8 / 91
第1章 桃と竜乃
選手名鑑~仙台和泉高校編①
しおりを挟む 喧嘩などろくにしたことはないが、幼いころから、ヤクザや刑事の役を演じる男たちの芝居風景を見慣れてきたせいで、どうすれば強い男に見られるか、本能的に習得していたのだ。
上級生たちは、大人しいと思っていた竹弥の気迫と演技力に気圧されてしまって、肩をすくめて去っていった。彼らが見えなくなってから身体がふるえてきた。
だが、今自分の前にいる男は、あのときの中学生たちのように、はったりが通じるような相手ではない。
この状況でどう立ち向かえばいいのか。竹弥はまさに絶体絶命だった。
「うう……」
びりびりに切りきざんだ下着の残骸を引っ張ると、相手は笑ってそれを床に投げすてる。
「色っぽいな。近江竹弥のストリップか。高く売れるぞ」
「……ひ、卑怯者! こんなことして、なんになるんだよぉ……」
先の言葉は気強く放ったものの、後の言葉は涙声になってしまう。
「泣くなよ。うんといい気持ちにしてやるから」
「あっ! よ、よせ!」
男が、竹弥の前に膝をついた。
さすがに初心な竹弥も、相手がこれからしようとしていることに気づいて、全身を硬直させた。
「小さい、可愛い芽だ。かわいそうに、こんなに怯えて」
やんわりと、相手は指に力をこめて、竹弥の若芽をいじる。
「つぅ……!」
「よしよし、俺がこれから大きくしてやるからな」
まさか……、と竹弥はこの期におよんでも、未練がましいほどの期待を捨てれず、それにしがみついた。
竹弥だとて二十歳になる若い男で、男子寮で過ごしていたのだから、当然、男があつまると当たり前のように交わされる猥談から、通常の性の知識は得ていたし、僚友や学友のなかには早いものなら、すでに初体験を済ませた者も何人かいることはいるが、だが、男のしようとしていることは、竹弥には驚愕だった。
そういう行為は聞き知ってはいるが、それは別世界のことのように竹弥には遠かったのだ。
上級生たちは、大人しいと思っていた竹弥の気迫と演技力に気圧されてしまって、肩をすくめて去っていった。彼らが見えなくなってから身体がふるえてきた。
だが、今自分の前にいる男は、あのときの中学生たちのように、はったりが通じるような相手ではない。
この状況でどう立ち向かえばいいのか。竹弥はまさに絶体絶命だった。
「うう……」
びりびりに切りきざんだ下着の残骸を引っ張ると、相手は笑ってそれを床に投げすてる。
「色っぽいな。近江竹弥のストリップか。高く売れるぞ」
「……ひ、卑怯者! こんなことして、なんになるんだよぉ……」
先の言葉は気強く放ったものの、後の言葉は涙声になってしまう。
「泣くなよ。うんといい気持ちにしてやるから」
「あっ! よ、よせ!」
男が、竹弥の前に膝をついた。
さすがに初心な竹弥も、相手がこれからしようとしていることに気づいて、全身を硬直させた。
「小さい、可愛い芽だ。かわいそうに、こんなに怯えて」
やんわりと、相手は指に力をこめて、竹弥の若芽をいじる。
「つぅ……!」
「よしよし、俺がこれから大きくしてやるからな」
まさか……、と竹弥はこの期におよんでも、未練がましいほどの期待を捨てれず、それにしがみついた。
竹弥だとて二十歳になる若い男で、男子寮で過ごしていたのだから、当然、男があつまると当たり前のように交わされる猥談から、通常の性の知識は得ていたし、僚友や学友のなかには早いものなら、すでに初体験を済ませた者も何人かいることはいるが、だが、男のしようとしていることは、竹弥には驚愕だった。
そういう行為は聞き知ってはいるが、それは別世界のことのように竹弥には遠かったのだ。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ニンジャマスター・ダイヤ
竹井ゴールド
キャラ文芸
沖縄県の手塚島で育った母子家庭の手塚大也は実母の死によって、東京の遠縁の大鳥家に引き取られる事となった。
大鳥家は大鳥コンツェルンの創業一族で、裏では日本を陰から守る政府機関・大鳥忍軍を率いる忍者一族だった。
沖縄県の手塚島で忍者の修行をして育った大也は東京に出て、忍者の争いに否応なく巻き込まれるのだった。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる