9 / 123
第一章
第2話(4) 中庭の目覚め……からの〇〇
しおりを挟む
その後、廊下を歩くと、何匹かの蝙蝠と遭遇したが、千景が手際良く片付けていく。
「さ、流石ですね……」
「ふん、この程度の妖なんざ、造作もねえよ……お前は呑気に見学に来ただけか?」
「い、いいえ!」
「だったらもっと気合いを入れろ!」
「はい!」
勇次は周辺の索敵に集中し始める。しかし、このマンション一階の妖の反応は途絶えたと判断し、階段で上の階に上がろうとする。そんな勇次の肩を千景がガシッと掴む。
「どうしました?」
「重大な見落としがあるぞ」
「えっ?」
「このマンションの内側、中庭は屋上まで吹き抜け構造になっている……」
「! ということは……」
「中庭から各部屋に侵入するという可能性もある……!」
その時、悲鳴が聞こえた。勇次たちはその悲鳴のあった方に急ぎ、その部屋のドアの前に立つ。部屋には鍵がかかっている。千景が叫ぶ。
「ええい、まだるっこしい!」
「ええっ⁉」
千景がドアをその脚で豪快に蹴り飛ばす。
「む、無茶しますね……」
「狭世のことは現世には影響しないって聞いているだろ?」
「それはそうですけど……」
「安全優先の為だ。ほら見ろ!」
「! あ、あれは⁉」
千景が指を差した先には、先程2人が相手をした蝙蝠より一回りほど大きい蝙蝠が二匹いて、黒いゴスロリ服を着た小柄な女の子を連れ去ろうとしていた。
「ああいう風に人間を狭世に連れ込んで、幽世かどっかに連れていこうって腹積もりだろうが、そうは問屋が卸さねえんだよ!」
千景が素早く飛び掛かり、女の子を掴んでいた蝙蝠一匹を右ストレートで叩き潰す。
「おっと!」
蝙蝠が手を離した為、床に倒れ込みそうになった女の子の体を千景は両手で受け止めつつ、自身の体を反転させ、左足を高く上げて、逃げようとしたもう一匹の蝙蝠を蹴り飛ばす。蝙蝠は部屋の壁に叩きつけられて砕け散る。
「ほらな、廊下だけでなく、部屋の中も注意する必要があるんだよ」
「は、はあ……」
「……己の抱きかかえているものに対してもね」
「⁉ しまっ! ぐっ……」
千景が驚くと同時に、その女の子の背中から大きな翼が開き、手に生える鋭い爪を千景の肩に突き立てる。苦悶の表情を浮かべる千景とは対照的に、女の子に化けていた蝙蝠の妖は愉快そうな声を上げる。
「まさか、こんな単純な手に引っかかってくれるとはね。可愛い子供たち相手に大分好き放題暴れてくれたじゃないのよ……まずはアンタから殺してあげるわ。どんな殺し方が良い? 爪で喉笛を切り裂いてあげる? それとも爪で心臓を抉り出してあげる?」
「……二択と見せかけて、結局どっちも爪じゃねえか、芸が無えな、それとも能無しって言った方が良いか?」
痛みに呻きながらも千景が憎まれ口を叩く。
「……それじゃあ、とっておきの方法で殺してあげるわ!」
「うおっ!」
蝙蝠の妖が千景を抱えたまま、部屋から飛び出て、中庭を一気に上昇していく。勇次がそれを慌てて追いかける。
「マンション10階分、約30mの高さ……ここから思い切り叩き落としてあげる! このアイディア、どうかしら?」
「……はっ、最高に趣味の悪いご提案だな」
「千景さん! くっ!」
勇次が腕のレーダーを使って、御剣らに通信を試みる。しかし、通信状況が思わしくなく、ノイズ音が流れるのみである。
「! なんだ⁉ 通信障害かよ⁉」
「無駄よ! アタシの翼からは特殊な音波が発生しているの、そんなチャチな通信機器なんて役に立たないわ!」
「ならば、隊長――‼ 愛――‼」
勇次はマンションの上階に向かって、大声で呼びかける。千景が首を振って叫ぶ。
「無理だ! コイツ、この中庭部分だけ違う狭世を発生させていやがるんだ!」
「ええっ⁉」
「隣接しているとはいえ別の空間みたいなもんだ。こちらの声が届くどころかその存在にすら気付きにくい。器用なマネしやがって……」
「そういうことよ、見かけによらず頭が回るのね」
蝙蝠の妖はクスクスと笑い、思い出した様に勇次に尋ねる。
「そういえば、隊長って、白髪の女剣士?」
「知っているのか⁉」
「それなりにね。私たちにとっては厄介極まりない、近づきたくない存在よ。そうか、この辺りはあの女の縄張りだったわね。まあ、それくらいでないと楽しくないか」
「楽しくない……?」
「弱い人間どもをただ狩るのも退屈でしょ? ゲームには少し位スリルが無いとね」
「! ゲーム……?」
「お喋りが過ぎたわね、まずはアンタから肉塊に変えてあげる!」
蝙蝠の妖が地面に向かって千景を投げつける。さらに両翼で大きな風を起こす。風圧に圧された千景の体は凄まじい速さで落下する。
「ぐおっ⁉」
「そうはさせるかよ!」
勇次が叫ぶ。蝙蝠の妖は嘲笑交じりに声を上げる。
「はん、まさか受け止めるつもり⁉ アンタも巻き添えになるだけよ!」
「うおおおおっ‼」
「⁉」
次の瞬間、千景の体を両手で受け止める勇次の姿があった。千景が呟く。
「あのスピードで落ちたアタシを両の手だけで……?」
「千景さん、大丈夫ですか⁉」
「ああ、なんとかな……って、うおい! ど、どこを触ってやがんだ!」
「え? ああっ⁉」
千景は怒声を発する。勇次の左手が千景のその豊満な胸を、右手が健康的な太ももをガッシリと掴んでいたからである。
「す、すいません!」
勇次は慌てて千景の体を浮かせ、仰向けにさせると、自身の腹の辺りで抱きかかえる。
「こ、これで良いですか?」
所謂『お姫様抱っこ』の状態になり、千景と勇次の互いの顔が近づく。沸騰したかのように千景の顔がボッと赤くなる。
「~~~よ、良かねえよ! さっさと下ろせ!」
「は、はい!」
「ったく……ってお前、その頭……?」
「え? って、うおっ! また角が生えてやがる!」
勇次が自分の頭を触って驚く。
「姐御の報告よりも角が長くなっているような……妖力がさらに高まったのか?」
「ひょっとして、トレーニングの成果ですかね?」
「それともアタシのグラマラスな体を揉みしだきやがったからか?」
「そ、そんな! そこは関係ないでしょ! 多分……」
勇次はマジマジと両手を見つめ、ワシワシと動かす。
「冗談で言ったんだよ! その手つきを止めろ!」
「何かの術を使ったかと思ったら、まさか鬼の半妖とはね!」
勇次は背中の金棒を引き抜き、蝙蝠の妖に向ける。
「てめえは俺がぶっ飛ばす……!」
「はっ、状況を考えなさいよ! この高さまでどうやって飛ぶ気?」
「こうやんだよ!」
「⁉」
勇次は地面に金棒を思い切り叩き付ける。地面が割れ、土塊がいくつか舞い上がる。勇次はその土塊を足場代わりにして上手く飛び移りながら、蝙蝠の妖に迫る。
「どうだ、届いたぜ! 喰らえ!」
「ちぃっ!」
勇次は金棒で殴りかかるが、蝙蝠の妖の片翼をもいだのみに留まった。
「躱しやがったか!」
「まだ片翼がある! もっと上昇するわ! 同じ手は食わないわよ!」
「くそっ!」
勇次は落下しながらももう一度、金棒を振るうが、虚しく空を切る。
「はははっ! そんな下からじゃ届かな――」
「……ならばその上からだ」
御剣の刀が蝙蝠の妖の頭を後ろから貫いた。
「隊長!」
「すまん、遅くなった。まさか狭世を二重に発生させていたとはな。ちょうど屋上を調査している時、お前らの気配に気付いた。こうした場合の対処法も考えんとな……」
「冷静な分析中失礼します!」
「? 何だ?」
「我々、目下落下中であります!」
「ああ、そうだな」
「そ、そうだなじゃなくて、ぶ、ぶつかる――! ⁉」
御剣が刀を振るう。自らの脚と地面を一緒に凍らせることによって、直撃を避ける。
「簡単にだが凍らせた。叩き割れるぞ。すぐに溶けるから待っていても良いが……」
「ほ、ほうですか……じゃ、じゃあこのまましばらく待機します……」
「ふ、ふざけんな、早く退けろ!」
「皆さん! 大丈夫です……か……?」
中庭に駆け付けた愛が絶句する。勇次が仰向けに倒れた千景の胸にその顔を埋めていたからである。御剣がゆっくりと口を開く。
「……妖は絶やした。その他は特に目立った問題はない」
「い、いや問題しかないでしょう⁉ 氷の蒲団で男女が同衾をしているんですよ」
「あ、愛! こ、これは誤解、というかその、そう、不可抗力だ!」
「せめて顔を上げなさいよ! 破廉恥だわ!」
勇次の苦しい弁明を愛は切って捨てる。
「さ、流石ですね……」
「ふん、この程度の妖なんざ、造作もねえよ……お前は呑気に見学に来ただけか?」
「い、いいえ!」
「だったらもっと気合いを入れろ!」
「はい!」
勇次は周辺の索敵に集中し始める。しかし、このマンション一階の妖の反応は途絶えたと判断し、階段で上の階に上がろうとする。そんな勇次の肩を千景がガシッと掴む。
「どうしました?」
「重大な見落としがあるぞ」
「えっ?」
「このマンションの内側、中庭は屋上まで吹き抜け構造になっている……」
「! ということは……」
「中庭から各部屋に侵入するという可能性もある……!」
その時、悲鳴が聞こえた。勇次たちはその悲鳴のあった方に急ぎ、その部屋のドアの前に立つ。部屋には鍵がかかっている。千景が叫ぶ。
「ええい、まだるっこしい!」
「ええっ⁉」
千景がドアをその脚で豪快に蹴り飛ばす。
「む、無茶しますね……」
「狭世のことは現世には影響しないって聞いているだろ?」
「それはそうですけど……」
「安全優先の為だ。ほら見ろ!」
「! あ、あれは⁉」
千景が指を差した先には、先程2人が相手をした蝙蝠より一回りほど大きい蝙蝠が二匹いて、黒いゴスロリ服を着た小柄な女の子を連れ去ろうとしていた。
「ああいう風に人間を狭世に連れ込んで、幽世かどっかに連れていこうって腹積もりだろうが、そうは問屋が卸さねえんだよ!」
千景が素早く飛び掛かり、女の子を掴んでいた蝙蝠一匹を右ストレートで叩き潰す。
「おっと!」
蝙蝠が手を離した為、床に倒れ込みそうになった女の子の体を千景は両手で受け止めつつ、自身の体を反転させ、左足を高く上げて、逃げようとしたもう一匹の蝙蝠を蹴り飛ばす。蝙蝠は部屋の壁に叩きつけられて砕け散る。
「ほらな、廊下だけでなく、部屋の中も注意する必要があるんだよ」
「は、はあ……」
「……己の抱きかかえているものに対してもね」
「⁉ しまっ! ぐっ……」
千景が驚くと同時に、その女の子の背中から大きな翼が開き、手に生える鋭い爪を千景の肩に突き立てる。苦悶の表情を浮かべる千景とは対照的に、女の子に化けていた蝙蝠の妖は愉快そうな声を上げる。
「まさか、こんな単純な手に引っかかってくれるとはね。可愛い子供たち相手に大分好き放題暴れてくれたじゃないのよ……まずはアンタから殺してあげるわ。どんな殺し方が良い? 爪で喉笛を切り裂いてあげる? それとも爪で心臓を抉り出してあげる?」
「……二択と見せかけて、結局どっちも爪じゃねえか、芸が無えな、それとも能無しって言った方が良いか?」
痛みに呻きながらも千景が憎まれ口を叩く。
「……それじゃあ、とっておきの方法で殺してあげるわ!」
「うおっ!」
蝙蝠の妖が千景を抱えたまま、部屋から飛び出て、中庭を一気に上昇していく。勇次がそれを慌てて追いかける。
「マンション10階分、約30mの高さ……ここから思い切り叩き落としてあげる! このアイディア、どうかしら?」
「……はっ、最高に趣味の悪いご提案だな」
「千景さん! くっ!」
勇次が腕のレーダーを使って、御剣らに通信を試みる。しかし、通信状況が思わしくなく、ノイズ音が流れるのみである。
「! なんだ⁉ 通信障害かよ⁉」
「無駄よ! アタシの翼からは特殊な音波が発生しているの、そんなチャチな通信機器なんて役に立たないわ!」
「ならば、隊長――‼ 愛――‼」
勇次はマンションの上階に向かって、大声で呼びかける。千景が首を振って叫ぶ。
「無理だ! コイツ、この中庭部分だけ違う狭世を発生させていやがるんだ!」
「ええっ⁉」
「隣接しているとはいえ別の空間みたいなもんだ。こちらの声が届くどころかその存在にすら気付きにくい。器用なマネしやがって……」
「そういうことよ、見かけによらず頭が回るのね」
蝙蝠の妖はクスクスと笑い、思い出した様に勇次に尋ねる。
「そういえば、隊長って、白髪の女剣士?」
「知っているのか⁉」
「それなりにね。私たちにとっては厄介極まりない、近づきたくない存在よ。そうか、この辺りはあの女の縄張りだったわね。まあ、それくらいでないと楽しくないか」
「楽しくない……?」
「弱い人間どもをただ狩るのも退屈でしょ? ゲームには少し位スリルが無いとね」
「! ゲーム……?」
「お喋りが過ぎたわね、まずはアンタから肉塊に変えてあげる!」
蝙蝠の妖が地面に向かって千景を投げつける。さらに両翼で大きな風を起こす。風圧に圧された千景の体は凄まじい速さで落下する。
「ぐおっ⁉」
「そうはさせるかよ!」
勇次が叫ぶ。蝙蝠の妖は嘲笑交じりに声を上げる。
「はん、まさか受け止めるつもり⁉ アンタも巻き添えになるだけよ!」
「うおおおおっ‼」
「⁉」
次の瞬間、千景の体を両手で受け止める勇次の姿があった。千景が呟く。
「あのスピードで落ちたアタシを両の手だけで……?」
「千景さん、大丈夫ですか⁉」
「ああ、なんとかな……って、うおい! ど、どこを触ってやがんだ!」
「え? ああっ⁉」
千景は怒声を発する。勇次の左手が千景のその豊満な胸を、右手が健康的な太ももをガッシリと掴んでいたからである。
「す、すいません!」
勇次は慌てて千景の体を浮かせ、仰向けにさせると、自身の腹の辺りで抱きかかえる。
「こ、これで良いですか?」
所謂『お姫様抱っこ』の状態になり、千景と勇次の互いの顔が近づく。沸騰したかのように千景の顔がボッと赤くなる。
「~~~よ、良かねえよ! さっさと下ろせ!」
「は、はい!」
「ったく……ってお前、その頭……?」
「え? って、うおっ! また角が生えてやがる!」
勇次が自分の頭を触って驚く。
「姐御の報告よりも角が長くなっているような……妖力がさらに高まったのか?」
「ひょっとして、トレーニングの成果ですかね?」
「それともアタシのグラマラスな体を揉みしだきやがったからか?」
「そ、そんな! そこは関係ないでしょ! 多分……」
勇次はマジマジと両手を見つめ、ワシワシと動かす。
「冗談で言ったんだよ! その手つきを止めろ!」
「何かの術を使ったかと思ったら、まさか鬼の半妖とはね!」
勇次は背中の金棒を引き抜き、蝙蝠の妖に向ける。
「てめえは俺がぶっ飛ばす……!」
「はっ、状況を考えなさいよ! この高さまでどうやって飛ぶ気?」
「こうやんだよ!」
「⁉」
勇次は地面に金棒を思い切り叩き付ける。地面が割れ、土塊がいくつか舞い上がる。勇次はその土塊を足場代わりにして上手く飛び移りながら、蝙蝠の妖に迫る。
「どうだ、届いたぜ! 喰らえ!」
「ちぃっ!」
勇次は金棒で殴りかかるが、蝙蝠の妖の片翼をもいだのみに留まった。
「躱しやがったか!」
「まだ片翼がある! もっと上昇するわ! 同じ手は食わないわよ!」
「くそっ!」
勇次は落下しながらももう一度、金棒を振るうが、虚しく空を切る。
「はははっ! そんな下からじゃ届かな――」
「……ならばその上からだ」
御剣の刀が蝙蝠の妖の頭を後ろから貫いた。
「隊長!」
「すまん、遅くなった。まさか狭世を二重に発生させていたとはな。ちょうど屋上を調査している時、お前らの気配に気付いた。こうした場合の対処法も考えんとな……」
「冷静な分析中失礼します!」
「? 何だ?」
「我々、目下落下中であります!」
「ああ、そうだな」
「そ、そうだなじゃなくて、ぶ、ぶつかる――! ⁉」
御剣が刀を振るう。自らの脚と地面を一緒に凍らせることによって、直撃を避ける。
「簡単にだが凍らせた。叩き割れるぞ。すぐに溶けるから待っていても良いが……」
「ほ、ほうですか……じゃ、じゃあこのまましばらく待機します……」
「ふ、ふざけんな、早く退けろ!」
「皆さん! 大丈夫です……か……?」
中庭に駆け付けた愛が絶句する。勇次が仰向けに倒れた千景の胸にその顔を埋めていたからである。御剣がゆっくりと口を開く。
「……妖は絶やした。その他は特に目立った問題はない」
「い、いや問題しかないでしょう⁉ 氷の蒲団で男女が同衾をしているんですよ」
「あ、愛! こ、これは誤解、というかその、そう、不可抗力だ!」
「せめて顔を上げなさいよ! 破廉恥だわ!」
勇次の苦しい弁明を愛は切って捨てる。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
帝国海軍の猫大佐
鏡野ゆう
キャラ文芸
護衛艦みむろに乗艦している教育訓練中の波多野海士長。立派な護衛艦航海士となるべく邁進する彼のもとに、なにやら不思議な神様(?)がやってきたようです。
※小説家になろう、カクヨムでも公開中※
※第5回キャラ文芸大賞で奨励賞をいただきました。ありがとうございます※
ステイ・ウィズ・ミー -狭いワンルームに、友人たちが集まってくる話-
福守りん
キャラ文芸
有馬は謎の感染症アンロックに対応してリモートワーク中の、まだ若いサラリーマン。
有馬が借りているワンルームのアパートに、期せずして、有馬とともに大学時代を過ごした友人たちが集まった。
彼女との同棲を解消されてしまったヒサ(久永颯斗)、アンロックの影響で仕事を失ったオカモン(岡田薫)、実家から離れてフリーターをしている栄ちゃん(松野栄太)。
それぞれの事情を抱えながら、ワンルームの中で四人で過ごした後で、彼らが見つけたものとは?
はっきり言ってカケラも興味はございません
みおな
恋愛
私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。
病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。
まぁ、好きになさればよろしいわ。
私には関係ないことですから。
致死量の愛を飲みほして+
藤香いつき
キャラ文芸
終末世界。
世間から隔離された森の城館で、ひっそりと暮らす8人の青年たち。
記憶のない“あなた”は、彼らに拾われ——
ひとつの物語を終えたあとの、穏やか(?)な日常のお話。
【致死量の愛を飲みほして】その後のエピソード。
単体でも読めるよう調整いたしました。
よんよんまる
如月芳美
キャラ文芸
東のプリンス・大路詩音。西のウルフ・大神響。
音楽界に燦然と輝く若きピアニストと作曲家。
見た目爽やか王子様(実は負けず嫌い)と、
クールなヴィジュアルの一匹狼(実は超弱気)、
イメージ正反対(中身も正反対)の二人で構成するユニット『よんよんまる』。
だが、これからという時に、二人の前にある男が現われる。
お互いやっと見つけた『欠けたピース』を手放さなければならないのか。
※作中に登場する団体、ホール、店、コンペなどは、全て架空のものです。
※音楽モノではありますが、音楽はただのスパイスでしかないので音楽知らない人でも大丈夫です!
(医者でもないのに医療モノのドラマを見て理解するのと同じ感覚です)
ゲームにステータスが反映されるので、現実のダンジョンで必死にレベルアップして最強ゲーマーになります。―冒険者兼探索者で二つの世界を謳歌する―
椿紅颯
ファンタジー
あらすじ
旭加沢 暁はゲーマー兼探索者である。
暁は、待望の新作ゲームが発売されるのをずっと心待ちにしていた。
そしてその日がいよいよ訪れる。
わくわくドキドキでゲームを始めるも、悲しいことに現実世界で金欠だったことを思い出してしまう。
ゲーマーなら、お金なんて気にしないでゲームをしろよ、という葛藤を抱きつつもダンジョンで金策をすることに。
ちなみにダンジョンへ向かうのは初めてではなく、モンスターとの戦闘も慣れている。
しかも、アシスタントAIの力を借りることもでき、スムーズに狩りをすることが可能。
そんな日々を送っているのだから、学業は当然の如く怠っている。
テストの点数は赤点ギリギリ、授業中は授業に専念せずゲームのことばかり考え、友人を増やすこともない。
見事に学生の本分を忘れているわけだが、そんな暁にも話ができる人達はいる。
そして、暁を気に掛ける人物も。
一風変わった学園生活とゲーム世界、そしてダンジョンという舞台で様々な出来事を通して、今までなんとなく生きてきた暁の周りに変化が起きていく。
しかし、何でもかんでもゲーム至高、ゲーマー思考の暁は、何を考え、どう変わっていくのか――。
猫の罪深い料理店~迷子さんの拠り所~
碧野葉菜
キャラ文芸
アラサー真っ只中の隅田川千鶴は仕事に生きるキャリアウーマン。課長に昇進しできない男たちを顎で使う日々を送っていた。そんなある日、仕事帰りに奇妙な光に気づいた千鶴は誘われるように料理店に入る。
しかしそこは、普通の店ではなかった――。
麗しの店主、はぐれものの猫宮と、それを取り囲む十二支たち。
彼らを通して触れる、人と人の繋がり。
母親との確執を経て、千鶴が選ぶ道は――。
冥府の花嫁
七夜かなた
キャラ文芸
杷佳(わか)は、鬼子として虐げられていた。それは彼女が赤い髪を持ち、体に痣があるからだ。彼女の母親は室生家当主の娘として生まれたが、二十歳の時に神隠しにあい、一年後発見された時には行方不明の間の記憶を失くし、身籠っていた。それが杷佳だった。そして彼女は杷佳を生んですぐに亡くなった。祖父が生きている間は可愛がられていたが、祖父が亡くなり叔父が当主になったときから、彼女は納屋に押し込められ、使用人扱いされている。
そんな時、彼女に北辰家当主の息子との縁談が持ち上がった。
自分を嫌っている叔父が、良い縁談を持ってくるとは思わなかったが、従うしかなく、破格の結納金で彼女は北辰家に嫁いだ。
しかし婚姻相手の柊椰(とうや)には、ある秘密があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる