【第一章完】四国?五国で良いんじゃね?

阿弥陀乃トンマージ

文字の大きさ
28 / 50
第一章

第7話(3)三将の反撃

しおりを挟む
「……」

「もらったぜ……」

「そうはさせん!」

「!」

 横から槍が鋭く突かれるが、タイヘイがかろうじてこれをかわす。視線を向けてみると、そこにはシモツキがいた。シモツキが舌打ちする。

「ちっ!」

「へえ、復活しやがったのか……」

「呑気に休んではおられん!」

「そんなこと言わずに、もっと休んでいて良いんだぜ?」

「そういうわけにはいかん! 姫様の危機である!」

 シモツキがカンナとタイヘイの間にさっと割り込む。

「シ、シモツキ……」

「姫様、ご無事ですか⁉」

「な、なんとか……」

「それはなにより! 後はお任せを!」

 シモツキは槍を構え直す。タイヘイが笑う。

「はっ、さっきやられたってのに懲りねえな……」

「タイヘイ、貴様の手の内はよく分かった! 後れはとらん!」

「手の内って……これかよ?」

 タイヘイが両腕を尖らせる。シモツキが頷く。

「そうだ!」

「斬撃をかわせるのか?」

「来ると分かっていれば!」

「かわしたら後ろの姫様に当たっちまうぜ!」

「! ひ、卑怯な!」

「戦いに卑怯もなにもないだろうが……」

 タイヘイが首をすくめる。

「ならば! 先手必勝だ!」

「む!」

 シモツキが槍で突きを繰り出す。タイヘイがそれをなんとかかわすが、シモツキは間髪入れずに追撃をくわえる。

「それ! それ!」

「ちっ、なかなか鋭いな!」

「はっ!」

「くっ!」

 タイヘイがロケットブースターを噴出させて、空に舞い上がる。シモツキはそれを見てニヤリと笑い、呟く。

「狙い通り……」

「なにっ⁉」

「待っていたぞ……」

「はっ⁉」

 タイヘイの体にキサラギが飛びつき、羽交い締めにする。

「どうだ……」

「くっ! は、離せ!」

「そう言われて離す馬鹿はいない……」

「くそっ!」

「ご自慢のロケットブースター……」

「なに?」

「見たところ、連続での使用は出来ないようだな……」

「むう!」

「その隙を突かせてもらう!」

「うおっ⁉」

 キサラギがタイヘイを羽交い締めにしたまま、空中で逆さまになり、声を上げる。

「喰らえ! 『飯綱落とし』!」

「⁉」

「はああっ!」

「‼」

 タイヘイを掴んだキサラギがきりもみ回転しながら地面に落下し、地面に激しく衝突する。土煙が舞う中、キサラギがすっと立ち上がる。シモツキが声をかける。

「やったな」

「ああ、上に誘い込む攻撃……貴様にしては上出来だ」

「……偉そうに言うな」

「なんだ? やるか?」

 シモツキとキサラギが睨み合う。カンナが声を上げる。

「二人とも!」

「ひ、姫様!」

「失礼しました……」

「キサラギ、まだですよ!」

「なっ⁉」

 カンナの言葉にキサラギが振り返る。土煙が治まったところで、ゆっくりと立ち上がるタイヘイの姿があった。タイヘイは呟く。

「さすがに焦ったぜ……」

「む、無傷だと……?」

「いやあ~額で着地したのが良かったぜ……」

 タイヘイが額をすりすりとさする。キサラギが愕然とする。

「い、石頭で地面を砕いたのか……?」

「そういうこった。さて、反撃といくか……」

「むう……」

「仕方がないねえ……」

「ん?」

 タイヘイが視線を向けると、そこにはヤヨイの姿があった。ヤヨイは左手に持った剣を振るって、タイヘイに襲い掛かる。

「うおおっ!」

「遅い!」

 タイヘイが腕を鎌にして剣を受け止める。ヤヨイが笑う。

「はっ! まんまと引っかかったね!」

「なんだと⁉」

「本命はこっちさ!」

「ぐおっ⁉」

 ヤヨイが右腕でパンチをタイヘイの鳩尾に喰らわせる。タイヘイがたまらず崩れ落ちる。

「どうだい⁉」

「なっ……」

「アタシは受けた衝撃を吸収して、返すことが出来るのさ。ご自慢の頭突きと同等の威力の攻撃はどうだい?」

「ぐっ……」

 タイヘイは立ち上がろうとする。

「へえタフだね……タフな男は嫌いじゃないよ」

「ヤヨイ、無駄口を利いている暇はありませんよ……」

「これはすみません、カンナ姫……次で終わらせます……」

 ヤヨイが剣を構える。タイヘイが顔をしかめる。

「くっ……」

「急報! 急報! カンナ姫!」

 そこに馬に乗った兵が駆け付ける。カンナが尋ねる。

「なんですか?」

「本国でクーデター発生です!」

「なんですって⁉」

 衝撃の知らせにカンナが驚く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...