25 / 50
第1章
第6話(4)主題歌(仮)披露
しおりを挟む
「まあ、武器はとりあえず保留か」
「おいおい考えていきましょう……」
彩の言葉に躍が頷く。
「……大体こんなところか?」
「司令官、まだ大事なことがあります!」
「大事なこと?」
「はい!」
凛が頷く。
「え~まだなんかあったか? キャッチコピーも口上、ポーズまで決めて……」
彩が首を傾げる。
「ありますよ!」
「なんやねん?」
「主題歌です!」
「しゅ、主題歌?」
「はい、テーマソングです!」
「テーマソングって……」
「実は大体のイメージは既に出来上がっています!」
「え?」
「アカペラで吹き込んできました!」
凛がスマホを取り出す。
「だ、大丈夫か?」
「その辺は聴いてもらって判断してもらえれば!」
「変に自信満々やな……」
「それでは流します!」
「有無も言わさずやな!」
「流しますよ?」
「あ、ああ……」
「本当に流しますよ?」
「ああ」
「あ、なんか照れくさくなってきたな……」
「なんやねん!」
「やっぱりやめようかな……」
「やめてもええけど?」
「いや、聴いて欲しいです!」
「なんや、面倒なやっちゃな!」
凛の二転三転する態度に彩が顔をしかめる。
「では、流します……」
「早よしてくれ」
「それでは、カウント3分前……」
「長いわ、3秒前でええやろ!」
「失礼……」
「ったく……」
「では、3、2、1……~♪」
「ふむ……」
「『遊戯戦隊エレクトロニックフォース!』」
「名乗りから入るんやな……まあベタやけどええんちゃうか」
「歩く! 砂漠! エレク!」
「はっ⁉」
「大トロ! 中トロ! トロ!」
「はあっ⁉」
「ロック! ラック! ニック!」
「はああっ⁉」
「ワン! ツー! スリー! フォース!」
「はあああっ⁉」
「諸々合わせて、エレクトロニックフォース!」
「諸々って!」
「走れ! 明日に向かって~!」
「うん……」
「戦え! 未知なる存在と~!」
「う、うん……」
「砕け! 恐怖とか野望を~!」
「? う、うん……」
「守れ! 平和とか未来を~!」
「なんか後半ふわっとしとんな!」
「遊べ! 戯れ! eスポーツ!」
「ま、まあ、コンセプトやからな……」
「罵詈雑言の嵐~オンラインゲーム~」
「え?」
「課金課金の洪水~ソーシャルゲーム~」
「ええ?」
「友達なくしがち~コンシューマーゲーム~」
「えええ?」
「結局これだね~ボードゲーム~」
「eスポーツ否定してもうてるやんけ!」
「なんやかんやありまして~」
「なんやかんやってなんやねん!」
「オレンジ色の光~」
「お?」
「茶色の大地~」
「ああ、色を言うのはええんちゃうん?」
「水色の琵琶湖~」
「急に地元ぶっこむな!」
「灰色の空~」
「なんか嫌やな!」
「紫色のネオン街~」
「今日日ネオン街って!」
「さまよう無職の父~」
「色違いや! そもそもネオン街さまよっている場合か!」
「……ラララ~」
「もう歌うことなくなってるやん!」
「電脳戦の果てに~」
「急に電脳戦とか言い出したな……」
「希望と愛と夢と富と名声を抱け~」
「欲張りすぎや!」
「サイバーな風を感じて~」
「どんな風や!」
「頑張れ!」
「何を⁉」
「負けるな!」
「なんやねん!」
「無理はしないで!」
「優しさみせた⁉」
「エレクトロニックフォース~!」
「お、終わった……」
「~フゥー……」
「まだあった!」
「ラブ&ピース……」
「やかましいわ! 何を囁いとんねん!」
「まあ、こんな感じなんですが……どうですか?」
「……アカン」
「ええっ⁉」
「なんでやねん! イケると思ったんか⁉」
「自分なりに手ごたえは……」
「その手ごたえおかしいで!」
「ど、どこがダメだったんでしょうか?」
「全体的にや」
「ぜ、全体的に⁉」
「ああ、まず……歩く!砂漠!から意味分からへん」
「エレクと韻を踏んでいるんです」
「それはなんとなく分かるけど! なんやねん、大トロとか、ロックとか……」
「『エレクトロニック』という馴染みの薄いであろう言葉をまず認識してもらおうと思って、分かりやすく分解してみました」
「余計分かりにくくなっとるがな!」
「そ、そうですか?」
「そうやがな。その後のパートもふわっとし過ぎや、恐怖とか~平和とか~」
「怖い!とか和やか!とか断言した方が良いかもね」
「ちゃうがな、グレーよ。怖い!って言い切られた方が怖いわ。その次のパートも……」
「何かマズかったですか?」
「マズいやろ。罵詈雑言とか、課金がどうとか……ネガティブなことしか言うてへんやんけ」
「アーケードゲームに言及しないのはどうかと思ったな」
「ああ、輝っち! そう言われると……格ゲー民としてあるまじきことを……」
「そこはこの際どうでもええねん、オレンジよ」
「それぞれの色を言うとこは良かったんちゃいます?」
「ブラウン……まあな。ただ、ネオン街とか無職の父とかの部分は変えないかんで」
「彩豊かな美人司令官~とかですか?」
「そこで唐突にヨイショせんでもええねん……後、主題歌でラララ~とかやめろ」
「……そこだけは絶対に譲れません」
「なんでやねん!」
「クリエイターとしてのプライドやね……」
「いや、エエ感じに言うな、パープルよ……」
「まあ、概ねはこんな感じで……」
「大分変えた方がエエと思うけど……ん⁉ 怪人出現⁉ すぐ駆け付けられるのは……あたしらか……しゃあないな、エレクトロニックフォース、出動や!」
彩が出動の指示を出す。
「おいおい考えていきましょう……」
彩の言葉に躍が頷く。
「……大体こんなところか?」
「司令官、まだ大事なことがあります!」
「大事なこと?」
「はい!」
凛が頷く。
「え~まだなんかあったか? キャッチコピーも口上、ポーズまで決めて……」
彩が首を傾げる。
「ありますよ!」
「なんやねん?」
「主題歌です!」
「しゅ、主題歌?」
「はい、テーマソングです!」
「テーマソングって……」
「実は大体のイメージは既に出来上がっています!」
「え?」
「アカペラで吹き込んできました!」
凛がスマホを取り出す。
「だ、大丈夫か?」
「その辺は聴いてもらって判断してもらえれば!」
「変に自信満々やな……」
「それでは流します!」
「有無も言わさずやな!」
「流しますよ?」
「あ、ああ……」
「本当に流しますよ?」
「ああ」
「あ、なんか照れくさくなってきたな……」
「なんやねん!」
「やっぱりやめようかな……」
「やめてもええけど?」
「いや、聴いて欲しいです!」
「なんや、面倒なやっちゃな!」
凛の二転三転する態度に彩が顔をしかめる。
「では、流します……」
「早よしてくれ」
「それでは、カウント3分前……」
「長いわ、3秒前でええやろ!」
「失礼……」
「ったく……」
「では、3、2、1……~♪」
「ふむ……」
「『遊戯戦隊エレクトロニックフォース!』」
「名乗りから入るんやな……まあベタやけどええんちゃうか」
「歩く! 砂漠! エレク!」
「はっ⁉」
「大トロ! 中トロ! トロ!」
「はあっ⁉」
「ロック! ラック! ニック!」
「はああっ⁉」
「ワン! ツー! スリー! フォース!」
「はあああっ⁉」
「諸々合わせて、エレクトロニックフォース!」
「諸々って!」
「走れ! 明日に向かって~!」
「うん……」
「戦え! 未知なる存在と~!」
「う、うん……」
「砕け! 恐怖とか野望を~!」
「? う、うん……」
「守れ! 平和とか未来を~!」
「なんか後半ふわっとしとんな!」
「遊べ! 戯れ! eスポーツ!」
「ま、まあ、コンセプトやからな……」
「罵詈雑言の嵐~オンラインゲーム~」
「え?」
「課金課金の洪水~ソーシャルゲーム~」
「ええ?」
「友達なくしがち~コンシューマーゲーム~」
「えええ?」
「結局これだね~ボードゲーム~」
「eスポーツ否定してもうてるやんけ!」
「なんやかんやありまして~」
「なんやかんやってなんやねん!」
「オレンジ色の光~」
「お?」
「茶色の大地~」
「ああ、色を言うのはええんちゃうん?」
「水色の琵琶湖~」
「急に地元ぶっこむな!」
「灰色の空~」
「なんか嫌やな!」
「紫色のネオン街~」
「今日日ネオン街って!」
「さまよう無職の父~」
「色違いや! そもそもネオン街さまよっている場合か!」
「……ラララ~」
「もう歌うことなくなってるやん!」
「電脳戦の果てに~」
「急に電脳戦とか言い出したな……」
「希望と愛と夢と富と名声を抱け~」
「欲張りすぎや!」
「サイバーな風を感じて~」
「どんな風や!」
「頑張れ!」
「何を⁉」
「負けるな!」
「なんやねん!」
「無理はしないで!」
「優しさみせた⁉」
「エレクトロニックフォース~!」
「お、終わった……」
「~フゥー……」
「まだあった!」
「ラブ&ピース……」
「やかましいわ! 何を囁いとんねん!」
「まあ、こんな感じなんですが……どうですか?」
「……アカン」
「ええっ⁉」
「なんでやねん! イケると思ったんか⁉」
「自分なりに手ごたえは……」
「その手ごたえおかしいで!」
「ど、どこがダメだったんでしょうか?」
「全体的にや」
「ぜ、全体的に⁉」
「ああ、まず……歩く!砂漠!から意味分からへん」
「エレクと韻を踏んでいるんです」
「それはなんとなく分かるけど! なんやねん、大トロとか、ロックとか……」
「『エレクトロニック』という馴染みの薄いであろう言葉をまず認識してもらおうと思って、分かりやすく分解してみました」
「余計分かりにくくなっとるがな!」
「そ、そうですか?」
「そうやがな。その後のパートもふわっとし過ぎや、恐怖とか~平和とか~」
「怖い!とか和やか!とか断言した方が良いかもね」
「ちゃうがな、グレーよ。怖い!って言い切られた方が怖いわ。その次のパートも……」
「何かマズかったですか?」
「マズいやろ。罵詈雑言とか、課金がどうとか……ネガティブなことしか言うてへんやんけ」
「アーケードゲームに言及しないのはどうかと思ったな」
「ああ、輝っち! そう言われると……格ゲー民としてあるまじきことを……」
「そこはこの際どうでもええねん、オレンジよ」
「それぞれの色を言うとこは良かったんちゃいます?」
「ブラウン……まあな。ただ、ネオン街とか無職の父とかの部分は変えないかんで」
「彩豊かな美人司令官~とかですか?」
「そこで唐突にヨイショせんでもええねん……後、主題歌でラララ~とかやめろ」
「……そこだけは絶対に譲れません」
「なんでやねん!」
「クリエイターとしてのプライドやね……」
「いや、エエ感じに言うな、パープルよ……」
「まあ、概ねはこんな感じで……」
「大分変えた方がエエと思うけど……ん⁉ 怪人出現⁉ すぐ駆け付けられるのは……あたしらか……しゃあないな、エレクトロニックフォース、出動や!」
彩が出動の指示を出す。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小児科医、姪を引き取ることになりました。
sao miyui
キャラ文芸
おひさまこどもクリニックで働く小児科医の深沢太陽はある日事故死してしまった妹夫婦の小学1年生の娘日菜を引き取る事になった。
慣れない子育てだけど必死に向き合う太陽となかなか心を開こうとしない日菜の毎日の奮闘を描いたハートフルストーリー。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
群青の空
ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ
キャラ文芸
十年前――
東京から引っ越し、友達も彼女もなく。退屈な日々を送り、隣の家から聴こえてくるピアノの音は、綺麗で穏やかな感じをさせるが、どこか腑に落ちないところがあった。そんな高校生・拓海がその土地で不思議な高校生美少女・空と出会う。
そんな彼女のと出会い、俺の一年は自分の人生の中で、何よりも大切なものになった。
ただ、俺は彼女に……。
これは十年前のたった一年の青春物語――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる