43 / 51
第一章
第11話(2) 蹴鞠、好きかい?
しおりを挟む
「助けにきたぞ! マイメン!」
「白鳳くん! ウェーイ!」
平成と白鳳は笑顔で互いの拳を突き合わせる。古墳が首を傾げる。
「マイメン? なんのこっちゃ?」
「『ズッ友』みたいなもんですよ」
「いや、もっと分からんから……」
「ところで飛鳥さん、よく来てくれましたね?」
「助けを呼ぶ声が聞こえたからね……聞き分けの良い耳だから」
飛鳥は左手を左耳に当てる。旧石器が声を上げる。
「俺が再三送った救援要請は聞こえていなかったじゃないか! 大方縄文が頼んだから来たんだろう⁉ 女の声しか聞き分けないのやめろ!」
「ふふっ……」
「笑って誤魔化すなよ! 俺にはアルカイックスマイルとやらは通用しないぞ!」
「さ、流石、仏教伝来前の時代の方やな……」
古墳が苦笑する。しばらく黙っていた白が口を開く。
「時代がいくら増えようと同じこと……白く塗ってしまえ!」
白が手を掲げると、白い人影たちが再び平成たちに迫る。古墳が慌てる。
「うわっ! またなんか来よった!」
「まずは古墳を優先的に狙え!」
「なんでそうなるんや⁉ うおっ⁉ し、しまった……」
距離を取ろうとした古墳がつまずき、体勢を崩してしまう。そこに影が殺到する。
「はっ!」
「⁉」
飛鳥が刀を振るい、古墳に迫る影を薙ぎ払う。平成が目を丸くする。
「反りがない直刀だ……日本刀とはちょっと違うな……」
「『上古刀(じょうことう)』と言われているものだ」
平成の呟きに白鳳が答える。古墳が飛鳥に声をかける。
「あ、飛鳥……まさか自分がわを助けてくれるとは……」
「ふふっ……貴方さまとは同棲していたようなものだからね」
「! なんですって……」
白鳳が古墳に対し、射抜くような視線を向ける。
「お、同じ奈良県の明日香村や橿原市や桜井市辺りに宮……いわゆる宮殿を構えていただけやろ! 妙な誤解を招く言い方はやめろや!」
古墳が釈明する。
「……」
影たちが各々体勢を立て直す。飛鳥が刀を構えながら呟く。
「この『七星剣(しちせいけん)』の錆にしてあげようかと思ったけど、難しいようだね……」
「七星剣?」
「刀身に北斗七星が刻み込まれている。聖徳太子さまも同様の刀を佩いていた」
「聖徳太子と同じ⁉ プレミアもんじゃん!」
「それはまあ……国宝だからな」
平成の言葉に白鳳が呆れ気味に答える。
「戦い方を変える必要性がありそうだね……白鳳!」
「はっ!」
飛鳥の声に応じ、白鳳が鞠を投げる。
「えっ⁉ 鞠?」
「よっと」
刀を納めた飛鳥が飛んできた鞠を足の甲で器用に操る。平成が感心する。
「へえ、上手いもんだな……」
「……行くぞ!」
「⁉」
飛鳥は鞠を地面に落とさないようにしながら、影たちに向かっていく。平成が戸惑う。
「ど、どうする気だ⁉」
「鞠を持ったら、皆が全て自分を見ていると思いたまえ……」
「え?」
飛鳥の言葉に平成は首を傾げる。
「そして一歩でも鞠をゴールに近づけるのだ……」
「い、いや、ゴールって!」
平成が困惑する。
「な、なんだと⁉」
「さ、さすがは飛鳥さま! 『11体抜き』!」
白が驚き、白鳳が感嘆とする。
「それ!」
「むっ⁉」
影を11体かわした飛鳥は最後に白に向かって鞠を蹴り上げる。白は反応しきれず、鞠を蹴り返すことが出来ない。鞠は地面に転がり、11体の影が消える。白鳳が歓声を上げる。
「やった! 決まったぞ! 平成!」
「白鳳くん、決まったって⁉ 一体何を以て⁉」
「平成くん……蹴鞠好きかい?」
「俺の知っている蹴鞠と大分違う気がするんですけど⁉」
平成に向かって微笑むと、飛鳥は倒れ込む。白鳳が叫ぶ。
「飛鳥さま!」
「す、少し力を使い過ぎたようだ。ちょっと休ませてもらうよ……」
「分かりました! 影も半分以上減りましたし、後は我々にお任せを!」
「ちっ、連中を黙らせろ!」
白が指示を出すと、残りの白い影が平成たちに向き直る。平成が声をかける。
「旧石器さん! また召喚は出来ないですか⁉」
「あれはかなり力を消費するんだよ。そんなに連続では出来ない!」
「くっ……ここは俺と白鳳くんでなんとかするしかねえか!」
「わにはなにも聞かへんのかい!」
古墳が不満そうに声を上げる。
「向こうは古墳さんを優先的に狙っているみたいなんで、下がっていてください!」
「ほ、ほうか……」
「待て、気を逸らすという手もあるのではないか?」
「というと?」
「乙巳の変では、『蘇我石川麻呂(そがのいしかわまろ)』が上表文を読んで蘇我入鹿の気を引いた……」
「ああ……」
白鳳の言葉に平成は頷く。古墳が首を振る。
「いや、それは汗をかき過ぎて入鹿に察知されかけたやつやん! 気を引けてないやん!」
「しょうがないなあ……」
「わがままをおっしゃる……」
「わがままってなんやねん! 先輩に敬意を持てや!」
「む!」
白鳳たちが影に囲まれる。白鳳が刀を取り出す。平成が止める。
「待った! 刀は通用しないぜ!」
「ではどうするのだ⁉」
「まじないを使う!」
「平成! まじないを使えるのか⁉」
「ああ……『トゥーゴーパーソナルリストレットベンティーツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノ』!」
「よ、よくそんな長い呪文を……はっ! 笏か!」
「ああ、飛鳥さんにもらった笏の裏面に紙を貼り付けておいた! 現代でも神主さんはカンペ代わりに使うって言うからな!」
平成は懐から取り出した笏を白鳳に見せる。古墳が尋ねる。
「それで今のは何の呪文やねん!」
「スタバでの最長注文です!」
「はっ⁉ スタバ⁉」
「有名なコーヒーチェーンです!」
「呪文ちゃうやないか!」
「もはやこの長さは呪文みたいなもんでしょう!」
やや戸惑って動きを止めていた影が動き出す。古墳が叫ぶ。
「効いとらんやないか!」
「あれ、おかしいな?」
平成は不思議そうに首を捻る。
「おかしいと思う方がおかしいわ!」
「くっ……」
「白鳳!」
「飛鳥さま! 回復されたのですね!」
「ああ! 影にはこれだよ!」
飛鳥が何かを召喚する。それを見て白鳳は頷き、召喚する。そこには四体の仏像が現れる。
「『薬師寺金堂薬師三尊像』!」
「『飛鳥寺釈迦如来坐像(あすかでらしゃかにょらいざぞう(飛鳥大仏(あすかだいぶつ))』!」
「こ、これは……⁉」
「それぞれの文化を代表する金銅仏だ!」
「この眩い輝きを以てすれば、影を覆い尽くせるはずだよ!」
「‼」
飛鳥の言葉通り、仏像の輝きによって、残っていた白い影が消滅する。平成が叫ぶ。
「や、やった!」
「くっ、まだだ!」
「なに⁉」
白が両手を掲げると、巨大な白い影が数体現れる。人型ではなく、巨大なものである。
「この巨大な影なら覆いつくせまい!」
「……まるで魔物だな」
「魔物を討つというのならば我らの出番だろう」
「源くん! 平くん!」
鎧兜に身を包んだ源と平が駆け付ける。
「白鳳くん! ウェーイ!」
平成と白鳳は笑顔で互いの拳を突き合わせる。古墳が首を傾げる。
「マイメン? なんのこっちゃ?」
「『ズッ友』みたいなもんですよ」
「いや、もっと分からんから……」
「ところで飛鳥さん、よく来てくれましたね?」
「助けを呼ぶ声が聞こえたからね……聞き分けの良い耳だから」
飛鳥は左手を左耳に当てる。旧石器が声を上げる。
「俺が再三送った救援要請は聞こえていなかったじゃないか! 大方縄文が頼んだから来たんだろう⁉ 女の声しか聞き分けないのやめろ!」
「ふふっ……」
「笑って誤魔化すなよ! 俺にはアルカイックスマイルとやらは通用しないぞ!」
「さ、流石、仏教伝来前の時代の方やな……」
古墳が苦笑する。しばらく黙っていた白が口を開く。
「時代がいくら増えようと同じこと……白く塗ってしまえ!」
白が手を掲げると、白い人影たちが再び平成たちに迫る。古墳が慌てる。
「うわっ! またなんか来よった!」
「まずは古墳を優先的に狙え!」
「なんでそうなるんや⁉ うおっ⁉ し、しまった……」
距離を取ろうとした古墳がつまずき、体勢を崩してしまう。そこに影が殺到する。
「はっ!」
「⁉」
飛鳥が刀を振るい、古墳に迫る影を薙ぎ払う。平成が目を丸くする。
「反りがない直刀だ……日本刀とはちょっと違うな……」
「『上古刀(じょうことう)』と言われているものだ」
平成の呟きに白鳳が答える。古墳が飛鳥に声をかける。
「あ、飛鳥……まさか自分がわを助けてくれるとは……」
「ふふっ……貴方さまとは同棲していたようなものだからね」
「! なんですって……」
白鳳が古墳に対し、射抜くような視線を向ける。
「お、同じ奈良県の明日香村や橿原市や桜井市辺りに宮……いわゆる宮殿を構えていただけやろ! 妙な誤解を招く言い方はやめろや!」
古墳が釈明する。
「……」
影たちが各々体勢を立て直す。飛鳥が刀を構えながら呟く。
「この『七星剣(しちせいけん)』の錆にしてあげようかと思ったけど、難しいようだね……」
「七星剣?」
「刀身に北斗七星が刻み込まれている。聖徳太子さまも同様の刀を佩いていた」
「聖徳太子と同じ⁉ プレミアもんじゃん!」
「それはまあ……国宝だからな」
平成の言葉に白鳳が呆れ気味に答える。
「戦い方を変える必要性がありそうだね……白鳳!」
「はっ!」
飛鳥の声に応じ、白鳳が鞠を投げる。
「えっ⁉ 鞠?」
「よっと」
刀を納めた飛鳥が飛んできた鞠を足の甲で器用に操る。平成が感心する。
「へえ、上手いもんだな……」
「……行くぞ!」
「⁉」
飛鳥は鞠を地面に落とさないようにしながら、影たちに向かっていく。平成が戸惑う。
「ど、どうする気だ⁉」
「鞠を持ったら、皆が全て自分を見ていると思いたまえ……」
「え?」
飛鳥の言葉に平成は首を傾げる。
「そして一歩でも鞠をゴールに近づけるのだ……」
「い、いや、ゴールって!」
平成が困惑する。
「な、なんだと⁉」
「さ、さすがは飛鳥さま! 『11体抜き』!」
白が驚き、白鳳が感嘆とする。
「それ!」
「むっ⁉」
影を11体かわした飛鳥は最後に白に向かって鞠を蹴り上げる。白は反応しきれず、鞠を蹴り返すことが出来ない。鞠は地面に転がり、11体の影が消える。白鳳が歓声を上げる。
「やった! 決まったぞ! 平成!」
「白鳳くん、決まったって⁉ 一体何を以て⁉」
「平成くん……蹴鞠好きかい?」
「俺の知っている蹴鞠と大分違う気がするんですけど⁉」
平成に向かって微笑むと、飛鳥は倒れ込む。白鳳が叫ぶ。
「飛鳥さま!」
「す、少し力を使い過ぎたようだ。ちょっと休ませてもらうよ……」
「分かりました! 影も半分以上減りましたし、後は我々にお任せを!」
「ちっ、連中を黙らせろ!」
白が指示を出すと、残りの白い影が平成たちに向き直る。平成が声をかける。
「旧石器さん! また召喚は出来ないですか⁉」
「あれはかなり力を消費するんだよ。そんなに連続では出来ない!」
「くっ……ここは俺と白鳳くんでなんとかするしかねえか!」
「わにはなにも聞かへんのかい!」
古墳が不満そうに声を上げる。
「向こうは古墳さんを優先的に狙っているみたいなんで、下がっていてください!」
「ほ、ほうか……」
「待て、気を逸らすという手もあるのではないか?」
「というと?」
「乙巳の変では、『蘇我石川麻呂(そがのいしかわまろ)』が上表文を読んで蘇我入鹿の気を引いた……」
「ああ……」
白鳳の言葉に平成は頷く。古墳が首を振る。
「いや、それは汗をかき過ぎて入鹿に察知されかけたやつやん! 気を引けてないやん!」
「しょうがないなあ……」
「わがままをおっしゃる……」
「わがままってなんやねん! 先輩に敬意を持てや!」
「む!」
白鳳たちが影に囲まれる。白鳳が刀を取り出す。平成が止める。
「待った! 刀は通用しないぜ!」
「ではどうするのだ⁉」
「まじないを使う!」
「平成! まじないを使えるのか⁉」
「ああ……『トゥーゴーパーソナルリストレットベンティーツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノ』!」
「よ、よくそんな長い呪文を……はっ! 笏か!」
「ああ、飛鳥さんにもらった笏の裏面に紙を貼り付けておいた! 現代でも神主さんはカンペ代わりに使うって言うからな!」
平成は懐から取り出した笏を白鳳に見せる。古墳が尋ねる。
「それで今のは何の呪文やねん!」
「スタバでの最長注文です!」
「はっ⁉ スタバ⁉」
「有名なコーヒーチェーンです!」
「呪文ちゃうやないか!」
「もはやこの長さは呪文みたいなもんでしょう!」
やや戸惑って動きを止めていた影が動き出す。古墳が叫ぶ。
「効いとらんやないか!」
「あれ、おかしいな?」
平成は不思議そうに首を捻る。
「おかしいと思う方がおかしいわ!」
「くっ……」
「白鳳!」
「飛鳥さま! 回復されたのですね!」
「ああ! 影にはこれだよ!」
飛鳥が何かを召喚する。それを見て白鳳は頷き、召喚する。そこには四体の仏像が現れる。
「『薬師寺金堂薬師三尊像』!」
「『飛鳥寺釈迦如来坐像(あすかでらしゃかにょらいざぞう(飛鳥大仏(あすかだいぶつ))』!」
「こ、これは……⁉」
「それぞれの文化を代表する金銅仏だ!」
「この眩い輝きを以てすれば、影を覆い尽くせるはずだよ!」
「‼」
飛鳥の言葉通り、仏像の輝きによって、残っていた白い影が消滅する。平成が叫ぶ。
「や、やった!」
「くっ、まだだ!」
「なに⁉」
白が両手を掲げると、巨大な白い影が数体現れる。人型ではなく、巨大なものである。
「この巨大な影なら覆いつくせまい!」
「……まるで魔物だな」
「魔物を討つというのならば我らの出番だろう」
「源くん! 平くん!」
鎧兜に身を包んだ源と平が駆け付ける。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【18禁】「巨根と牝馬と人妻」 ~ 古典とエロのコラボ ~
糺ノ杜 胡瓜堂
歴史・時代
古典×エロ小説という無謀な試み。
「耳嚢」や「甲子夜話」、「兎園小説」等、江戸時代の随筆をご紹介している連載中のエッセイ「雲母虫漫筆」
実は江戸時代に書かれた随筆を読んでいると、面白いとは思いながら一般向けの方ではちょっと書けないような18禁ネタもけっこう存在します。
そんな面白い江戸時代の「エロ奇談」を小説風に翻案してみました。
下級旗本(町人という説も)から驚異の出世を遂げ、勘定奉行、南町奉行にまで昇り詰めた根岸鎮衛(1737~1815)が30年余にわたって書き記した随筆「耳嚢」
世の中の怪談・奇談から噂話等々、色んな話が掲載されている「耳嚢」にも、けっこう下ネタがあったりします。
その中で特に目を引くのが「巨根」モノ・・・根岸鎮衛さんの趣味なのか。
巨根の男性が妻となってくれる人を探して遊女屋を訪れ、自分を受け入れてくれる女性と巡り合い、晴れて夫婦となる・・・というストーリーは、ほぼ同内容のものが数話見られます。
鎮衛さんも30年も書き続けて、前に書いたネタを忘れてしまったのかもしれませんが・・・。
また、本作の原話「大陰の人因の事」などは、けっこう長い話で、「名奉行」の根岸鎮衛さんがノリノリで書いていたと思うと、ちょっと微笑ましい気がします。
起承転結もしっかりしていて読み応えがあり、まさに「奇談」という言葉がふさわしいお話だと思いました。
二部構成、計六千字程度の気軽に読める短編です。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
和ませ屋仇討ち始末
志波 連
歴史・時代
山名藩家老家次男の三沢新之助が学問所から戻ると、屋敷が異様な雰囲気に包まれていた。
門の近くにいた新之助をいち早く見つけ出した安藤久秀に手を引かれ、納戸の裏を通り台所から屋内へ入っる。
久秀に手を引かれ庭の見える納戸に入った新之助の目に飛び込んだのは、今まさに切腹しようとしている父長政の姿だった。
父が正座している筵の横には変わり果てた長兄の姿がある。
「目に焼き付けてください」
久秀の声に頷いた新之助だったが、介錯の刀が振り下ろされると同時に気を失ってしまった。
新之助が意識を取り戻したのは、城下から二番目の宿場町にある旅籠だった。
「江戸に向かいます」
同行するのは三沢家剣術指南役だった安藤久秀と、新之助付き侍女咲良のみ。
父と兄の死の真相を探り、その無念を晴らす旅が始まった。
他サイトでも掲載しています
表紙は写真ACより引用しています
R15は保険です
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる