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第一章
第3話(2) メンタルトレーニングを履き違えた結果
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「あの……」
普段は使用しない予備の作戦室で頭を抱える万夜に勇次が恐る恐る声を掛ける。
「あ~みなまで言わないで下さる? どうせ『精神力を高めることが肝要だ!』とかなんとか、姉様に言われてきたのでしょう?」
万夜は俯きながら、片手を挙げて、勇次の考えを推察する。
「そ、その通りです」
「……」
万夜は顔を上げたものの、両手両足を組んで、視線は明後日の方に向けている。相変わらず飴を舐めている。勇次が再び声を掛ける。
「すみません……トレーニングをして頂きたいのですが……?」
「フォモ、そもそも論として!」
万夜が飴を取り出し、いきなり大声を上げる。
「精神力を鍛える適任者がわたくしだとは到底思えませんの!」
「そう言われても……」
「姉様の付き人でもしていた方がよっぽど有意義ですわよ?」
「管区長として色々お忙しいようなので……」
「ああ、それはそうでしょうね……」
万夜は溜息を突いて、しばらくの間考え込み、膝をポンと打って立ち上がる。
「……仕方がありませんわね。メンタルトレーニングでもやるとしましょうか」
「メンタルトレーニングですか?」
「様々な考え方があるかとは思いますが、わたくしの考えとして……メンタルとは三つの構成要素で成り立っています」
「三つですか?」
勇次の問いに万夜が頷く。
「そう、『思考』・『感情』・『行動』の三つです。この三つの要素の調和、バランスを上手く取ること、それがメンタルをより良い状態に保つ為に必要なことですわ」
「な、成程……」
「では、まず思考のトレーニングと参りましょう。資料室に移動しましょうか」
二人は資料室に移動する。所狭しと並べられた本や、積み重ねられる資料の束を見て、勇次は感嘆の声を上げる。
「凄い量の本や資料ですね……」
「妖絶講が組織としてきちんと整備されてからも数百年は経過しているわけですから、これくらいは当然です。むしろ他の隊舎に比べたら少ない方ですわ」
万夜は近くの本棚から、適当に一冊を取って、勇次に渡す。
「そこの席に座って、これを朗読なさい」
「えっ! こ、これをですか……?」
「そうですわ。思考力を高めるにはやはり読書が一番ですわ」
「ろ、朗読って、声に出すんですか?」
「ええ、実際に言葉にすることによって、理解力も深まるというものですわ」
「ほ、本当に良いんですか?」
「? 良いから早くなさい」
「わ、分かりました……」
勇次は咳払いを一つして、本を読み始める。
「『あは~ん、うふ~ん、そうよ、山田君、アタシの言った通りにするのよ……良い子ね、もっとご褒美あげちゃうわ……』」
「な、何を読んでいるんですの⁉」
「『女教授明美の回路はショート寸前』ですね」
「タイトルは聞いておりませんわ!」
「渡されたもので……」
「どなたですの⁉ こんな本を持ち込んだのは⁉」
万夜が勇次から本を取り上げ、思い切り机に叩き付ける。
「万夜さん、少し落ち着きましょう。そんなに動揺しないで下さい」
「これが動揺せずにいられますか⁉ むしろ女の前で官能小説を躊躇いなく朗読出来る貴方の神経を疑いますわ!」
「トレーニングだと言われたので……躊躇なく読ませて頂きました」
「そこは躊躇なさいよ!」
何故か胸を張る勇次に対し、万夜は一旦声を荒げるが、すぐに落ち着きを取り戻す。
「ま、まあ、とりあえず思考は宜しいですわ! 次は感情のトレーニングですわ!」
二人は再び予備の作戦室に戻る。勇次が尋ねる。
「感情のトレーニングって、何をすれば良いんですか?」
「感情力を高めること、それ即ち、いついかなる時においても冷静さを保つことですわ!」
「……ちょっと分からないですね」
「手本を示して差し上げますわ! わたくしになんらかのアクションをしてご覧なさい。あ、言っておきますけど、お触りとかは無しですわよ!」
「し、しませんよ、そんなこと!」
「ではお手並み拝見といきましょうか」
万夜が腕を組んで壁際に立つ。
「はあ……それじゃあ」
勇次がスタスタと万夜の方に向かって歩き出す。万夜が若干驚く。
「な⁉」
勇次が壁にドンと手を付き、万夜に顔を近づけ、囁く。
「そのいつも舐めている飴、何味なんですか?」
「ひ、日替わりですわ……」
「今は?」
「い、今?」
「今の貴方の口の中を知りたいんです……」
「オ、オレンジ味ですわ……」
「そうですか……」
勇次は万夜から離れると感心する。
「流石ですね、冷静さを保っている」
「こ、これくらいお茶の子さいさいですわ!」
万夜は髪をかき上げながら声を上げる。
「で、でもなかなかの高等技術でしたわね!」
「高等技術ですか?」
「一体どこでそんな技を身に付けたのですか?」
「身に付けたって……ネットで見かける漫画広告とかですかね」
勇次が鼻の頭をかきながら答える。
「……つまり、実戦は初めてと?」
「実戦って……まあ、そうなりますね」
「ふむふむ、そうですか、成程、初めて……」
万夜は顎に手をやりながら頷く。
「あ、あの……?」
「では、次はわたくしのターンですわ! そこに跪きなさい!」
「ええっ⁉」
勇次は戸惑いながらも両膝を床に突く。万夜は椅子を勇次の前に置き、その椅子に片脚を乗せ、跪く勇次の顎を片手でクイっと持ち上げる。
「……さあ、わたくしの脚をお舐めなさい」
「い、いや、何を言ってるんですか⁉ 冷静になって下さい!」
「わたくしは100%冷静ですわ!」
「だったら、尚更マズいです!」
「ああ、万夜さん? こちらにいらっしゃったんですか。ちょっと確認したいことが……」
その時、愛が部屋に入ってきた。勇次たちの様子を見て、しばし固まる。
「あ、愛……?」
「破廉恥さがもはや留まることを知らない!」
愛はそう叫んで部屋を飛び出して行く。
「ま、待て、愛! ⁉」
そこに警報が鳴り響く。万夜が冷静に叫ぶ。
「出動ですわ!」
普段は使用しない予備の作戦室で頭を抱える万夜に勇次が恐る恐る声を掛ける。
「あ~みなまで言わないで下さる? どうせ『精神力を高めることが肝要だ!』とかなんとか、姉様に言われてきたのでしょう?」
万夜は俯きながら、片手を挙げて、勇次の考えを推察する。
「そ、その通りです」
「……」
万夜は顔を上げたものの、両手両足を組んで、視線は明後日の方に向けている。相変わらず飴を舐めている。勇次が再び声を掛ける。
「すみません……トレーニングをして頂きたいのですが……?」
「フォモ、そもそも論として!」
万夜が飴を取り出し、いきなり大声を上げる。
「精神力を鍛える適任者がわたくしだとは到底思えませんの!」
「そう言われても……」
「姉様の付き人でもしていた方がよっぽど有意義ですわよ?」
「管区長として色々お忙しいようなので……」
「ああ、それはそうでしょうね……」
万夜は溜息を突いて、しばらくの間考え込み、膝をポンと打って立ち上がる。
「……仕方がありませんわね。メンタルトレーニングでもやるとしましょうか」
「メンタルトレーニングですか?」
「様々な考え方があるかとは思いますが、わたくしの考えとして……メンタルとは三つの構成要素で成り立っています」
「三つですか?」
勇次の問いに万夜が頷く。
「そう、『思考』・『感情』・『行動』の三つです。この三つの要素の調和、バランスを上手く取ること、それがメンタルをより良い状態に保つ為に必要なことですわ」
「な、成程……」
「では、まず思考のトレーニングと参りましょう。資料室に移動しましょうか」
二人は資料室に移動する。所狭しと並べられた本や、積み重ねられる資料の束を見て、勇次は感嘆の声を上げる。
「凄い量の本や資料ですね……」
「妖絶講が組織としてきちんと整備されてからも数百年は経過しているわけですから、これくらいは当然です。むしろ他の隊舎に比べたら少ない方ですわ」
万夜は近くの本棚から、適当に一冊を取って、勇次に渡す。
「そこの席に座って、これを朗読なさい」
「えっ! こ、これをですか……?」
「そうですわ。思考力を高めるにはやはり読書が一番ですわ」
「ろ、朗読って、声に出すんですか?」
「ええ、実際に言葉にすることによって、理解力も深まるというものですわ」
「ほ、本当に良いんですか?」
「? 良いから早くなさい」
「わ、分かりました……」
勇次は咳払いを一つして、本を読み始める。
「『あは~ん、うふ~ん、そうよ、山田君、アタシの言った通りにするのよ……良い子ね、もっとご褒美あげちゃうわ……』」
「な、何を読んでいるんですの⁉」
「『女教授明美の回路はショート寸前』ですね」
「タイトルは聞いておりませんわ!」
「渡されたもので……」
「どなたですの⁉ こんな本を持ち込んだのは⁉」
万夜が勇次から本を取り上げ、思い切り机に叩き付ける。
「万夜さん、少し落ち着きましょう。そんなに動揺しないで下さい」
「これが動揺せずにいられますか⁉ むしろ女の前で官能小説を躊躇いなく朗読出来る貴方の神経を疑いますわ!」
「トレーニングだと言われたので……躊躇なく読ませて頂きました」
「そこは躊躇なさいよ!」
何故か胸を張る勇次に対し、万夜は一旦声を荒げるが、すぐに落ち着きを取り戻す。
「ま、まあ、とりあえず思考は宜しいですわ! 次は感情のトレーニングですわ!」
二人は再び予備の作戦室に戻る。勇次が尋ねる。
「感情のトレーニングって、何をすれば良いんですか?」
「感情力を高めること、それ即ち、いついかなる時においても冷静さを保つことですわ!」
「……ちょっと分からないですね」
「手本を示して差し上げますわ! わたくしになんらかのアクションをしてご覧なさい。あ、言っておきますけど、お触りとかは無しですわよ!」
「し、しませんよ、そんなこと!」
「ではお手並み拝見といきましょうか」
万夜が腕を組んで壁際に立つ。
「はあ……それじゃあ」
勇次がスタスタと万夜の方に向かって歩き出す。万夜が若干驚く。
「な⁉」
勇次が壁にドンと手を付き、万夜に顔を近づけ、囁く。
「そのいつも舐めている飴、何味なんですか?」
「ひ、日替わりですわ……」
「今は?」
「い、今?」
「今の貴方の口の中を知りたいんです……」
「オ、オレンジ味ですわ……」
「そうですか……」
勇次は万夜から離れると感心する。
「流石ですね、冷静さを保っている」
「こ、これくらいお茶の子さいさいですわ!」
万夜は髪をかき上げながら声を上げる。
「で、でもなかなかの高等技術でしたわね!」
「高等技術ですか?」
「一体どこでそんな技を身に付けたのですか?」
「身に付けたって……ネットで見かける漫画広告とかですかね」
勇次が鼻の頭をかきながら答える。
「……つまり、実戦は初めてと?」
「実戦って……まあ、そうなりますね」
「ふむふむ、そうですか、成程、初めて……」
万夜は顎に手をやりながら頷く。
「あ、あの……?」
「では、次はわたくしのターンですわ! そこに跪きなさい!」
「ええっ⁉」
勇次は戸惑いながらも両膝を床に突く。万夜は椅子を勇次の前に置き、その椅子に片脚を乗せ、跪く勇次の顎を片手でクイっと持ち上げる。
「……さあ、わたくしの脚をお舐めなさい」
「い、いや、何を言ってるんですか⁉ 冷静になって下さい!」
「わたくしは100%冷静ですわ!」
「だったら、尚更マズいです!」
「ああ、万夜さん? こちらにいらっしゃったんですか。ちょっと確認したいことが……」
その時、愛が部屋に入ってきた。勇次たちの様子を見て、しばし固まる。
「あ、愛……?」
「破廉恥さがもはや留まることを知らない!」
愛はそう叫んで部屋を飛び出して行く。
「ま、待て、愛! ⁉」
そこに警報が鳴り響く。万夜が冷静に叫ぶ。
「出動ですわ!」
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