45 / 51
第一章
第11話(4) ファイブリスペクト
しおりを挟む自好さんと見放ちゃんと無子で遊ぶことが少し珍しくなってきたある日、自好さんと見放ちゃんはシーシャをしに行くと言って終電ギリギリの駅前で帰ろうとしていた無子に伝えた。
無子はシーシャにいいイメージを持っていなかったので行くか悩んでいると、自好さんが、
「行きたくないなら来なければいい。」
と言った。
多分、無子がちょくちょく出す自分の時間を台無しにされた時の不機嫌な態度を見たくなかったからだろう。
だから無子は酔って少し足がおぼつかない2人を背に電車に乗り、家に帰った。
けど、一人暮らしで同い年の見放ちゃんの安否が不安でメッセージや自好さんのことが好きな男性とそのことで少し電話していると、すぐに自好さんからそのことについて電話が来た。
向こうからしたら余計なお世話で、過保護過ぎると言って自好さんと見放ちゃんに無子はキレられた。
その中で自好さんはそういう話をするなら私たちのことを知らない友達にしろと言ったので、無子は高校卒業しても繋がりがあった面倒ちゃんに話した。
けど、それから面倒ちゃんは連絡をくれなくなった。
きっと別世界の人になったとか思ってしまったのか、単に無子とのメッセージが面倒になってしまったのか。
それは面倒ちゃん本人しか知らないけれど、無子の友達がふわっと1人いなくなったのは事実。
無子はやっぱり“友達”という関係性を構築するのがど下手くそですぐに壊れる。
だからその次の日、自好さんと見放ちゃんに会うと昔されたいじめレベルの素っ気なさで会話をされて無子はもう2人との関係がだるくなった。
無子はそれで2人の関係も終わり、学校では1人でいいやと腹をくくっていると自好さんに名前を呼ばれたのでその場に行く。
「何?」
「『何?』じゃなくね?」
無子はその語尾の強い自好さんが嫌になる。
「なんで私たちに構うの?親じゃあるまいし。」
「そうだよ。そういうのうざったい。」
…はあ。
もういいって。
無子はそう思い、もういいと言って2人との会話を辞めてその場からいなくなろうとすると、自好さんが、
「ぶつかれよ。なんでぶつかってこないの?」
と、怒ってきた。
無子はその意味が分からずに困惑する。
だって、私が面倒くさいから2人はイラついてるんだよね?
だったら一緒にいないっていうのが賢明な考えじゃない?
「ぶつかる意味がなくない?」
無子は意味を見出せない喧嘩を早く終わらせたくて本音を伝える。
すると、見放ちゃんが、
「私にああいうメッセージ送らないで。無子は私のこと下に見てるんだろうけど、私も一応大人だから。」
と言った。
きっとここで2人との関係性を終わらせていれば、面倒くさい関係性を続けなくてよかったのかもしれない。
けど、初めての彼氏にも出会うことはなかった。
だから2人には夜遊びと女っぷりを教えてくれたことを感謝してるよ。
そんな脆い友情関係を繋ぎとめた無子は秋にちょっとした運命的な出会いをした。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
無子はシーシャにいいイメージを持っていなかったので行くか悩んでいると、自好さんが、
「行きたくないなら来なければいい。」
と言った。
多分、無子がちょくちょく出す自分の時間を台無しにされた時の不機嫌な態度を見たくなかったからだろう。
だから無子は酔って少し足がおぼつかない2人を背に電車に乗り、家に帰った。
けど、一人暮らしで同い年の見放ちゃんの安否が不安でメッセージや自好さんのことが好きな男性とそのことで少し電話していると、すぐに自好さんからそのことについて電話が来た。
向こうからしたら余計なお世話で、過保護過ぎると言って自好さんと見放ちゃんに無子はキレられた。
その中で自好さんはそういう話をするなら私たちのことを知らない友達にしろと言ったので、無子は高校卒業しても繋がりがあった面倒ちゃんに話した。
けど、それから面倒ちゃんは連絡をくれなくなった。
きっと別世界の人になったとか思ってしまったのか、単に無子とのメッセージが面倒になってしまったのか。
それは面倒ちゃん本人しか知らないけれど、無子の友達がふわっと1人いなくなったのは事実。
無子はやっぱり“友達”という関係性を構築するのがど下手くそですぐに壊れる。
だからその次の日、自好さんと見放ちゃんに会うと昔されたいじめレベルの素っ気なさで会話をされて無子はもう2人との関係がだるくなった。
無子はそれで2人の関係も終わり、学校では1人でいいやと腹をくくっていると自好さんに名前を呼ばれたのでその場に行く。
「何?」
「『何?』じゃなくね?」
無子はその語尾の強い自好さんが嫌になる。
「なんで私たちに構うの?親じゃあるまいし。」
「そうだよ。そういうのうざったい。」
…はあ。
もういいって。
無子はそう思い、もういいと言って2人との会話を辞めてその場からいなくなろうとすると、自好さんが、
「ぶつかれよ。なんでぶつかってこないの?」
と、怒ってきた。
無子はその意味が分からずに困惑する。
だって、私が面倒くさいから2人はイラついてるんだよね?
だったら一緒にいないっていうのが賢明な考えじゃない?
「ぶつかる意味がなくない?」
無子は意味を見出せない喧嘩を早く終わらせたくて本音を伝える。
すると、見放ちゃんが、
「私にああいうメッセージ送らないで。無子は私のこと下に見てるんだろうけど、私も一応大人だから。」
と言った。
きっとここで2人との関係性を終わらせていれば、面倒くさい関係性を続けなくてよかったのかもしれない。
けど、初めての彼氏にも出会うことはなかった。
だから2人には夜遊びと女っぷりを教えてくれたことを感謝してるよ。
そんな脆い友情関係を繋ぎとめた無子は秋にちょっとした運命的な出会いをした。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。
7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】
しんの(C.Clarté)
歴史・時代
15世紀、狂王と淫妃の間に生まれた10番目の子が王位を継ぐとは誰も予想しなかった。兄王子の連続死で、不遇な王子は14歳で王太子となり、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。「恩人ジャンヌ・ダルクを見捨てた暗愚」と貶される一方で、「建国以来、戦乱の絶えなかった王国にはじめて平和と正義と秩序をもたらした名君」と評価されるフランス王シャルル七世の少年時代の物語。
歴史に残された記述と、筆者が受け継いだ記憶をもとに脚色したフィクションです。
【カクヨムコン7中間選考通過】【アルファポリス第7回歴史・時代小説大賞、読者投票4位】【講談社レジェンド賞最終選考作】
※表紙絵は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。
※重複投稿しています。
カクヨム:https://kakuyomu.jp/works/16816927859447599614
小説家になろう:https://ncode.syosetu.com/n9199ey/
異世界にクラス転移したら全員ハズレスキルを持たされた
アタラクシア
ファンタジー
人生で数度もない貴重なイベントである修学旅行。この風鈴高校に通う二年二組の生徒たちも、長い間待ち望んでいた修学旅行に胸を躍らせていた。
はしゃぐバスの中――突然周りが黒く染まり、生徒たちは下へ下へと落下してしまう。
目が覚め、見えた景色は――現実の法則が意味をなさない、まさに『異世界』であった。
クラス全員ハズレスキル!?前代未聞の異世界転移に少年少女らは立ち向かう。
――根源に至る『四騎士』
――世界征服を企む『ナイトメア』
――新世界を作ろうとする『ネビュラ教』
異世界の様々な情勢に振り回されながらも奔走する。目指すは「クラスメイト全員の合流」と「元世界への帰還」。
はたして彼らは全員合流し、元の世界へと帰れるのか。
長くも奇妙な修学旅行が今始まる――。




いや、婿を選べって言われても。むしろ俺が立候補したいんだが。
SHO
歴史・時代
時は戦国末期。小田原北条氏が豊臣秀吉に敗れ、新たに徳川家康が関八州へ国替えとなった頃のお話。
伊豆国の離れ小島に、弥五郎という一人の身寄りのない少年がおりました。その少年は名刀ばかりを打つ事で有名な刀匠に拾われ、弟子として厳しく、それは厳しく、途轍もなく厳しく育てられました。
そんな少年も齢十五になりまして、師匠より独立するよう言い渡され、島を追い出されてしまいます。
さて、この先の少年の運命やいかに?
剣術、そして恋が融合した痛快エンタメ時代劇、今開幕にございます!
*この作品に出てくる人物は、一部実在した人物やエピソードをモチーフにしていますが、モチーフにしているだけで史実とは異なります。空想時代活劇ですから!
*この作品はノベルアップ+様に掲載中の、「いや、婿を選定しろって言われても。だが断る!」を改題、改稿を経たものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる