26 / 50
第一章
第7話(1)姫として
しおりを挟む
7
「参ります……!」
「むおっ!」
カンナが薙刀を振るうと、破裂音がして、タイヘイがややのけぞる。カンナが目を細める。
「常人より丈夫ですね」
「常人ではないからな」
タイヘイが自らの少し膨れ上がった肉体を誇示する。
「なるほど、ゴリラのそれですか……」
「そういうこった」
「ならば……!」
カンナが薙刀を上下に振るう。薙刀の先端から雷が一条飛ぶ。
「おっと!」
タイヘイが足裏から煙を噴出させて、素早く雷をかわす。
「む!」
「よっと!」
カンナが雷をもう一条放つが、タイヘイはこれもかわす。カンナが顔をしかめる。
「ロケットブースター……すばしっこいですね」
「来ると分かっていれば避けられるぜ」
「それならば!」
カンナが薙刀を地面に突き立て、地面を強くこすり上げ、炎を巻き上げる。
「あらよっと!」
タイヘイがロケットブースターを駆使して、空に飛び上がる。
「そうくると思っていました!」
「なにっ⁉」
カンナが素早く、前のよりも大きな炎を巻き上げて、タイヘイに向かわせる。
「空中、しかもこのタイミングなら逃げ場がないでしょう!」
「ちぃっ!」
「なっ⁉」
タイヘイは両腕を振るうと、斬撃が飛び、炎はかき消される。驚くカンナに対し、タイヘイは得意気に笑ってみせる。
「へっ! どうよ!」
「かまいたちの斬撃の風圧ですか……」
「そういうこった!」
「なかなかどうして、厄介ですね……」
カンナが薙刀を構えながらため息交じりで呟く。
「もう打つ手なしか?」
「……はい、そうです、と言うわけがないでしょう……」
「まあ、それはそうだな」
「……」
「こちらから仕掛けさせてもらうぜ!」
「!」
タイヘイが急降下し、カンナとの距離を詰める。タイヘイが腕を振るう。
「おらあ!」
「くっ!」
タイヘイが斬撃を飛ばすと、カンナは馬を器用に乗りこなし、その斬撃を飛んでかわしてみせる。タイヘイが感心する。
「へえ……」
「ふう……」
「あまり馬をいじめたくはないんだが……」
「む……」
「うおおっ!」
「‼」
タイヘイが腕を大きく膨らませ、地面を思いきり殴りつける。地面が派手にひび割れ、カンナの跨っていた馬が動揺する。
「そらそらあ!」
「ちっ!」
タイヘイが砕け散った土塊をいくつも殴りつけ、カンナに向かって次々と飛ばす。カンナは舌打ちをして馬から飛び降り、馬を逃がして、自分も土塊をなんとかかわす。それを見て、タイヘイが笑みを浮かべながら声を上げる。
「もらった!」
「む!」
タイヘイがロケットブースターを噴出させ、カンナの懐に入る。
「機動力を手放したのは誤りだったな!」
「……!」
「おら!」
「くう!」
タイヘイが拳を振るう。カンナが薙刀の柄でそれをなんとか受け止めてみせる。
「やるじゃねえか!」
「それほどでも!」
「どっこい、まだペースは上がるぜ!」
「⁉」
「おらおら!」
タイヘイがラッシュを繰り出す。カンナは防戦一方になる。
「ぐっ……」
「どうしたどうした⁉」
「せい!」
「うおっ! 眩し……!」
カンナが薙刀を横にしてかざすと、薙刀がピカっと光った。タイヘイはその眩しさに思わず目を瞑ってしまう。
「はっ!」
「うおっと!」
カンナが薙刀を回転させ、柄の部分でタイヘイの顔を狙うが、タイヘイは後方に飛んでそれをかわす。カンナが再び舌打ちする。
「ちっ、それもかわすとは……」
「刃じゃなくて、柄でくるとは予想外だったけど惜しかったな! ……って、あ、あれ?」
タイヘイが足元をふらふらとさせる。カンナが笑みを浮かべる。
「ふっ……」
「な、なんだ……?」
「顎を掠めたでしょう、それによって脳が揺れたのです」
「な、なんだと……?」
タイヘイがなおもふらふらとする。
「まともに歩けないでしょう?」
「む、むう……」
「脳は人間のそれだったようですね」
「くっ……」
「もっともあなたの場合は空っぽに近いようですが」
「言ってくれんじゃねえか!」
「⁉」
タイヘイがパンチを繰り出す。カンナはそれをかわす。
「あ、当たらねえ……」
「鋭い一撃でしたね、危ないところでした」
「くそ……」
「野生の勘というやつでしょうか」
「急な発光と言い、お姫様だってのに随分と汚い真似を……」
「姫だからこそ手段を選んではいられないのです。国を背負っているわけですから」
「! むう……」
「お覚悟!」
カンナが薙刀を構え直す。
「参ります……!」
「むおっ!」
カンナが薙刀を振るうと、破裂音がして、タイヘイがややのけぞる。カンナが目を細める。
「常人より丈夫ですね」
「常人ではないからな」
タイヘイが自らの少し膨れ上がった肉体を誇示する。
「なるほど、ゴリラのそれですか……」
「そういうこった」
「ならば……!」
カンナが薙刀を上下に振るう。薙刀の先端から雷が一条飛ぶ。
「おっと!」
タイヘイが足裏から煙を噴出させて、素早く雷をかわす。
「む!」
「よっと!」
カンナが雷をもう一条放つが、タイヘイはこれもかわす。カンナが顔をしかめる。
「ロケットブースター……すばしっこいですね」
「来ると分かっていれば避けられるぜ」
「それならば!」
カンナが薙刀を地面に突き立て、地面を強くこすり上げ、炎を巻き上げる。
「あらよっと!」
タイヘイがロケットブースターを駆使して、空に飛び上がる。
「そうくると思っていました!」
「なにっ⁉」
カンナが素早く、前のよりも大きな炎を巻き上げて、タイヘイに向かわせる。
「空中、しかもこのタイミングなら逃げ場がないでしょう!」
「ちぃっ!」
「なっ⁉」
タイヘイは両腕を振るうと、斬撃が飛び、炎はかき消される。驚くカンナに対し、タイヘイは得意気に笑ってみせる。
「へっ! どうよ!」
「かまいたちの斬撃の風圧ですか……」
「そういうこった!」
「なかなかどうして、厄介ですね……」
カンナが薙刀を構えながらため息交じりで呟く。
「もう打つ手なしか?」
「……はい、そうです、と言うわけがないでしょう……」
「まあ、それはそうだな」
「……」
「こちらから仕掛けさせてもらうぜ!」
「!」
タイヘイが急降下し、カンナとの距離を詰める。タイヘイが腕を振るう。
「おらあ!」
「くっ!」
タイヘイが斬撃を飛ばすと、カンナは馬を器用に乗りこなし、その斬撃を飛んでかわしてみせる。タイヘイが感心する。
「へえ……」
「ふう……」
「あまり馬をいじめたくはないんだが……」
「む……」
「うおおっ!」
「‼」
タイヘイが腕を大きく膨らませ、地面を思いきり殴りつける。地面が派手にひび割れ、カンナの跨っていた馬が動揺する。
「そらそらあ!」
「ちっ!」
タイヘイが砕け散った土塊をいくつも殴りつけ、カンナに向かって次々と飛ばす。カンナは舌打ちをして馬から飛び降り、馬を逃がして、自分も土塊をなんとかかわす。それを見て、タイヘイが笑みを浮かべながら声を上げる。
「もらった!」
「む!」
タイヘイがロケットブースターを噴出させ、カンナの懐に入る。
「機動力を手放したのは誤りだったな!」
「……!」
「おら!」
「くう!」
タイヘイが拳を振るう。カンナが薙刀の柄でそれをなんとか受け止めてみせる。
「やるじゃねえか!」
「それほどでも!」
「どっこい、まだペースは上がるぜ!」
「⁉」
「おらおら!」
タイヘイがラッシュを繰り出す。カンナは防戦一方になる。
「ぐっ……」
「どうしたどうした⁉」
「せい!」
「うおっ! 眩し……!」
カンナが薙刀を横にしてかざすと、薙刀がピカっと光った。タイヘイはその眩しさに思わず目を瞑ってしまう。
「はっ!」
「うおっと!」
カンナが薙刀を回転させ、柄の部分でタイヘイの顔を狙うが、タイヘイは後方に飛んでそれをかわす。カンナが再び舌打ちする。
「ちっ、それもかわすとは……」
「刃じゃなくて、柄でくるとは予想外だったけど惜しかったな! ……って、あ、あれ?」
タイヘイが足元をふらふらとさせる。カンナが笑みを浮かべる。
「ふっ……」
「な、なんだ……?」
「顎を掠めたでしょう、それによって脳が揺れたのです」
「な、なんだと……?」
タイヘイがなおもふらふらとする。
「まともに歩けないでしょう?」
「む、むう……」
「脳は人間のそれだったようですね」
「くっ……」
「もっともあなたの場合は空っぽに近いようですが」
「言ってくれんじゃねえか!」
「⁉」
タイヘイがパンチを繰り出す。カンナはそれをかわす。
「あ、当たらねえ……」
「鋭い一撃でしたね、危ないところでした」
「くそ……」
「野生の勘というやつでしょうか」
「急な発光と言い、お姫様だってのに随分と汚い真似を……」
「姫だからこそ手段を選んではいられないのです。国を背負っているわけですから」
「! むう……」
「お覚悟!」
カンナが薙刀を構え直す。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる