【第三部】『こちら転生者派遣センターです。ご希望の異世界をどうぞ♪』【追放者編】

阿弥陀乃トンマージ

文字の大きさ
上 下
73 / 109
『ケース2:フラグをガンガンへし折りまくって、ハッピーエンドを目指す悪役令嬢志望のティエラの場合』

第6話(4)混戦⁉Dブロック

しおりを挟む
「う、宇宙人が何故ここに……?」

「シリタイノカ?」

「ま、まあ、それは……」

「コノホシノ“マホウ”トイウモノニキョウミヲモッタ……」

「そうなんですか……」

「イジョウダ……」

「え⁉ それだけ⁉」

「フマンカ?」

「い、いや、不満というか……ま、まあ、次、お願いします!」

「は、はい! チーム『怒髪天』のゴメス選手、意気込みをお願いします」

「ヒャハハ! とにかく暴れまくるぜ!」

 特徴的なヘアスタイル――メアリに聞いたところ、モヒカンと言うそうです――をされた男性が甲高い声で宣言されました。リポーターさんは明らかに困惑しています。

「だ、だから暴れまくられたら困るのですが……つ、次、お願いします」

「は~い、チーム『覆面と兄弟』のブリッツ=サタア選手、お兄さん残念だったね~」

「へっ、オレは兄貴と同じ轍は踏まないよ」

「お、頼もしい感じだね~やっぱり兄弟揃ってイケメンだね~」

「あ、ありがとう……」

「合コンに誘いたいところだけど、お酒は早いか……お食事なんかどう?」

「悪いけど……」

「はいはい、みなまで言わなくていいよ……どうせ心に決めた人がいるって言うんでしょ? 誰なんだろうな~その罪作りな女は? まあ、いいや、お返ししま~す」

「あ、ありがとうございました……さあ、中堅戦に臨む4人がリングに上がりました……今、審判が開始の合図を出しました!」

「おらおら! 行くぜ! まずは坊主! てめえだ!」

 ゴメスさんがゲンシンさんに飛びかかります。

「せいや!」

「ぐほっ⁉」

「ゴメス、ラッシュを仕掛けるも、ゲンシンに的確なカウンターを喰らってしまった!」

「ば、馬鹿な……!」

「こっちは国で一番の寺で修行してきたっス! そんな力任せの攻撃喰らわないっス!」

「モ、モンクってやつか……確かに素手は無謀だな……ならば、これで行くぜ!」

「なっ⁉」

「こ、これは! ゴメス、頭のモヒカンを外したぞ! と、思ってきたらまたモヒカンが生えてきたぞ! それも外した! また生えた! そして両手にモヒカンを構えたぞ!」

「ど、どういう仕組みなんスか? その髪の毛は……?」

「さあな、知らねえけど、ガキの頃からこういうもんなんだよ! そしてこのモヒカンはこうやって使うんだよ!」

「ぐっ!」

「な、なんと、ゴメス、モヒカンを短剣のように扱っている!」

「只の短剣じゃないっス! 独特の形状をしているから、軌道が予測出来ないっス!」

 ゴメスさんの剣にゲンシンさんが防戦一方になります。

「へへッ、このままじゃ切り刻んじまうぜ~? 降参した方が良いんじゃねえか~?」

「その心配には及ばないっス! 『炎上虎舞』!」

「どわっ⁉」

「おっと! ゲンシンの放った攻撃がゴメスを吹き飛ばした!」

「なっ……炎を纏った虎……⁉」

「そう、ウンガンは鳳凰、そしてオイラは虎の力を借りることが出来るっス!」

「そ、そんなもん反則じゃねえか!」

「モヒカン短剣やドリルリーゼントもなかなかだと思う……っスよ!」

「しまっ! ……間合いに入られた……!」

「『虎牙炎拳』!」

 ゲンシンさんの上下同時に放った拳がゴメスさんの顎を砕き、ゴメスさんは倒れます。

「ゴメス、敗北! 0ポイント!」

「こんなところで手こずっている場合じゃないんだよ! 『稲妻波濤』!」

「おおっと、ブリッツが一度飛び上がってかかとで力強くリングを踏み付けたところ、稲妻の波がリング上を四方八方と駆け抜けた! これは躱せないか!」

「へっ……何っ⁉」

「おおっ! ゲンシンが立ち上がったぞ」

「ば、馬鹿な! 感電したはず!」

「このおっさんの便利な髪をお借りしたっス! この短剣を避雷針代わりにしたっス!」

「そんな馬鹿な! ……もう一人は……いない⁉」

「え⁉」

 ブリッツとゲンシンさんは慌てて周囲を見回します。やや間があって、レイさんがその姿を現します。ブリッツが驚きます。

「なっ⁉ と、透明になっただと⁉」

「チョットシタ“カガク”ダ、キニスルナ……」

「気にするだろ! 何が『魔法>科学』だよ! よっぽど超科学じゃねえか! まずはてめえから片付ける! 喰らえ! 『雷迅脚』!」

 ブリッツの繰り出した蹴りがレイさんに当たったかのように見えました。

「得体のしれない相手っスからね、助太刀させてもらうっス! 『炎爪脚』!」

「ゲンシンも虎と化してレイに迫る!」

 ゲンシンさんの繰り出した攻撃もレイさんに当たったように見えました。

「くっ、手応えがあったはずなのに……」

「倒れないっスね~」

「オンナニヨウシャノナイレンチュウダ……オシオキヲシナケレバナ」

「なっ!」

「お、女⁉」

「『カウンターバースト!』」

「ぐはっ……オ、オレの雷撃を跳ね返しただと……?」

「ブリッツ、敗北! 1ポイント!」

「炎を返してきた……体内に溜め込んでいたんスか? それもう魔法じゃないスか……」

「ゲンシン、敗北! 2ポイント! レイ勝利、3ポイント!」

「レイ! 魔法を超越した超科学で対戦相手を圧倒! これが宇宙人の持つ力か! Dブロック中堅戦はチーム『魔法>科学』が勝利! ……さあ、続いては大将戦です! 各リポーターさん! 選手の意気込みをお願いします!」

「はい……チーム『龍と虎と鳳凰』、ソウリュウ選手! 意気込みをお願いします……」

「特にない……ただ勝つだけだ」

 リポーターさんの問いに、長い黒髪を後ろで一つしばりにした男性が淡々と答えます。

「ソウリュウ選手は大丈夫なのですか?」

「……なにがだ」

「東の大国のやんごとなき御身分であらせられるとか……今回のこの大会への参戦。お国の方々はご承知なのですか?」

「な、何を言っているのか分からんな……余はただの平凡な旅行者に過ぎん……多少武術の覚えがある故に参加しただけのことだ……」

「平凡な旅行者がお召しにならない立派な服かと思いますが……」

 これについてはわたくしや他の方々も同意見で、コロシアム内に妙な空気が流れます。

「ぶ、武術で優れた成績を修めたものに与えられる衣服だ、他意はない!」

「……申し上げにくいのですが……」

「なんだ……?」

「かなり体格で不利な戦いを強いられる恐れがありますが……」

 あらためて拡声器を向けられたその方は口調こそある程度大人びていますが、どこからどう見ても少年のような体つきにしか見えません。袖や裾が余りまくっていて、裾など引き摺ってしまっています。これで体格に優る相手と渡り合えるのでしょうか?他人事ながらとっても不安です。

「つまらんことを聞くな、体格差など大した問題ではない……」

 ソウリュウさんは子供扱いされたことに怒るでもなく、淡々と答えます。

「失礼しました、次、お願いします」

「はい、チーム『魔法>科学』のマイク選手! 意気込みをお願いします!」

「はい! 魔法の素晴らしさを皆さんに知ってもらいたいです!」

 拡声器を向けられた、紺色のローブに身を包み、とんがり帽子を被った、いかにも魔法使いでございますという出で立ちの青年が爽やかに答えます。

「魔法の素晴らしさですか……ただ、お国は科学が大変発達していると聞きますが?」

「科学のことを全て頭ごなしに否定するわけではありません。ですが、それに依存し過ぎるのは危険だと考えています。その点、魔法という概念は、このスオカラテという世界において、古より民に寄り添ってきました。僕……私は今一度魔法というものを見直す必要があると思います。そもそもにおいて……」

「時間の関係もありますので、次、お願いします!」

「は、はい、チーム『怒髪天』のディーディー選手、意気込みをお願いします」

「HAHAHA! ブラザーもシスターもド派手に暴れまくっていたね! 俺も負けずにフィーバーするぜ!」

「フ、フィーバーですか……?」

 黒い大きなアフロヘアの褐色でマッチョな男性のあまりのハイテンションぶりにリポーターさんは若干引き気味になります。

「ああ、俺も暴れまくるぜ、YEAH‼」

「で、ですから、暴れまくられると困るのですが……次、お願いします」

「は~い、チーム『覆面と兄弟』の匿名希望選手? 意気込みをお願い出来ます?」

 ローブを纏い、フードで頭部を覆った人物は覆面で顔を完全に隠しています。

「……」

「あれ~無言?」

「……」

「このままだとチーム敗退しちゃうけど、その辺どう?」

「勝つだけだ……」

「お、しゃべってくれた。それでも正体不明だな~まあ、いいか、お返ししま~す」

「ありがとうございました……さあ、大将戦に臨む4人がリングに上がりました……今、審判が開始の合図を出しました!」

「魔法の素晴らしさ、身を以って知って頂きます! 『氷雨』! 『炎波』!」

「マイクが杖を掲げ、リングに氷の雨を降らせ、炎の波を発生させたぞ!」

「この魔法の組み合わせ! 躱しようがないでしょう!」

「『ボンバーラッシュ』‼」

「⁉」

「おおっと! ディーディー、自分のアフロをおもむろにむしり取り、小さなアフロを次々と弾いて爆発させたぞ! マイクの発生させた氷と炎を無効化させた!」

「俺のアフロは無限に生えては派手に爆発するぜ! まさに取り扱い注意の危険な男ってわけさ! HAHAHA!」

「そ、そんな……」

「ヘイ! ブラザー! しけた面すんなよ! フィーバーしていこうぜ!」

「どわっ⁉」

 アフロ爆弾を喰らったマイクさんはリング外に吹っ飛びました。

「マイク、敗北! 0ポイント!」

「YEAH! どんどん盛り上がっていくぜ!」

「……やかましい奴だな、余が片付けてやろう……」

「ソウリュウが構えを取ったぞ!」

「HAHAHA! チビちゃんに俺の爆弾フルコースが躱せるのかい?」

「躱す必要などない……喰らえば良いだけのことだ」

「ホワッツ⁉」

「ああっと、ソウリュウ、ドラゴンの姿になり、リング上に溢れるアフロ爆弾を片っ端から平らげてしまったぞ!」

「龍のことをドラゴンと言うのか……地域によって呼び名は様々なのだな……」

 ソウリュウさんはドラゴンから人間の姿に戻ります。

「ぐっ……」

「手品……いや、頭品は終わりか? ならば消えろ、『龍王烈火拳』‼」

「OH⁉」

 ディーディーさんはソウリュウさんの拳から放たれた赤いドラゴンのような形状をした衝撃波によってリング外に吹き飛ばされました。

「ディーディー、敗北! 1ポイント!」

「次は覆面、貴様だ!」

「……」

「返事はなしか……気に食わんやつだ、一気に決めるぞ、『龍王烈火拳』‼」

「『水龍』!」

「なっ⁉」

「おあっと! リング上の中央で匿名希望が放った青いドラゴンとソウリュウが放った赤いドラゴンが激しくぶつかり合っているぞ!」

「ぐっ! み、水の龍だと⁉」

「……!」

「どわっ!」

「ソウリュウの赤いドラゴンが吹き飛ばされた!」

「余が負けるとは……水と炎、相性が悪かったとはいえ、消し飛ばすとは……貴様、並みの戦士ではないな……」

「……」

「ふっ、褒めているのだ、礼の一つくらい言え……」

 ソウリュウさんはうつ伏せに倒れこみました。

「ソウリュウ、敗北! 2ポイント! 匿名希望勝利! 3ポイント!」

「……ということは、Dブロック勝者はチーム『龍と虎と鳳凰』、『覆面と兄弟』に決定! 2チームが準決勝に進出です! 準決勝は明日です! 更なる熱戦をご期待下さい‼」

 実況の方の興奮気味なアナウンスに釣られ、会場が大いに沸きます。そうした喧騒をよそにわたくしは静かに目を閉じ、『ポーズ』、『ヘルプ』と唱えます。

                  ♢

「どうされました?」

「……ご覧になっていましたか?」

 わたくしはアヤコさんに尋ねます。

「ああ、すみません、生憎ランチの後のティータイムと重なってしまって……」

「いや、なにを優雅にお茶なんかを飲んでおりますの⁉」

「仕事にはメリハリというものが大事ですから……」

「ま、まあ、それはそうですわね。失礼しました」

「ところで、ご相談はなんでしょうか?」

「明日、準決勝が行われます」

「それは承知しています。Aブロック2位で臨むのですよね?」

「ええ、Bブロックの1位、Cブロックの2位、Dブロックの1位と対戦することになっています。Bブロックの1位に関してはこの後抽選で決めるようですが、現在、対戦することが決まっている相手が、怪力を誇る巨人、その巨人を倒した女番長と封印した、恐らくは魔法学校のエリート学生、さらに、ドラゴンやタイガーやフェニックスの姿に変化出来る、またその力を借りて戦う常識外れの方々なのです……」

「なかなかに個性的な顔ぶれですね」

「一言で片づけないで下さい」

「すみません、立て込んでおりまして……ああ、あの先生からまた相談が……」

「ちょ、ちょっと待って! ど、どうすればよろしいでしょうか⁉」

「……そういう時は己に言い聞かせるのです」

「言い聞かせる?」

「そうですね、例えば……『わたくし、なんだかスッゴいワクワクしますわ!』とか」

「は、はあ……」

「それでは失礼します」

「あ、切れた……『ポーズ解除』」

                  ♢

「全然ワクワクする要素が無いのですが……」

 わたくしはため息交じりに呟きます。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

求めていた俺

メズタッキン
SF
聖川東学園に通う自称「平凡な少年」桐生はクラスメイトの敷島悠斗、白石茜、栗山マナトと共につまらない日常を送っていた。そんなある日、学内トイレにて翠色のコートを羽織った謎の男に出会う。一ノ瀬佑太郎と名乗る男はどういう意図からか桐生に 『他人に触れるとその一切の動きを封じる能力』を与える。桐生はこの能力を駆使して、学園界隈で多発している学生襲撃事件の真相の解明及び事件解決に乗り出すことになる。こうして少年桐生の戦いの伝説は始まったのだ。

【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。

ファンタジー
「婚約者であるニーナと誓いの破棄を望みます。あの女は何もせずのうのうと暮らしていた役立たずだ」 実力主義者のホリックは魔王討伐戦を終結させた褒美として国王に直談判する。どうやら戦争中も優雅に暮らしていたニーナを嫌っており、しかも戦地で出会った聖女との結婚を望んでいた。英雄となった自分に酔いしれる彼の元に、それまで苦楽を共にした仲間たちが寄ってきて…… 「「「ならば我々も失礼させてもらいましょう」」」 信頼していた部下たちは唐突にホリックの元を去っていった。 微ざまぁあり。

【完結】聖女が性格良いと誰が決めたの?

仲村 嘉高
ファンタジー
子供の頃から、出来の良い姉と可愛い妹ばかりを優遇していた両親。 そしてそれを当たり前だと、主人公を蔑んでいた姉と妹。 「出来の悪い妹で恥ずかしい」 「姉だと知られたくないから、外では声を掛けないで」 そう言ってましたよね? ある日、聖王国に神のお告げがあった。 この世界のどこかに聖女が誕生していたと。 「うちの娘のどちらかに違いない」 喜ぶ両親と姉妹。 しかし教会へ行くと、両親や姉妹の予想と違い、聖女だと選ばれたのは「出来損ない」の次女で……。 因果応報なお話(笑) 今回は、一人称です。

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

処理中です...