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『ケース1:Dランク異世界でのまったりとしたスローライフを希望するCランク勇者ショー=ロークの場合』
第2話(3)おしゃれアイテムわりと重要
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アパネの活躍によってゴブリンの襲撃を退けることが出来た俺たちは再び進み始める。荷台でスティラとアパネが向かい合って座り、話をしている。
「動物と会話が出来るのですね……」
「獣人だからね、大体の動物とは意志疎通することが出来るよ。エルフは出来ないの?」
「例えば鳥と会話出来る部族もいると聞いたことがありますが、少なくともわたくしの知っている範囲ではいませんね……」
「へ~色々あるんだね」
「つまりさっきは馬にわざと倒れるように指示したと……」
「なかなかの演技派だったね、賢い子だ」
そう言ってアパネは笑う。スティラが不機嫌そうに呟く。
「大事な馬車なのですから、あまり無茶はさせないで下さい……」
「ええ~壊れてもなんか修理の魔法! とかでパパッと直せるでしょ?」
「そんな便利な魔法ありません!」
「そうなんだ、魔法のことはよくわかんないや」
ハハっと笑うアパネに俺は振り返って問う。
「獣人族は魔法を使わないのですか?」
「使える部族もいるって話だけど、ボクの周りでは使っている獣人を見たことがないや。だって、ボクらにはこれとこれがあるからね」
アパネは手と口を開いて見せてくる。鋭い爪と牙がきらりと光る。成程、それに先程ゴブリンとの間合いを一瞬で詰めた際に見せたあのスピード、倒れた馬車を片手であっさりと起こしたパワー、たとえ魔法が無くても十分だということか。
「ショー様、御者を代わりましょうか?」
スティラが俺に語り掛けてくる。
「いや、大丈夫。もう日も暮れましたし、危ないですから」
「しかし、朝からずっとではありませんか」
「休憩は取っていますし……それに、そろそろ到着するのでしょう?」
「うん、もうすぐボクの村だよ」
俺の問いにアパネは頷く。彼女の言った通り、すぐに建物群が見えてきた。あれが獣人族の村か。しかし、どこか様子がおかしい。灯りがほとんど灯っていない。
「あれは……?」
「!」
俺と同様に異変を感じたアパネが荷台から思いっ切りジャンプする。凄い身体能力だ。彼女は地面に着地すると、その勢いのまま自らの村に駆け込む。
「皆! どうしたの⁉」
俺たちも村の入り口付近に馬車を停めて降車し、周囲を見渡して村の様子を伺う。アパネと同じ狼の獣人たちが苦しみながらそこら中に倒れ込んでいる。
「こ、これは……?」
「おばさん! 何があったの⁉」
アパネは近くに倒れていた女性に駆け寄って抱き起こす。
「ううっ……」
女性は呻き声を上げるだけで、まともに返事をすることが出来ない。
「待って下さい! 触らない方が良いです!」
俺の後から続いてきたスティラがアパネに声を掛ける。
「そんな!」
「スティラ! なにか分かるのですか⁉」
「医学に明るいわけではないのですが……見たところこの感じは感染症や伝染病の類ともまた違うような印象を受けます……」
スティラが周りで倒れている何人かの獣人を覗き込んで、冷静に自分の考えを述べる。
「じゃあなんだって言うのさ!」
「落ち着いて! スティラ、どうでしょうか?」
俺は苛立つアパネを宥め、スティラに改めて見解を問う。
「……毒系統の魔法を受けた際と似たような症状が見られますね」
「毒⁉」
「なかなか鋭いじゃないか……」
「! 誰だ⁉」
俺たちの視線の先には茶色いローブを身に纏った、黒髪でさらに顔の下半分をマスクで隠した小柄な男が立っている。
「彼らには俺の術の実験台になってもらったよ……」
「術だと……?」
「貴方、その風体……蠱術者(こじゅつしゃ)ですね?」
「またまた察しが良いな、流石はエルフ、賢い種族だな」
スティラの言葉に男がククっと小さく笑い声を上げる。俺はスティラに尋ねる。
「蠱術者とは一体?」
「蠱術……百種の虫を集め、併せて器の中に入れ、互いに喰らわせ、最後の一種に残ったものを留める。そこで生まれた毒を採取し、様々な呪いに用いる術です。彼はその術に精通した一族の人間です」
「人間⁉」
「ええ、ただその術のおぞましさから人間だけでなく他種族からも忌み嫌われています」
「おいおい、随分はっきりと言ってくれるな……」
男は首を竦める。
「……なんだかよく分からないんだけどさ!」
アパネがスティラの方を向いて叫ぶ。
「要はアイツの仕業ってことで良いんだよね⁉」
「え、ええ……そのようです」
「なら落とし前はキッチリつけさせてもらうよ!」
アパネが男に猛然と飛び掛かる。
「おっと!」
「⁉ ぐっ!」
男が懐から取り出した小箱を開けると、アパネがジャンプの途中で地面に落下し、鼻を抑えて悶絶する。俺は事態をよく飲み込めなかった。
「な、なんだ⁉」
「ショー様! この臭いを嗅いだり吸ったりしてはいけません!」
スティラに言われた通り、俺は慌ててマフラーを使い、鼻と口元を隠す。
「幾度となく繰り返した蠱術の過程で育まれた毒の霧だ……風に乗って、この村やその周囲をあっという間に覆い尽くす……獣人は鼻が利くからな、それが仇となったな」
男は目の前に倒れ込んでいるアパネを蹴り飛ばす。
「ぐっ!」
「ううっ……」
「エルフのお前も苦しそうだな、両手で隠した位じゃ、この毒霧は防ぎきれないぞ」
スティラも持っていた杖を落とし、両膝を突く。なんてこった、これで満足に動けるのは俺だけか。え? 俺だけ? なんで?
「……? お前、人間だよな? 何故お前だけ平然と立っていられる?」
男も不思議そうに首を傾げる。俺はアヤコとの会話を思い出す。
「初期装備の剣や盾ですが……」
「別にシンプルなもので良いよ」
面談にすっかり飽きていた俺はアヤコの質問に適当に答える。
「……では、続いてアクセサリーですが……」
「え? 首飾りとかか? いらない、いらない!」
「……こちらの緑のマフラーなどはどうでしょう?」
「ああ、良いね、エコロジーだよ。スローライフにピッタリだ。じゃあそれで」
「かしこまりました。では、一応ご説明させて頂きます、このマフラーはある程度まで状態異常の魔法などを緩和させることが出来ます……って聞いていませんね」
「よっしゃあ!」
俺は思わずガッツポーズを取ってしまう。よく聞いてなかったけど思い出したぜ。これは初めてあいつに感謝しなきゃならないな。少し癪だけど。
「動物と会話が出来るのですね……」
「獣人だからね、大体の動物とは意志疎通することが出来るよ。エルフは出来ないの?」
「例えば鳥と会話出来る部族もいると聞いたことがありますが、少なくともわたくしの知っている範囲ではいませんね……」
「へ~色々あるんだね」
「つまりさっきは馬にわざと倒れるように指示したと……」
「なかなかの演技派だったね、賢い子だ」
そう言ってアパネは笑う。スティラが不機嫌そうに呟く。
「大事な馬車なのですから、あまり無茶はさせないで下さい……」
「ええ~壊れてもなんか修理の魔法! とかでパパッと直せるでしょ?」
「そんな便利な魔法ありません!」
「そうなんだ、魔法のことはよくわかんないや」
ハハっと笑うアパネに俺は振り返って問う。
「獣人族は魔法を使わないのですか?」
「使える部族もいるって話だけど、ボクの周りでは使っている獣人を見たことがないや。だって、ボクらにはこれとこれがあるからね」
アパネは手と口を開いて見せてくる。鋭い爪と牙がきらりと光る。成程、それに先程ゴブリンとの間合いを一瞬で詰めた際に見せたあのスピード、倒れた馬車を片手であっさりと起こしたパワー、たとえ魔法が無くても十分だということか。
「ショー様、御者を代わりましょうか?」
スティラが俺に語り掛けてくる。
「いや、大丈夫。もう日も暮れましたし、危ないですから」
「しかし、朝からずっとではありませんか」
「休憩は取っていますし……それに、そろそろ到着するのでしょう?」
「うん、もうすぐボクの村だよ」
俺の問いにアパネは頷く。彼女の言った通り、すぐに建物群が見えてきた。あれが獣人族の村か。しかし、どこか様子がおかしい。灯りがほとんど灯っていない。
「あれは……?」
「!」
俺と同様に異変を感じたアパネが荷台から思いっ切りジャンプする。凄い身体能力だ。彼女は地面に着地すると、その勢いのまま自らの村に駆け込む。
「皆! どうしたの⁉」
俺たちも村の入り口付近に馬車を停めて降車し、周囲を見渡して村の様子を伺う。アパネと同じ狼の獣人たちが苦しみながらそこら中に倒れ込んでいる。
「こ、これは……?」
「おばさん! 何があったの⁉」
アパネは近くに倒れていた女性に駆け寄って抱き起こす。
「ううっ……」
女性は呻き声を上げるだけで、まともに返事をすることが出来ない。
「待って下さい! 触らない方が良いです!」
俺の後から続いてきたスティラがアパネに声を掛ける。
「そんな!」
「スティラ! なにか分かるのですか⁉」
「医学に明るいわけではないのですが……見たところこの感じは感染症や伝染病の類ともまた違うような印象を受けます……」
スティラが周りで倒れている何人かの獣人を覗き込んで、冷静に自分の考えを述べる。
「じゃあなんだって言うのさ!」
「落ち着いて! スティラ、どうでしょうか?」
俺は苛立つアパネを宥め、スティラに改めて見解を問う。
「……毒系統の魔法を受けた際と似たような症状が見られますね」
「毒⁉」
「なかなか鋭いじゃないか……」
「! 誰だ⁉」
俺たちの視線の先には茶色いローブを身に纏った、黒髪でさらに顔の下半分をマスクで隠した小柄な男が立っている。
「彼らには俺の術の実験台になってもらったよ……」
「術だと……?」
「貴方、その風体……蠱術者(こじゅつしゃ)ですね?」
「またまた察しが良いな、流石はエルフ、賢い種族だな」
スティラの言葉に男がククっと小さく笑い声を上げる。俺はスティラに尋ねる。
「蠱術者とは一体?」
「蠱術……百種の虫を集め、併せて器の中に入れ、互いに喰らわせ、最後の一種に残ったものを留める。そこで生まれた毒を採取し、様々な呪いに用いる術です。彼はその術に精通した一族の人間です」
「人間⁉」
「ええ、ただその術のおぞましさから人間だけでなく他種族からも忌み嫌われています」
「おいおい、随分はっきりと言ってくれるな……」
男は首を竦める。
「……なんだかよく分からないんだけどさ!」
アパネがスティラの方を向いて叫ぶ。
「要はアイツの仕業ってことで良いんだよね⁉」
「え、ええ……そのようです」
「なら落とし前はキッチリつけさせてもらうよ!」
アパネが男に猛然と飛び掛かる。
「おっと!」
「⁉ ぐっ!」
男が懐から取り出した小箱を開けると、アパネがジャンプの途中で地面に落下し、鼻を抑えて悶絶する。俺は事態をよく飲み込めなかった。
「な、なんだ⁉」
「ショー様! この臭いを嗅いだり吸ったりしてはいけません!」
スティラに言われた通り、俺は慌ててマフラーを使い、鼻と口元を隠す。
「幾度となく繰り返した蠱術の過程で育まれた毒の霧だ……風に乗って、この村やその周囲をあっという間に覆い尽くす……獣人は鼻が利くからな、それが仇となったな」
男は目の前に倒れ込んでいるアパネを蹴り飛ばす。
「ぐっ!」
「ううっ……」
「エルフのお前も苦しそうだな、両手で隠した位じゃ、この毒霧は防ぎきれないぞ」
スティラも持っていた杖を落とし、両膝を突く。なんてこった、これで満足に動けるのは俺だけか。え? 俺だけ? なんで?
「……? お前、人間だよな? 何故お前だけ平然と立っていられる?」
男も不思議そうに首を傾げる。俺はアヤコとの会話を思い出す。
「初期装備の剣や盾ですが……」
「別にシンプルなもので良いよ」
面談にすっかり飽きていた俺はアヤコの質問に適当に答える。
「……では、続いてアクセサリーですが……」
「え? 首飾りとかか? いらない、いらない!」
「……こちらの緑のマフラーなどはどうでしょう?」
「ああ、良いね、エコロジーだよ。スローライフにピッタリだ。じゃあそれで」
「かしこまりました。では、一応ご説明させて頂きます、このマフラーはある程度まで状態異常の魔法などを緩和させることが出来ます……って聞いていませんね」
「よっしゃあ!」
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