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【本編】第2章 暗闇に差す残光
第14話
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ライト「えっ…?」
そう言うとソラの周りにいつも見る黒いオーラのようなものが出現した。
それと同時に黒かった左目が赤く光る。
ソラ「もうわかると思うけど、これが僕の異能、暗黒。僕も人に言えるほどこれをまだ100%活かせてはいないけどね。」
完全体ではないとはいえその力は脅威的なものだ。
ソラ「《ヘルフィード》」
黒いオーラのようなものの一部がライト目掛けて物凄いスピードで迫ってくる。
ギリギリのところで横へ躱すと、床にそれが直撃した。
そこには亀裂が入り、中心部は穴が出来ている。
ライト(こんなの食らったらたまったもんじゃないぞ!?)
禍々しい見た目通り、やはり非常に恐ろしいものなのだろう。
あの黒いのは何で出来ているのだろうか。
やはり謎でしかなかった。
ソラ「どんどん行くよ、《ヘルフィード》」
立て続けに攻撃が繰り返される。
ソラは空中に浮遊していて対抗しようにも難易度が高い。
ライト(こんな時に《雷鳴球》が使えたら…。)
先程ソラが言ったように、ここで《雷鳴球》を使えたら戦況は大きく変わるだろう。
だからこそソラはライトに勝てないと言ったのだろうか。
ライト(いや、『使えたら』じゃない…『使う』んだ。)
空中に浮遊しているソラを視界から逸らすことなく次々と来る攻撃を躱し、打開策を練る。
ライト(抗え、抗え!俺は、まだやれる。絶対に…。)
ソラの攻撃は次第と量と大きさも増していく。
体力もそろそろキツくなってきている。
しかし、空中で一方的に魔法を放ってるソラもライトほどではないだろうが体力を消費し、なによりも膨大な魔力を消費してるはずだ。
ライト(このまま時間をかければ、いつか魔力が尽きる…!粘れ俺!)
終わりの見えない攻撃を必死に躱し続ける。
しかし、いつになっても攻撃が弱まらない。それどころか、逆に強くなっている気がする。
ライト「しまっ──」
疲労からか足が一瞬もつれ、そこを突かれてしまった。
ソラの魔法がライトの右腕を直撃した。
魔法の威力も想像以上に高く、魔法の受けた衝撃で強く飛ばされる。
ライト「ぐっ…いっ…てぇ……。」
壁に思いっきり背中を打ち、体に力が入らず立ち上がることができない。
魔法が直撃した後、ソラからの追撃はなく攻撃の手を止めていた。
この様子なら勝負は着いていたはずだが。
ソラ「よく動くね、少し手間がかかった。」
空中を浮遊していたソラは地上に降り、ライトの方へゆっくりと歩いてきていた。
黒いオーラのようなものがなんと表現すればいいのかわからない不気味な音を立て、コツコツと歩く音が響き渡るのみだ。
ライト(対抗しなくちゃ、っ…。)
なんとか体を起こすが、立ち上がれずうずくまるばかりだった。
それでも何か対抗しなければ負けてしまう。
ライト「ブリッツストーム!…あれっ…?」
ライト(魔法が使えない…?くそっ、なんでこんな時に…。)
何度詠唱しても魔法が放てない。
それどころか、右手にマナが集まっていなかった。
ライト(どういうことだ…?今までこんなことなかった。魔法が出せなくともマナは集まるはず…。)
ソラはそんなライトを見据えて無言で歩み寄ってくる。
顔はいつも通り無表情だが、その裏にはどこか笑っているような感じがしてゾッとする。
ソラはライトの数メートル先で止まった。
ライト「っ…!」
もう何も太刀打ち出来なかった。
これがソラの実力。
やはり、アギト達と肩を並べるにはまだまだ程遠いということだろうか。
ソラ「右腕、当たったでしょ。被弾したとこ見てみて。」
ソラは言った。
ライトは自分の右腕の被弾した箇所を見る。
ライト「なんだ、これ…?」
被弾した箇所を中心に、黒い何かが広がり染まっている。
その広がりは止まることなく徐々に体を黒く染めていた。
ソラ「異能には大きく分けて3種類ある。」
ライト「3種類?」
ソラ「ひとつは物質魔法。同期のカルミアのような能力で、実在する物体や事柄を魔法に変える能力。カルミアなら『花』を使うだろう?」
確かにカルミアは見た事のない魔法を使っていた。
それも全ての魔法が花の名前だ。
よくよく考えればあれも異能である。
ソラ「そしてもうひとつが召喚魔法。アギトやリディアのように、何かの使い手さ。そのままだけどね。」
アギトなら精霊、リディアなら竜。
ノアもこれに該当するのだろうか。
確か試練の時に『私のペット』と言っていたはずだ。
ソラ「最後に間接魔法。僕のような能力で、簡単に言えば独自の魔法を使う人。」
ライト「じゃあ、これは…?」
ソラ「間接魔法は特に複雑で、その人によって能力が全部違う。僕の使う異能【暗黒】はこの黒いのが魔法を消したり相手にデバフをかけてくれる。こんなことも出来るよ。」
そういってソラは指を鳴らす。
それと共に右腕が酷く痛み始めた。
ライト「あぁぁっっ!!!」
痛みに耐えきれず叫び声を上げる。
ソラはすぐに指を鳴らし、すると腕の痛みは突如として消えた。
ソラ「あー、ちょっと刺激が強かったかな。でもこんな感じで、デバフ効果を攻撃に変えることも可能。実際君は右手から魔法が放てなかった、それがそいつの能力だ。」
魔法が使えないどころかマナさえも集まらないのはソラの能力だったらしい。
ソラ「まぁ、これで終わろっか。」
ソラの周りを舞う黒いオーラのようなものがより一層量が増える。
ライト(まだ、…まだやれる!)
力なく立ち上がる。
余力はもう少ない、ここから長期戦に持ち込むのは至難だろう。
ましてや右手が使えない制限付きだ。
その状態でソラに勝つのはゼロに等しく不可能かもしれない。
だけど────。
ライト「それでも、まだ諦めたくないっ!」
ソラ「…! 《ヘルフィード》!」
寸前で上手く攻撃を回避し、右に転がる。
その後も放ってくる追撃を躱しながら走り、まずは体勢を整える。
ライト「《ブリッツストーム》!」
右手が使えないなら左手で。
これまで毎日精練してきたそのマナの操りが活かされてきたのか左手でも右手とほぼ変わらないスピード、精度、威力で放たれた。
ソラ「無駄だよ。《崩壊する宇宙》」
放たれたライトの魔法はソラが纏う黒いオーラのようなものに阻まれ消えてしまった。
なんとかあれを突破する方法はないのだろうか。
ライト「《レイジンググローム》!」
魔法が通らないなら直接当てに行くしかないと考え、左手で殴りにかかる。
左手を強く握り、その拳にマナを集結させソラに近づいていく。
ソラ「残念。」
ソラが小さく呟いた瞬間、ライトの左手が黒いオーラのようなものに直撃した。
ライト(っ……!?)
拳に触れたその黒いものは、固くはなく、柔らかくもなく。
液体でもなければ気体でもなく、固体でもないような。
まるで触れた感覚でさえ感じないほどにスルリとライトの左手を飲み込んだ。
ライト(しまった…!)
そう思っても時すでに遅し。
ライトの左手は黒いものの中へ取り込まれ、抜き出そうとしてもビクともしない。
ソラ「引っかかったね。」
ソラが後ろに後退する。
黒いものは左手から左腕、左肩と、ライトの体を伝っていく。
そのまま身動きも取れず拘束されてしまった。
ライト「くそっ…!」
ソラが操っているのか、黒いオーラのようなものが自然と浮き始め、ライトの体ごと宙に浮いた。
ソラ「これでゲームセット、僕の勝ちだ。」
そう言って指を鳴らす。
すると、黒いオーラのようなものが緑色に光出した。
ソラ「さっきみたいに君を痛みつけたりはしたくないから、君の残りの体力を吸収させてもらうよ。その方が痛みは少なくて済むし、楽に終わる。」
体から力が抜けていくのがわかる。
力を入れようとしても、抵抗しようとしても、体を動かすことは出来ず。
その姿はまるで抜け殻のようだった。
ライト(ここまで、か…。)
諦めて目を閉じ、体力が尽きるのを待ったその時──
『諦めるなんて君らしくないわね。』
どこからか声が聞こえた気がした。
そう言うとソラの周りにいつも見る黒いオーラのようなものが出現した。
それと同時に黒かった左目が赤く光る。
ソラ「もうわかると思うけど、これが僕の異能、暗黒。僕も人に言えるほどこれをまだ100%活かせてはいないけどね。」
完全体ではないとはいえその力は脅威的なものだ。
ソラ「《ヘルフィード》」
黒いオーラのようなものの一部がライト目掛けて物凄いスピードで迫ってくる。
ギリギリのところで横へ躱すと、床にそれが直撃した。
そこには亀裂が入り、中心部は穴が出来ている。
ライト(こんなの食らったらたまったもんじゃないぞ!?)
禍々しい見た目通り、やはり非常に恐ろしいものなのだろう。
あの黒いのは何で出来ているのだろうか。
やはり謎でしかなかった。
ソラ「どんどん行くよ、《ヘルフィード》」
立て続けに攻撃が繰り返される。
ソラは空中に浮遊していて対抗しようにも難易度が高い。
ライト(こんな時に《雷鳴球》が使えたら…。)
先程ソラが言ったように、ここで《雷鳴球》を使えたら戦況は大きく変わるだろう。
だからこそソラはライトに勝てないと言ったのだろうか。
ライト(いや、『使えたら』じゃない…『使う』んだ。)
空中に浮遊しているソラを視界から逸らすことなく次々と来る攻撃を躱し、打開策を練る。
ライト(抗え、抗え!俺は、まだやれる。絶対に…。)
ソラの攻撃は次第と量と大きさも増していく。
体力もそろそろキツくなってきている。
しかし、空中で一方的に魔法を放ってるソラもライトほどではないだろうが体力を消費し、なによりも膨大な魔力を消費してるはずだ。
ライト(このまま時間をかければ、いつか魔力が尽きる…!粘れ俺!)
終わりの見えない攻撃を必死に躱し続ける。
しかし、いつになっても攻撃が弱まらない。それどころか、逆に強くなっている気がする。
ライト「しまっ──」
疲労からか足が一瞬もつれ、そこを突かれてしまった。
ソラの魔法がライトの右腕を直撃した。
魔法の威力も想像以上に高く、魔法の受けた衝撃で強く飛ばされる。
ライト「ぐっ…いっ…てぇ……。」
壁に思いっきり背中を打ち、体に力が入らず立ち上がることができない。
魔法が直撃した後、ソラからの追撃はなく攻撃の手を止めていた。
この様子なら勝負は着いていたはずだが。
ソラ「よく動くね、少し手間がかかった。」
空中を浮遊していたソラは地上に降り、ライトの方へゆっくりと歩いてきていた。
黒いオーラのようなものがなんと表現すればいいのかわからない不気味な音を立て、コツコツと歩く音が響き渡るのみだ。
ライト(対抗しなくちゃ、っ…。)
なんとか体を起こすが、立ち上がれずうずくまるばかりだった。
それでも何か対抗しなければ負けてしまう。
ライト「ブリッツストーム!…あれっ…?」
ライト(魔法が使えない…?くそっ、なんでこんな時に…。)
何度詠唱しても魔法が放てない。
それどころか、右手にマナが集まっていなかった。
ライト(どういうことだ…?今までこんなことなかった。魔法が出せなくともマナは集まるはず…。)
ソラはそんなライトを見据えて無言で歩み寄ってくる。
顔はいつも通り無表情だが、その裏にはどこか笑っているような感じがしてゾッとする。
ソラはライトの数メートル先で止まった。
ライト「っ…!」
もう何も太刀打ち出来なかった。
これがソラの実力。
やはり、アギト達と肩を並べるにはまだまだ程遠いということだろうか。
ソラ「右腕、当たったでしょ。被弾したとこ見てみて。」
ソラは言った。
ライトは自分の右腕の被弾した箇所を見る。
ライト「なんだ、これ…?」
被弾した箇所を中心に、黒い何かが広がり染まっている。
その広がりは止まることなく徐々に体を黒く染めていた。
ソラ「異能には大きく分けて3種類ある。」
ライト「3種類?」
ソラ「ひとつは物質魔法。同期のカルミアのような能力で、実在する物体や事柄を魔法に変える能力。カルミアなら『花』を使うだろう?」
確かにカルミアは見た事のない魔法を使っていた。
それも全ての魔法が花の名前だ。
よくよく考えればあれも異能である。
ソラ「そしてもうひとつが召喚魔法。アギトやリディアのように、何かの使い手さ。そのままだけどね。」
アギトなら精霊、リディアなら竜。
ノアもこれに該当するのだろうか。
確か試練の時に『私のペット』と言っていたはずだ。
ソラ「最後に間接魔法。僕のような能力で、簡単に言えば独自の魔法を使う人。」
ライト「じゃあ、これは…?」
ソラ「間接魔法は特に複雑で、その人によって能力が全部違う。僕の使う異能【暗黒】はこの黒いのが魔法を消したり相手にデバフをかけてくれる。こんなことも出来るよ。」
そういってソラは指を鳴らす。
それと共に右腕が酷く痛み始めた。
ライト「あぁぁっっ!!!」
痛みに耐えきれず叫び声を上げる。
ソラはすぐに指を鳴らし、すると腕の痛みは突如として消えた。
ソラ「あー、ちょっと刺激が強かったかな。でもこんな感じで、デバフ効果を攻撃に変えることも可能。実際君は右手から魔法が放てなかった、それがそいつの能力だ。」
魔法が使えないどころかマナさえも集まらないのはソラの能力だったらしい。
ソラ「まぁ、これで終わろっか。」
ソラの周りを舞う黒いオーラのようなものがより一層量が増える。
ライト(まだ、…まだやれる!)
力なく立ち上がる。
余力はもう少ない、ここから長期戦に持ち込むのは至難だろう。
ましてや右手が使えない制限付きだ。
その状態でソラに勝つのはゼロに等しく不可能かもしれない。
だけど────。
ライト「それでも、まだ諦めたくないっ!」
ソラ「…! 《ヘルフィード》!」
寸前で上手く攻撃を回避し、右に転がる。
その後も放ってくる追撃を躱しながら走り、まずは体勢を整える。
ライト「《ブリッツストーム》!」
右手が使えないなら左手で。
これまで毎日精練してきたそのマナの操りが活かされてきたのか左手でも右手とほぼ変わらないスピード、精度、威力で放たれた。
ソラ「無駄だよ。《崩壊する宇宙》」
放たれたライトの魔法はソラが纏う黒いオーラのようなものに阻まれ消えてしまった。
なんとかあれを突破する方法はないのだろうか。
ライト「《レイジンググローム》!」
魔法が通らないなら直接当てに行くしかないと考え、左手で殴りにかかる。
左手を強く握り、その拳にマナを集結させソラに近づいていく。
ソラ「残念。」
ソラが小さく呟いた瞬間、ライトの左手が黒いオーラのようなものに直撃した。
ライト(っ……!?)
拳に触れたその黒いものは、固くはなく、柔らかくもなく。
液体でもなければ気体でもなく、固体でもないような。
まるで触れた感覚でさえ感じないほどにスルリとライトの左手を飲み込んだ。
ライト(しまった…!)
そう思っても時すでに遅し。
ライトの左手は黒いものの中へ取り込まれ、抜き出そうとしてもビクともしない。
ソラ「引っかかったね。」
ソラが後ろに後退する。
黒いものは左手から左腕、左肩と、ライトの体を伝っていく。
そのまま身動きも取れず拘束されてしまった。
ライト「くそっ…!」
ソラが操っているのか、黒いオーラのようなものが自然と浮き始め、ライトの体ごと宙に浮いた。
ソラ「これでゲームセット、僕の勝ちだ。」
そう言って指を鳴らす。
すると、黒いオーラのようなものが緑色に光出した。
ソラ「さっきみたいに君を痛みつけたりはしたくないから、君の残りの体力を吸収させてもらうよ。その方が痛みは少なくて済むし、楽に終わる。」
体から力が抜けていくのがわかる。
力を入れようとしても、抵抗しようとしても、体を動かすことは出来ず。
その姿はまるで抜け殻のようだった。
ライト(ここまで、か…。)
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どこからか声が聞こえた気がした。
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