上 下
17 / 50
第1章

第4話(4)ご立派なもの

しおりを挟む
「くう……」

「むう……」



 アヤカもエリーも両腕を狙撃されたようだ。それぞれ一発の銃弾で、両腕をまとめて射抜かれた。どちらも両腕が使えなければ――大体の者がそうではあるが――戦闘行動をまともにとることは困難だ。たった二発の銃弾で二人をほとんど無力化するとは……。



「……!」

「おっと!」



 銃声がしたとほぼ同時に、俺は飛んでくる銃弾をかわした。



「【特殊スキル:ヤマ勘を発動しました】」



 ヤマ勘かよ。そこは『緊急回避』とかじゃないのかよ……まあ、それはいい。どうやら連射は出来ないようだ。あるいはかわされたことに驚いているのかもしれない。とにかく次弾が撃たれる前に狙撃手がどこにいるかを見つけ出さなければならないな……。



「……」



「【特殊スキル:……を発動しました】」



 俺は一瞬考えた後、すぐに動き出す。高く飛んで、空中を歩いてみせる。



「【特殊スキル:空中歩行を発動しました】」



「なっ⁉」

「! 見つけたぞ! そこだな!」



 俺が空中を歩いたことに驚いた声が聞こえた。やはり高い樹の上に潜んでいたか。俺はそいつを掴んで下に思い切り放り投げる。



「うおおっ⁉」



 狙撃手は着ていた服を大きく広げ、パラシュートのように降下して、着地した。



「随分とまあ、器用な真似を……」

「……何故だ?」

「ん?」



「【特殊スキル:たんぽぽの綿毛を発動しました】」



 狙撃手が地上に緩やかに着地した俺に問う。ってか、なんともまたメルヘンチックなスキル名だな……。まあ、それも今はどうでもいいか。



「どうしてアタイの場所が分かった?」

「それは……」

「いや……銃弾の入射角度、銃声の聞こえた方角、この空間でもっとも狙撃行動に適する位置、その諸々の条件をあの一瞬で分析、判断して、即行動に移したのか……恰好から単なる変態だと思ってすっかり油断してしまったよ……」

「……匂いで判断した」

「はあっ⁉」

「あっ、知らない女の匂いがするなって思って……」

「単なる変態だったー‼」



 狙撃手ががっくりと両膝をつく。俺は鼻の頭をポリポリと擦る。特殊スキル『超嗅覚』を発動させたのだ。ちなみに樹液の匂いもこれで感知した。さっきは森の声を聞いたとか自分でも訳の分からんことを言ったけど――でも、木々の揺らめきとか、わずかな物音を聞いた方がなんか格好いいじゃん?――嗅覚が発動してしまったのだからしょうがない。



「さっきの食堂にいた女だな?」

「ふん……」



 狙撃手はゆっくりと立ち上がる。真緑色のローブを身に纏っている。そう、食堂で俺たちにこの北の森の情報を伝えてきた者だ。アヤカと同じくらい……俺よりはわずかに背が低いが、スラっとした体型をしている。狙撃手は銃を構える。



「やめておけよ、姿が見えているスナイパーなんて間抜けと紙一重だぜ?」

「ほぼ全裸の間抜けにだけは言われたくない……!」

「うぐっ……」



「【特殊スキル:スローモーションを発動しました】」



 狙撃手が銃を発砲するが、スローモーションによって、銃弾はゆっくりとしか、俺には見えない。俺はデコピンで銃弾を跳ね返す。銃弾は綺麗に元の銃口におさまり、派手な暴発を引き起こす。狙撃手が驚きの声を上げる。



「うわっ⁉」



 爆風で狙撃手が被っていたフードがめくれる。尖った長い耳、ミディアムボブの金髪、透き通るような白い肌、類まれなる美貌……あれだ、エルフだ。



「エ、エルフのスナイパーとは……」



 俺も思わず驚きの声をもらす。エルフは片膝をつく。



「ちいっ……!」



 エルフは舌打ちをしながら、懐から拳銃を取り出して、こちらに対して向けてくる。先ほどまでの銃身が長いのは狙撃用のライフルだったか。俺はエルフをなだめる。



「やめておけ、どうせ同じことだ」

「やってみなくちゃ分からないだろうが! どのみち、姿どころか顔まで見られちまったんだ! いよいよここでアンタらを仕留めなくちゃならん!」

「ガセネタを掴ませて、俺たちをおびき寄せたのか……」

「そうだよ!」

「何のためにだ!」

「色々と目立っているアンタらを消せって言う奴らから依頼されてね!」

「なっ……」



 俺はまたもや驚く。まさか自分たちが暗殺のターゲットになるとは……。ある意味、異例のスピード出世じゃないか? いや、喜んでいる場合ではないな……。



「隙有り!」



 エルフが拳銃を連射する。綺麗なエルフには、出来る限り手荒な真似はしたくないな……どうする? あれをやってみるか……。



「ふっ……」



 俺は左手の指の間に四発の銃弾を挟み、それを見せつける。エルフが驚く。



「よ、四発すべてを受け止めた⁉」

「こういうことも出来るぜ……!」



「【特殊スキル:ちょっとした手品を発動しました】」



 俺は右手の指の間にも四発の銃弾を挟む。



「じゅ、銃弾が増えた⁉ い、いや、それに何の意味がある⁉」

「まあ、増やした意味はそんなに無いか……せっかくだからな!」

「むっ……⁉」



 俺が両手を振るうと、銃弾がエルフの服を貫く。襟や裾などに八か所の穴が開く。



「……当てようと思えば、体に当てられた。これ以上の抵抗は無意味だ」

「ま、参ったよ……」



 エルフは拳銃を投げ捨てて、両手を挙げる。



「うむ、ちょっと待っていろ……」

「?」



 俺はうずくまっているアヤカとエリーの所に近寄り、手をかざす。



「【特殊スキル:癒しの手かざしを発動しました】」



「た、助かりました、キョウ殿……」

「あ、ありがとうでありんす、キョウ様……」

「なっ……⁉」



 怪我から回復して、何事もなかったかのように立ち上がったアヤカとエリーの様子を見て、エルフは大いに驚く。



「どうかしたのか?」

「い、いや、どうやらとんでもないやつに喧嘩を売っちまったようだね……」

「というか、撃っちゃったでありんす……」

「……覚悟はいいか?」

「ちょ、ちょっと待て……ん⁉」



 エルフに襲いかかろうとするエリーとアヤカを止めようとした次の瞬間、巨大な木の形をした禍々しい雰囲気を纏ったモンスターが現れる。エリーが声を上げる。



「『エビルウッズ』でありんす! この地域にいるとは……!」

「レアモンスター! ま、まさか、本当にいたとは……⁉」



 驚くエルフに対し、エビルウッズが猛然と迫る。俺が叫ぶ。



「危ない! はああっ‼」



「【特殊スキル:顔から火が出るを発動しました】」



 俺は顔をゴシゴシと擦り、火をおこす。エルフがさらに驚く。



「は、発火した⁉」



 顔が火に包まれた俺はそのまま突っ込み、エビルウッズを燃やす。エビルウッズはすぐさま灰と化す。火をすぐに消した俺は後頭部を抑えながら呟く。



「あまりスマートではない倒し方だったかな。いやはや恥ずかしい……」

「もっと恥ずかしかるべきところがあるような気がするけど……」

「……君の名前は?」

「え? アタイはオリビア……」

「オリビアか、良い名前だ。どうだろう、俺たちとともに来ないか?」

「ええっ⁉」

「俺たちの始末に失敗したとなれば、君が狙われることになるだろう。どうせなら、俺たちと行動を共にすれば良い、どうかな、オリビアさん?」

「……オリビアで良いよ、分かった、一緒に行こう」



 オリビアと名乗った女性が拳銃を拾う。俺はアヤカたちに問う。



「二人とも、それで良いよな?」

「まあ、キョウ殿が決めたことなら……」

「それに従うだけでありんす……」

「よし、決まりだ……おっ、良かった。エビルウッズの燃えカスがわずかに残っているな、これを持ち帰れば、組合からも報酬が出るだろう。それじゃあ、街に戻ろうか」



 俺たちは街に戻った。読み通り、エビルウッズの燃えカスを渡すと、多額の報酬が出た。やった、金だ! 金が手に入ったのなら……豪遊だ! 俺たちは街の酒場で飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎをする。オリビアが声をかけてくる。



「ねえ、アンタのこと、キョウって呼んでもいいかな?」

「あ、ああ、それは別に構わないが……」

「……本当にアタイを連れていっても良いの?」

「あの銃の腕前を見たら、手放すのが惜しい。ともに来てくれるのならば心強い」

「ふ~ん……」

「オリビアは嫌か? それならば無理強いはしないが……」

「いいや、アンタらについていくよ。さっきもキョウが言ったように、依頼者に狙われることになるだろうからね」

「その依頼者についてなんだが……」

「どうせ下っ端だろうから、いわゆる黒幕までにはたどり着けないと思うよ」

「そうか、まあ、それはそうだろうな……」

「まあ、たとえ知っていても言わないよ。一応プロだからね」

「ふむ、なかなか意識が高いな……うん……」

「どうしたの? ほっぺたを抑えちゃって……」

「いや、さっきの発火の影響なのか、顔が火照ってきてな……」

「それは大変だ……この酒場は馴染みだから上の部屋を借りられるよ、少し休もう」

「そ、そうだな……うん……? な、なんだか無性に眠くなってきた……はっ!」



 翌朝、俺はベッドの上で目が覚める。それを確認したオリビアが俺に告げる。



「なかなかご立派な銃を持っているね。ますます興味が湧いてきたよ……」



 オリビアが俺の股間を見て、顔を赤らめながら呟く。またまたナニかあったんだろうか。何故毎度毎度眠っているときに……相変わらず損した気分だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

異世界サバイバルセットでダンジョン無双。精霊樹復活に貢献します。

karashima_s
ファンタジー
 地球にダンジョンが出来て10年。 その当時は、世界中が混乱したけれど、今ではすでに日常となっていたりする。  ダンジョンに巣くう魔物は、ダンジョン外にでる事はなく、浅い階層であれば、魔物を倒すと、魔石を手に入れる事が出来、その魔石は再生可能エネルギーとして利用できる事が解ると、各国は、こぞってダンジョン探索を行うようになった。 ダンジョンでは魔石だけでなく、傷や病気を癒す貴重なアイテム等をドロップしたり、また、稀に宝箱と呼ばれる箱から、後発的に付与できる様々な魔法やスキルを覚える事が出来る魔法書やスキルオーブと呼ばれる物等も手に入ったりする。  当時は、危険だとして制限されていたダンジョン探索も、今では門戸も広がり、適正があると判断された者は、ある程度の教習を受けた後、試験に合格すると認定を与えられ、探索者(シーカー)として認められるようになっていた。  運転免許のように、学校や教習所ができ、人気の職業の一つになっていたりするのだ。  新田 蓮(あらた れん)もその一人である。  高校を出て、別にやりたい事もなく、他人との関わりが嫌いだった事で会社勤めもきつそうだと判断、高校在学中からシーカー免許教習所に通い、卒業と同時にシーカーデビューをする。そして、浅い階層で、低級モンスターを狩って、安全第一で日々の糧を細々得ては、その収入で気楽に生きる生活を送っていた。 そんなある日、ダンジョン内でスキルオーブをゲットする。手に入れたオーブは『XXXサバイバルセット』。 ほんの0.00001パーセントの確実でユニークスキルがドロップする事がある。今回、それだったら、数億の価値だ。それを売り払えば、悠々自適に生きて行けるんじゃねぇー?と大喜びした蓮だったが、なんと難儀な連中に見られて絡まれてしまった。 必死で逃げる算段を考えていた時、爆音と共に、大きな揺れが襲ってきて、足元が崩れて。 落ちた。 落ちる!と思ったとたん、思わず、持っていたオーブを強く握ってしまったのだ。 落ちながら、蓮の頭の中に声が響く。 「XXXサバイバルセットが使用されました…。」 そして落ちた所が…。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

無能テイマーと追放されたが、無生物をテイムしたら擬人化した世界最強のヒロインたちに愛されてるので幸せです

青空あかな
ファンタジー
テイマーのアイトは、ある日突然パーティーを追放されてしまう。 その理由は、スライム一匹テイムできないから。 しかしリーダーたちはアイトをボコボコにした後、雇った本当の理由を告げた。 それは、単なるストレス解消のため。 置き去りにされたアイトは襲いくるモンスターを倒そうと、拾った石に渾身の魔力を込めた。 そのとき、アイトの真の力が明らかとなる。 アイトのテイム対象は、【無生物】だった。 さらに、アイトがテイムした物は女の子になることも判明する。 小石は石でできた美少女。 Sランクダンジョンはヤンデレ黒髪美少女。 伝説の聖剣はクーデレ銀髪長身美人。 アイトの周りには最強の美女たちが集まり、愛され幸せ生活が始まってしまう。 やがてアイトは、ギルドの危機を救ったり、捕らわれの冒険者たちを助けたりと、救世主や英雄と呼ばれるまでになる。 これは無能テイマーだったアイトが真の力に目覚め、最強の冒険者へと成り上がる物語である。 ※HOTランキング6位

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

処理中です...