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第一章 青花夕莉
二
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明け方近くになって、ようやく頭痛は治まった。翠も同じタイミングで調子を取り戻し、ふらふらと自室へ戻った。夕莉はその姿を見送りながら、あと二時間は眠れるだろうかと壁時計を見た。四時二十分。コップを注ぎリビングを出る。父と母の寝室の隣にある六畳の部屋が、夕莉の自室だ。翠は少し離れた玄関側の、自分より少しだけ広い部屋にいる。物置部屋になっている三畳ほどのスペースを挟んで、二人の自室はある。夕莉はドアをそっと閉めると、ベッドに仰向けになり、目を閉じた。痛みでこわばっていた身体がゆるみ、眠気が波のように押し寄せてきた。
携帯のアラームが鳴っていた。寝ていたというよりは、気絶していたという状態に近い身体を何とか起こして、アラームを止める。七時だった。朝日は完全に昇り、カーテンの隙間から眩しい光が漏れていた。頭痛は治まっていた。朝の支度を済ませ、パジャマ姿のままで朝食を食べに向かう。両親に朝の挨拶をして翠の隣に座る。スーパーで買ったパンと牛乳を頬張り、共働きの両親は出勤前の身なりを整えるため、せわしなく動いていた。
「洗濯物干しておいてね。食器洗い機かけてね」
母から発せられる怒涛のような指示に、夕莉と翠はまだ寝ぼけまなこで適当な相槌を打つ。「あとルンバかけて! 埃たまってるから!」と母は言い残すと、最後に「行ってきます!」と叫んで父とともに出て行った。
しばらく二人は無言のままパンを頬張ると、どちらからともなく皿を洗って食器洗い機にかけ、翠は全自動掃除機のルンバを起動し、夕莉は洗濯籠に洗い立ての服を入れた。二人が一番遅く家を出るため、朝の家事は二人の仕事だった。
ベランダに出ると日差しは温かかったものの、ひんやりとした空気が頬に冷たく当たった。まだ本格的な春まで少し遠い、どこか冬の気配が残る青空を見た。白い半月がちょうど夕莉の視線の上にあった。
「……お月様はいいなあ。ただ浮かんでいるだけで、皆に美しいなんて思われてさ」
自分の赤みがかった茶色いセミロングの髪をいじりながら、それだけつぶやくと、夕莉はせっせと洗濯物を干し始める。十分ほどで仕事を終えると、自室に戻って制服を着る。髪をブローしてリップだけを塗り、学生鞄を持って玄関に出た。先に支度を終えていた翠が「おせーぞ」と言いたげな視線をやると、ドアを開けた。夕莉は翠のあとに続いて、マンションの共有廊下に出た。
あんたたちは持病があるんだから、お互い助け合えるように、なるべく二人でいなさい。
それが両親の口癖だった。夕莉と翠は必ずと言っていいほど同じタイミングで具合が悪くなるため、よく一緒の部屋で寝かされた。忙しい両親の代わりに、父方の祖母や母方の祖母が交代制で二人の面倒を見ていた。しかし二人の祖母は年のせいで、今は介護福祉サービスを受けている。
中学生となった今でも、二人は一緒に登校している。親からのいいつけがいまだに身体の奥底に染みついているからか、それとも、自分に理解のある接し方をしてくれるのは、互いしかいないという事実に気づいているからなのか、夕莉と翠は、離れ離れになったことがなかった。しっかりと互いにくっつき、寄り添い合い、今日から通学することになった新しい学校へ、特に何の感慨もなく向かうのだった。
夕莉たちのような子どもを集めた隔離学級ーー『デイケア学級』のある中学校へと。
○
モノレール線に乗って停車駅で降りたところで、自分たちと同じ制服を着た子どもたちを見た。しかしその子たちは健全的な雰囲気を身にまとっていて、『普通学級』の子たちなのだと、すぐに察しがついた。入学式の時に一度行ったきりなので、この辺の土地感覚が今ひとつわからずに、二人はとりあえず、その生徒たちのあとをついていった。
駅を出ると、最近発展したと思われる、賑やかだがどこか素朴な店が立ち並ぶアーケード街を、どんどん進んだ。そこを抜けると、アスファルトの照り返しがきつい傾斜の道があり、その道に入ったとたん、嘘のように、先ほどまでの人ごみがなくなった。
静かな空気が流れるアスファルトの小高い道を、二人と同じ制服の子が歩いていく。夕莉と翠も懸命に足を動かし、坂を上っていく。
いつの間にか同じ制服の子どもたちが、ほかにも大勢歩いていた。皆は楽しそうにおしゃべりを交わしながら、坂道をぐんぐん進んでいく。夕莉たちは何人もの生徒に追い抜かされて、ようやく学校へ着く時には、軽く息が切れていた。
「新学期早々、死ぬっての」
翠がぼやいた。その投げやりな感じが何とも彼らしくて、夕莉は苦笑した。
二人の下駄箱は、一般の生徒たちから離れた隅のほうにあった。上履きに履き替え、入学式の時に指示された教室へ向かう。
そこは坂の傾斜の関係上、渡り廊下を通った地下へと続く場所だった。下り坂のところに構えている教室で、そのため、地下といっても太陽の光は届く。窓の外からは、見渡す限りの東京の街並みと、その向こうの小さな山々が見える。
地下一階。一年生の教室へ入る。クラスの名は『デイケア組』。
夕莉はだいぶ緊張して足が一瞬すくんだが、翠のほうは、大胆にずかずかと足を運ぶ。あわてて兄のあとをついて、自分と同じ赤みがかった茶髪を目で追う。一番前の席に座り、夕莉と翠は、時が経つのを待った。
「兄妹?」
ふと声がかかった。二人は条件反射で、同時に振り返った。
艶のある長い黒髪をハーフアップに結い上げた、優しげな雰囲気の女子生徒がいた。
夕莉と翠は目を見合わせた。「他人」に声をかけられた時の対処法を、翠が瞬時に見つけ出した。
「うん。そう」
翠が突き放したように言った。夕莉は黙って、目の前のそばかすの浮いた少女を見つめている。若干、怯えるように。
「えっと、お兄さんで、妹さんかな?」
女子生徒はふんわりと問いかけ、微笑んだ。この「他人」は果たして敵か、そうではないのか。夕莉にはまだわかりかねていた。
「ああ。双子」
翠が言う。少女は「ああ、そうなんだ。そんな気がしてた」と笑った。
「私は伊織佳純です。青花、さん?」
佳純と名乗ったその少女は、入学式の時に配られたプリントを広げた。
「そう。俺が青花翠で、こっちが妹の青花夕莉」
翠が自分の名を言ったので、夕莉はビクリとした。「他人」にここまで話していいのかと、心配そうに兄のほうを見る。翠は、多分こいつは大丈夫、と目で言った。
「よろしくお願いします」
佳純はうっすらと浮かんだそばかすで、にっこりと爽やかに笑った。夕莉も決心して、ぎこちない笑みで返した。
「……よろしく」
自分とは程遠い、艶やかな黒髪が、記憶に残りそうなほど綺麗だった。
○
新学期一日目の授業は、国語、数学、英語、情報だった。このクラスは午前授業のみで、午後は『生活体験クラブ』というデイケアサービスに変わり、音楽鑑賞をしたりDVDを観たりする。一番多いのは『ふれあいトーク』という自己紹介のようなスピーチで、自分の好きなものや、はまっている趣味などを打ち明けるのである。
一般クラスよりも一時間早めに学校は終わり、生徒たちはほとんどどこにも寄り道せずに、まっすぐ帰る。中には親が車で迎えに来てくれるケースも少なくない。
夕莉と翠は両親が働いているので、夕方の家事をするために家に直帰する。誰かと遊んで帰るなどという発想は、今まで一ミリもなかった。
それが今、二人のそばに歩いている女子生徒が一人。
「青花さんたちはどこに住んでいるの?」
佳純がふんわりと笑って、当たり障りのない質問を口にした。
「モノレール線のところ」
夕莉が黙っていると、翠が代わりに答えてくれた。
「わりと遠いね」
「でも三、四十分くらいだから」
翠が佳純に話を合わせているのを見て、夕莉はますます縮こまってしまう。佳純は空気を察したように「私はバスなの。また明日ね」と爽やかに答えると、バス停のほうへ歩いていった。
佳純の後ろ姿が遠くなると、翠があきれたように夕莉を振り返った。
「お前、もっとシャキッとしろよ」
「……うん」
「うじうじオドオドしているから、皆に舐められるんだよ」
「……ごめん」
翠は溜め息を一つ吐き、「まあ今回は大丈夫だと思うけど」と言って先を歩いた。夕莉も後ろについてくるように足を運ぶ。二人は肩を並べて、真昼の春の日差しに照らされながら、帰り道を進んだ。
伊織佳純は悪い人間ではなさそうだと、夕莉は自分の心に言い聞かせていた。
○
携帯のアラームが鳴っていた。寝ていたというよりは、気絶していたという状態に近い身体を何とか起こして、アラームを止める。七時だった。朝日は完全に昇り、カーテンの隙間から眩しい光が漏れていた。頭痛は治まっていた。朝の支度を済ませ、パジャマ姿のままで朝食を食べに向かう。両親に朝の挨拶をして翠の隣に座る。スーパーで買ったパンと牛乳を頬張り、共働きの両親は出勤前の身なりを整えるため、せわしなく動いていた。
「洗濯物干しておいてね。食器洗い機かけてね」
母から発せられる怒涛のような指示に、夕莉と翠はまだ寝ぼけまなこで適当な相槌を打つ。「あとルンバかけて! 埃たまってるから!」と母は言い残すと、最後に「行ってきます!」と叫んで父とともに出て行った。
しばらく二人は無言のままパンを頬張ると、どちらからともなく皿を洗って食器洗い機にかけ、翠は全自動掃除機のルンバを起動し、夕莉は洗濯籠に洗い立ての服を入れた。二人が一番遅く家を出るため、朝の家事は二人の仕事だった。
ベランダに出ると日差しは温かかったものの、ひんやりとした空気が頬に冷たく当たった。まだ本格的な春まで少し遠い、どこか冬の気配が残る青空を見た。白い半月がちょうど夕莉の視線の上にあった。
「……お月様はいいなあ。ただ浮かんでいるだけで、皆に美しいなんて思われてさ」
自分の赤みがかった茶色いセミロングの髪をいじりながら、それだけつぶやくと、夕莉はせっせと洗濯物を干し始める。十分ほどで仕事を終えると、自室に戻って制服を着る。髪をブローしてリップだけを塗り、学生鞄を持って玄関に出た。先に支度を終えていた翠が「おせーぞ」と言いたげな視線をやると、ドアを開けた。夕莉は翠のあとに続いて、マンションの共有廊下に出た。
あんたたちは持病があるんだから、お互い助け合えるように、なるべく二人でいなさい。
それが両親の口癖だった。夕莉と翠は必ずと言っていいほど同じタイミングで具合が悪くなるため、よく一緒の部屋で寝かされた。忙しい両親の代わりに、父方の祖母や母方の祖母が交代制で二人の面倒を見ていた。しかし二人の祖母は年のせいで、今は介護福祉サービスを受けている。
中学生となった今でも、二人は一緒に登校している。親からのいいつけがいまだに身体の奥底に染みついているからか、それとも、自分に理解のある接し方をしてくれるのは、互いしかいないという事実に気づいているからなのか、夕莉と翠は、離れ離れになったことがなかった。しっかりと互いにくっつき、寄り添い合い、今日から通学することになった新しい学校へ、特に何の感慨もなく向かうのだった。
夕莉たちのような子どもを集めた隔離学級ーー『デイケア学級』のある中学校へと。
○
モノレール線に乗って停車駅で降りたところで、自分たちと同じ制服を着た子どもたちを見た。しかしその子たちは健全的な雰囲気を身にまとっていて、『普通学級』の子たちなのだと、すぐに察しがついた。入学式の時に一度行ったきりなので、この辺の土地感覚が今ひとつわからずに、二人はとりあえず、その生徒たちのあとをついていった。
駅を出ると、最近発展したと思われる、賑やかだがどこか素朴な店が立ち並ぶアーケード街を、どんどん進んだ。そこを抜けると、アスファルトの照り返しがきつい傾斜の道があり、その道に入ったとたん、嘘のように、先ほどまでの人ごみがなくなった。
静かな空気が流れるアスファルトの小高い道を、二人と同じ制服の子が歩いていく。夕莉と翠も懸命に足を動かし、坂を上っていく。
いつの間にか同じ制服の子どもたちが、ほかにも大勢歩いていた。皆は楽しそうにおしゃべりを交わしながら、坂道をぐんぐん進んでいく。夕莉たちは何人もの生徒に追い抜かされて、ようやく学校へ着く時には、軽く息が切れていた。
「新学期早々、死ぬっての」
翠がぼやいた。その投げやりな感じが何とも彼らしくて、夕莉は苦笑した。
二人の下駄箱は、一般の生徒たちから離れた隅のほうにあった。上履きに履き替え、入学式の時に指示された教室へ向かう。
そこは坂の傾斜の関係上、渡り廊下を通った地下へと続く場所だった。下り坂のところに構えている教室で、そのため、地下といっても太陽の光は届く。窓の外からは、見渡す限りの東京の街並みと、その向こうの小さな山々が見える。
地下一階。一年生の教室へ入る。クラスの名は『デイケア組』。
夕莉はだいぶ緊張して足が一瞬すくんだが、翠のほうは、大胆にずかずかと足を運ぶ。あわてて兄のあとをついて、自分と同じ赤みがかった茶髪を目で追う。一番前の席に座り、夕莉と翠は、時が経つのを待った。
「兄妹?」
ふと声がかかった。二人は条件反射で、同時に振り返った。
艶のある長い黒髪をハーフアップに結い上げた、優しげな雰囲気の女子生徒がいた。
夕莉と翠は目を見合わせた。「他人」に声をかけられた時の対処法を、翠が瞬時に見つけ出した。
「うん。そう」
翠が突き放したように言った。夕莉は黙って、目の前のそばかすの浮いた少女を見つめている。若干、怯えるように。
「えっと、お兄さんで、妹さんかな?」
女子生徒はふんわりと問いかけ、微笑んだ。この「他人」は果たして敵か、そうではないのか。夕莉にはまだわかりかねていた。
「ああ。双子」
翠が言う。少女は「ああ、そうなんだ。そんな気がしてた」と笑った。
「私は伊織佳純です。青花、さん?」
佳純と名乗ったその少女は、入学式の時に配られたプリントを広げた。
「そう。俺が青花翠で、こっちが妹の青花夕莉」
翠が自分の名を言ったので、夕莉はビクリとした。「他人」にここまで話していいのかと、心配そうに兄のほうを見る。翠は、多分こいつは大丈夫、と目で言った。
「よろしくお願いします」
佳純はうっすらと浮かんだそばかすで、にっこりと爽やかに笑った。夕莉も決心して、ぎこちない笑みで返した。
「……よろしく」
自分とは程遠い、艶やかな黒髪が、記憶に残りそうなほど綺麗だった。
○
新学期一日目の授業は、国語、数学、英語、情報だった。このクラスは午前授業のみで、午後は『生活体験クラブ』というデイケアサービスに変わり、音楽鑑賞をしたりDVDを観たりする。一番多いのは『ふれあいトーク』という自己紹介のようなスピーチで、自分の好きなものや、はまっている趣味などを打ち明けるのである。
一般クラスよりも一時間早めに学校は終わり、生徒たちはほとんどどこにも寄り道せずに、まっすぐ帰る。中には親が車で迎えに来てくれるケースも少なくない。
夕莉と翠は両親が働いているので、夕方の家事をするために家に直帰する。誰かと遊んで帰るなどという発想は、今まで一ミリもなかった。
それが今、二人のそばに歩いている女子生徒が一人。
「青花さんたちはどこに住んでいるの?」
佳純がふんわりと笑って、当たり障りのない質問を口にした。
「モノレール線のところ」
夕莉が黙っていると、翠が代わりに答えてくれた。
「わりと遠いね」
「でも三、四十分くらいだから」
翠が佳純に話を合わせているのを見て、夕莉はますます縮こまってしまう。佳純は空気を察したように「私はバスなの。また明日ね」と爽やかに答えると、バス停のほうへ歩いていった。
佳純の後ろ姿が遠くなると、翠があきれたように夕莉を振り返った。
「お前、もっとシャキッとしろよ」
「……うん」
「うじうじオドオドしているから、皆に舐められるんだよ」
「……ごめん」
翠は溜め息を一つ吐き、「まあ今回は大丈夫だと思うけど」と言って先を歩いた。夕莉も後ろについてくるように足を運ぶ。二人は肩を並べて、真昼の春の日差しに照らされながら、帰り道を進んだ。
伊織佳純は悪い人間ではなさそうだと、夕莉は自分の心に言い聞かせていた。
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