
「落ち着け、勇次」
両手に白い魂を持った三尋が大きい方を勇次に差し出す。
「これを食わせろ、そうすれば元に戻る。俺もよく分からんが、そういう理屈だ」
「お、おう、分かったぜ……って結構難しいな、これ」
「鼻をつまめば口は開く。俺は曲江さんの方を……」
三尋は要領よく愛に魂を食わせる。愛がぼんやりと目を開く。
「ん……た、隊長! ⁉」
愛の方からは倒れ込む御剣に顔を近づける勇次の背中が見える。愛が叫ぶ。
「ハレンチオンザドサクサマギレ‼」
「工場の敷地はほぼ完全に狭世に覆われているな」
「何の工場なんだ?」
「食品製造・加工等を行う工場だ」
「この施設を利用して何をするつもりなのでしょう?」
「分からんが、どうせ人間にとっては有益なものではないだろう」
御剣は振り返って、三人に告げる。
「現在この敷地内にいる妖は全て根絶対象とする。一体たりとも逃がすな」
三人は頷く。愛が問う。
「作戦はどうしますか?」
「無い」
「え⁉」
即答する御剣に愛は驚く。
「レーダーを見る限り、妖はほぼ一か所に集中している。そして、こちらにはまだ気が付いていないようだ。一気に叩く!」
「だ、大丈夫でしょうか?」
「多分な!」
「大雑把過ぎません⁉」
「兎に角、あの一番大きな建物の中に入るぞ!」
走り出した御剣に三人が続く。建物の入り口に差し掛かったところ、その上から紫色の巨体が飛んで襲い掛かってくる。
「!」
「危ない!」
人によく似た巨体が繰り出した拳を勇次が金棒で受け止める。しかし、その衝撃を完全には受け止めきれず、勇次は後方に吹っ飛ばされる。
「勇次君!」
「くっ……なんて馬鹿力だよ」
「奴は『剛力』という種族の妖だ! その名の通り、力自慢だ!」
刀を構える御剣に対し、すくっと立ち上がった勇次が声を掛ける。
「ここは俺に任せて下さい!」
「何⁉」
「今回の親玉は奥にいるんでしょう? 逃げられる前に早く!」
「……分かった、貴様に任せる。愛、行くぞ!」
「良いのですか⁉」
「ああ、三尋!」
御剣は三尋に目配せする。三尋は頷く。
「!」
自身の脇を通り抜けようとする御剣らを剛力は阻止しようとする。
「お前の相手は俺だ! デカブツ!」
勇次は飛び掛かり、金棒を剛力の右肩辺りに叩き付ける。
「よっしゃ、手応えあり……って、うおおっ⁉」
剛力が振り返り、うなり声を上げるとともに拳を振りかざす。
「どわぁっ!」
勇次は再び大きな拳を金棒で受け止める。吹っ飛ばされそうになるが、今度はなんとか踏み留まる。勇次は舌打ちする。
「ちっ、力比べでは不利か、どうすれば……!」
剛力が拳を振り上げて、勇次に向かって殴りかかろうとする。
(パンチスピードが速えっ! ガードが間に合わない! ⁉)
次の瞬間、剛力がバランスを崩し、その場に膝を突く。
「な、何だ⁉」
「奴の両脚の腱を斬った! これで立ち上がれん!」
「三尋か!」
黒い風を巻き起こしながら三尋が勇次の横に並び立つ。
「勇次、覚えておけ! 例外もあるが、妖も生きている。特にこの人に似た種族はほとんど人体と同じような肉体構造をしている! つまり弱点もまた同じということだ!」
「! 分かったぜ!」
「ただ皮膚は相当固いぞ! 力を一点に込めるイメージだ!」
「おっしゃあ!」
勇次が力を込める。頭部には角が生え、体全体を赤い光が包み込む。その姿を間近で見て、三尋は驚く。
「そ、それが鬼の半妖の力か……噂には聞いていたが、ほんのりと赤いな……」
「まだほんのりか……それじゃあ、やっぱり完全には覚醒しきれてないってことかな……まあいい! てめえを倒すには十分だ!」
そう言って、勇次は上空に勢い良く飛び上がり、金棒を剛力の脳天目掛けて思いっ切り叩き付ける。剛力の頭部はスイカのように真っ二つに割れ、残された胴体は霧消する。
「……助かったぜ、三尋。お前が居なかったらヤバかったぜ」
「隊長がお前を援護しろと合図を送ってきたからな。お礼は隊長に言うんだな」
「隊長が……ちぇっ、なんでもお見通しってわけか」
勇次は悔しそうに頭を掻く。三尋が問い掛ける。
「ところで勇次……質問があるんだが?」
「何だよ?」
「入隊間もないにも関わらず、隊長はお前のことを下の名前で呼んでいるな……」
「? ああ、そうだな」
「俺でも半年はかかったというのに……」
「? それがどうかしたのか? 千景も万夜も億葉も俺のことを名前で呼ぶぜ。いや、億葉の場合はちょっと違うか……」
「⁉」
驚愕の表情を浮かべる三尋。
「心を通わせたのか……俺以外の女と……」
そう言って、あからさまに落胆する三尋に勇次は戸惑う。
「ちょっと待て! 何に対して、どうショックを受けているんだ、お前は⁉ 行くぞ!」
勇次は肩を落とす三尋を置いて、建物内に向かって走り出す。
「……隊長、あれは?」
物陰に隠れて奥の様子を窺いながら、愛が御剣に尋ねる。奥には様々な体色をした人間よりはやや小柄だが、頭部は人間よりも大きい不思議な人型の妖が集まっている。
「あれは『魂喰(こんじき)』という妖だな。生物の魂を喰らう種族だ」
「魂を……⁉」
「ああ、そして食品製造工場を根城にしている……連中の狙いが見えてきたな」
「……それは話が早くて助かります」
愛と御剣の背後に青色の魂喰の姿があった。
「⁉」
「しまっ……!」
青色の魂喰が両手を二人の体内に突っ込む。そして、白い綿菓子のようなものを二人の体から取り出す。御剣たちは力なく、その場に崩れ落ちる。
「? どうしました、課長?」
「お喜び下さい、部長。妖絶士の魂を二つほど取って参りました」
青色の魂喰が赤色の魂喰に二つの魂を見せる。赤色の魂喰が驚く。
「ほう! これは大変なお手柄ですよ、課長! 特にこの大きい方の魂は、相当な値で売れるでしょう! 早速、この工場で加工し、市場に流通させるのです!」
「工場の稼働は明日からの予定では?」
「そうも言っていられません! 前倒しで作業を始めましょう! 別室で待機している職員を皆呼んできて下さい!」
「分かりました!」
「さあ、忙しくなるぞ!」
「……部長、魂喰以外の妖も魂を喰らうのですか?」
「直接喰らう種族は我々を含め、そこまで多くはありません。用途は様々ですが、主にその体内に取り入れる種族が多いようですね」
「成程……勉強になります」
「勉強熱心なのは結構ですよ……って、えええっ⁉」
赤色の魂喰が振り向くと驚いた。そこには魂が抜かれてもぬけの殻になったはずの御剣が立っていたからである。
「お、お前は妖絶士⁉ 何故、そのような状態で動けるのだ⁉」
「私は氷の術者でもあってな。魂を六分の一ほど凍らせて、体内に残しておいた」
「そ、そんな馬鹿げた芸当が……!」
「やってみたら出来たな……それより貴様に聞きたいことがある」
「な、なんだ?」
「貴様らの種族は人さらいをするのか?」
「そ、それはまた別の種族だ! 貴様らに目をつけられるような余計な真似はしない! 我々はどこからか流れてきた人体から魂を抜くのだ!」
「そうか……ならば用はない」
「!」
御剣は刀を赤色の魂喰に突き刺す。
「ぐっ……か、課長! 何をしている!」
ドアが開き、青色の魂喰がゆっくりと姿を現す。
「おおっ! 課長、早く皆でコイツを……⁉」
青色の魂喰はバタっと倒れ込み、霧消する。その後ろからやや長目の黒髪をかき上げながら、三尋が顔を出し、御剣に告げる。
「隊長、全て俺と勇次で片付けました」
「ご苦労だった」
「ぐっ、お、おのれ……」
赤色の魂喰はガクッと頭を垂れ、やがて霧消した。御剣が倒れ込む。
「た、隊長!」
勇次が慌てて御剣の体を支える。御剣は目を閉じている。
「だ、大丈夫ですか⁉」
「落ち着け、勇次」
両手に白い魂を持った三尋が大きい方を勇次に差し出す。
「これを食わせろ、そうすれば元に戻る。俺もよく分からんが、そういう理屈だ」
「お、おう、分かったぜ……って結構難しいな、これ」
「鼻をつまめば口は開く。俺は曲江さんの方を……」
三尋は要領よく愛に魂を食わせる。愛がぼんやりと目を開く。
「ん……た、隊長! ⁉」
愛の方からは倒れ込む御剣に顔を近づける勇次の背中が見える。愛が叫ぶ。
「ハレンチオンザドサクサマギレ‼」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
後宮見習いパン職人は、新風を起こす〜九十九(つくも)たちと作る未来のパンを〜
櫛田こころ
キャラ文芸
人間であれば、誰もが憑く『九十九(つくも)』が存在していない街の少女・黄恋花(こう れんか)。いつも哀れな扱いをされている彼女は、九十九がいない代わりに『先読み』という特殊な能力を持っていた。夢を通じて、先の未来の……何故か饅頭に似た『麺麭(パン)』を作っている光景を見る。そして起きたら、見様見真似で作れる特技もあった。
両親を病などで失い、同じように九十九のいない祖母と仲良く麺麭を食べる日々が続いてきたが。隻眼の武官が来訪してきたことで、祖母が人間ではないことを見抜かれた。
『お前は恋花の九十九ではないか?』
見抜かれた九十九が本性を現し、恋花に真実を告げたことで……恋花の生活ががらりと変わることとなった。
幽霊探偵キンダイチの事件墓!
咲蔵 風人
キャラ文芸
田舎町の小学校に勤めることになった教師の万吉は、幽霊が見えてしまう悩ましい体質を持っていた。
ある日、墓参りに行った先で幽霊にちょっかいを出されてしまった万吉は、思わぬ形で、亡き親友・一と邂逅する。生前刑事だった彼は、今は「墓場の名探偵」として名を馳せているらしく……。
「困ってることがあるんだろう? よーし、僕に任せて!」
墓場の名探偵が、ドロドロ事件もヒュ~っと解決?
幽霊の見える教師と、幽霊になった探偵、そして個性豊かな幽霊たちが織り成す、どたばた事件譚!

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
後宮一の美姫と呼ばれても、わたくしの想い人は皇帝陛下じゃない
ちゃっぷ
キャラ文芸
とある役人の娘は、大変見目麗しかった。
けれど美しい娘は自分の見た目が嫌で、見た目を褒めそやす人たちは嫌いだった。
そんな彼女が好きになったのは、彼女の容姿について何も言わない人。
密かに想いを寄せ続けていたけれど、想い人に好きと伝えることができず、その内にその人は宦官となって後宮に行ってしまった。
想いを告げられなかった美しい娘は、せめてその人のそばにいたいと、皇帝の妃となって後宮に入ることを決意する。
「そなたは後宮一の美姫だな」
後宮に入ると、皇帝にそう言われた。
皇帝という人物も、結局は見た目か……どんなに見た目を褒められようとも、わたくしの想い人は皇帝陛下じゃない。

古道具屋・伯天堂、千花の細腕繁盛記
月芝
キャラ文芸
明治は文明開化の頃より代を重ねている、由緒正しき古道具屋『伯天堂』
でも店を切り盛りしているのは、女子高生!?
九坂家の末っ子・千花であった。
なにせ家族がちっとも頼りにならない!
祖父、父、母、姉、兄、みんながみんな放浪癖の持ち主にて。
あっちをフラフラ、こっちをフラフラ、風の向くまま気の向くまま。
ようやく帰ってきたとおもったら、じきにまたいなくなっている。
そんな家族を見て育った千花は「こいつらダメだ。私がしっかりしなくちゃ」と
店と家を守る決意をした。
けれどもこの店が……、というか扱っている商材の中に、ときおり珍妙な品が混じっているのが困り物。
類が友を呼ぶのか、はたまた千花の運が悪いのか。
ちょいちょちトラブルに見舞われる伯天堂。
そのたびに奔走する千花だが、じつは彼女と九坂の家にも秘密があって……
祖先の因果が子孫に祟る? あるいは天恵か?
千花の細腕繁盛記。
いらっしゃいませ、珍品奇品、逸品から掘り出し物まで選り取りみどり。
伯天堂へようこそ。

天使は愛を囁く
けろよん
キャラ文芸
天界では今ある問題が持ち上がっていた。何と地上の人々が愛を忘れつつあるというのだ。天界の天使達は愛を伝えるために地上へ向かうこととなった。
天使の一人ミンティシアが担当することになったのは正樹という高校生の少年だった。彼には幼馴染の少女や初恋の人がいた。ミンティシアはこの状況を利用して天使として愛を伝えるために頑張ることになった。

【完結】私を虐げる姉が今の婚約者はいらないと押し付けてきましたが、とても優しい殿方で幸せです 〜それはそれとして、家族に復讐はします〜
ゆうき
恋愛
侯爵家の令嬢であるシエルは、愛人との間に生まれたせいで、父や義母、異母姉妹から酷い仕打ちをされる生活を送っていた。
そんなシエルには婚約者がいた。まるで本物の兄のように仲良くしていたが、ある日突然彼は亡くなってしまった。
悲しみに暮れるシエル。そこに姉のアイシャがやってきて、とんでもない発言をした。
「ワタクシ、とある殿方と真実の愛に目覚めましたの。だから、今ワタクシが婚約している殿方との結婚を、あなたに代わりに受けさせてあげますわ」
こうしてシエルは、必死の抗議も虚しく、身勝手な理由で、新しい婚約者の元に向かうこととなった……横暴で散々虐げてきた家族に、復讐を誓いながら。
新しい婚約者は、社交界でとても恐れられている相手。うまくやっていけるのかと不安に思っていたが、なぜかとても溺愛されはじめて……!?
⭐︎全三十九話、すでに完結まで予約投稿済みです。11/12 HOTランキング一位ありがとうございます!⭐︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる