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【最終話】リベンジ

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 ディザールが亡くなってから早くも2年の歳月が過ぎようとしていた。シンバードの復興をとうに終え、リリスとの結婚式も終えた俺は戦争後にリリスと二人で暮らしていた王宮殿近くの借り家をあとにし、荷物を背負って一人でシンバード港へ向かっていた。

 港へ向かう理由……それは勿論仲間達と共に勇者フォグスンの訪れた祭壇へ旅立つ為だ。

 港へ着くまでの道のりでは多くの民衆からエールを贈られ、もみくちゃにされながら息を切らして港に辿り着いた。すると一緒に旅立つ仲間達は既に船の上で最後の確認をしており、見送ってくれる仲間達は船の前で立っていた。

 ただの出航だから流石に大陸南の要人達は見送りに来ていないけれど、それでもヘカトンケイル、ジークフリート、リングウォルドなど、関わってきた国の多くの要人がわざわざシンバード港にまで見送りに来てくれている、ありがたいものだ。

 出航する他の仲間達は挨拶を済ませているらしく、一番最後に着いた俺は見送りにきてくれた者達へ一人一人別れの挨拶をすませていると、途中で人混みを掻き分けながらこちらへ来るシンの姿が見えた。

 シンは息を切らしながら俺の前にくると、少し寂しげな表情で話を始める。

「いよいよお別れだねガラルド君。確か一部ガーランド団のメンバーを加えた30名でモンストル号に乗り、リヴァイアサンの力を借りずに祭壇を目指す予定なんだよね? きっと厳しい航海になると思うから危ないと思ったらすぐに引き返すんだよ?」

「ああ、30人だけだしリヴァイアサンの力も借りないよ。グラッジが祭壇で魔獣寄せのスキルを消す事ができたらリヴァイアサンとやりとりできなくなって帰りの航海が困るからって理由で船のみで頑張る事になったよ。乗組員については戦争を共に戦ったレック、フィル、それに大陸南を共に旅したシルバー、ゼロ、パープルズも一緒に行きたかったんだけどな。皆、色々やらなきゃいけない事があるから今回の航海は一緒に行けないみたいだ」

「ガラルド君的には残念だろうね。だけど、大陸を代表する為政者として言わせてもらえば多くの優秀な人材が一度にいなくなるのは困るからね。全員がついていかなくて正直ホッとしているよ。本当はガラルド君達にだってシンバードにずっといて欲しかったからね」

「思えば俺は勝手にシンのところへ押しかけて勝手に出て行くんだから我儘だよな。今更だが、本当にごめんな、シン」

「いや、責めるつもりで言ったわけじゃないんだ。それにガラルド君にはやっぱり冒険がお似合いだよ。仲間の為に存在するかどうかも分からない祭壇を目指すような無謀で優しい冒険家、それこそがガラルド君だ。ほら、向こうでフィル君が待っているよ、別れの挨拶をしてきなよ」

「……ああ、今までありがとな! 祭壇を見つけたらすぐに帰ってくるよ!」

 湿っぽい空気を避けたかった俺は元気に別れの言葉を告げると、すぐにフィルの元へ向かった。フィルとは忙しくて半年ぶりぐらいに会うけれど、近くで見たフィルは以前より髪が伸びている……というかボサボサになっている。それに少し無精髭も生えていて老けている感じがする。

 そんなフィルの姿に困惑している俺を察してかフィルが先に話しかけてきた。

「僕の見た目の変化で驚いているみたいだねガラルド君。色々話したいことはあるけど、まずは旅立ちを祝う言葉をかけさせてもらうよ。ここまで準備とか色々大変だったね、この日を迎えられて僕も嬉しいよ。おめでとう、ガラルド君」

「ああ、ありがとな。ところでフィルの見た目が変わってしまった理由は何なんだ?」

「これは七恵しちけいの楽園に籠っていたのが原因だね。最近の僕は植物を成長させるスキル『グロース』を活かしたいと思って七恵しちけいの楽園の復興に務めているんだ。だから人目に触れるのは女神フローラぐらいだから身だしなみが適当になっちゃってね、世捨て人化が進む一方だよ」

「そうか、フィルだからこそできる立派な仕事だと思うぞ。きっとシルフィ母さんも喜んでるさ」

「ありがとう、そう言ってもらえて凄く嬉しいよ。元々シルフィ母さんは植物が大好きで、光属性魔術を使って度々花を世話していたらしいんだ。シルフィ母さんの技を受け継げなかった僕だけど植物好きの血は受け継ぐことが出来たからこそグロースを手に入れられたと思うようにしているんだ。だから、グロースは活かしていきたいし僕の誇りなんだ」

「ハハッ、そんなカッコいいこと言われちまったら航海についてきて欲しいなんて言えないな。これからもお互い頑張ろうな」

「うん、絶対に僕もガラルド君も目標を達成しよう。それで、話は少し変わるんだけど、ガラルド君にお願いがあって……」

「なんだよ、改まって。何でも言ってくれよ」

 フィルは少しモジモジした様子で周りを見渡すと、他の人に聞かれないように小声で尋ねてきた。

「間違っていたら申し訳ないんだけど、ガラルド君は祭壇への旅を無事終えられたらプレシャーデン大陸に行くつもりなんじゃないかな? もしプレシャーデン大陸を目指す時に僕が七恵しちけいの楽園の復興作業を終えられていたら同行させてもらえないかい?」

「えっ? 誰からその情報を聞いたんだ? まだ一部の人間にしか話していないし伏せといてくれと言ったのに……」

「誰にも聞いてないよ、今のは僕がカマをかけただけさ。でも、ガラルド君が分かりやすくボロを出してくれて助かったよ」

「てめぇ、このやろう……。お前は本当に俺やザキールの兄弟なのか? 口も頭もよく回りやがる……」

「アハハ! そういう意味では単細胞な君達とは似ても似つかないね。その点だけは学者で頭のキレるディザールに似たのかもね」

「単細胞……まぁいい、ついてきたければ来ればいいさ。どっちみち誘うつもりだったし、他にも誘いたい奴がいるしな」

「その誘いたい奴が後ろで話を聞いているかもしれないよ、ガラルド君?」

 フィルが変な事を言いだしたから慌てて後ろを向くと、そこにはニヤついたレックが立っていた。レックは楽しそうに頷きながら未来を語りだす。

「そうか、プレシャーデン大陸への上陸か。故人の遺志を極力尊重してやろうとするあたり実にガラルドらしい……いや、それ以上に冒険心が騒いでいるのか? どっちにしても面白そうな冒険だ。祭壇への旅はついていけないが、プレシャーデン大陸上陸の際は俺もついていきたいな」

「全部聞かれていたか、なら話が早いな。俺はレックをプレシャーデン大陸進出への旅に誘うつもりだし、本当は祭壇への旅もついてきて欲しかったよ。でも、レックは帝国にとって大事な存在だから俺の勝手な願いで振り回すことは出来ないもんな」

 俺がぼやくとレックは首を横に振り、懐から何かのバッジを取り出して呟いた。

「おいおい、リングウォルドはもう『帝国』じゃないぞ。今はもうリングウォルド共和国になったんだから言い間違えないでくれよ。ほら、これが皇族ではなく代表であることを示すバッジだ」

 バッジを掲げるレックはどこか誇らしげだ。確か以前にシン経由で聞いた話によると半年ほど前にリングウォルドは皇族が頂点に立つ政治形態をやめて、民衆が投票によって代表を決める民主的な政治に変わったらしい。

 千年以上続いた皇族による政治が終わった理由は先の戦争とレック・トーマスによる変革運動の2つが主らしい。とはいえ戦争終結の英雄として益々リングウォルド民から支持を得てしまったレックが半ば強制的に立候補者の一人に擁立されて代表に選ばれてしまったとのことだ。

 レックの功績を考えれば当然だとは思うが、これだけ慕われていてはずっと代表をやらされることになり、今後もずっと俺達の旅へ付いてくるのは無理なのではないかと思う。不安になった俺は早速尋ねてみる事にした。

「それじゃあ結局、代表の仕事が忙しくてレックは今後もずっと俺達の旅についてこれないんじゃないか?」

「いや、代表の席は一定期間ごとに投票戦が行われる決まりになっていて同じ人間は二度代表にはなれないルールにしてあるから大丈夫だ。まぁ、このルールはシン殿が言っていた『人も組織も孤独になったり肥大化する事でいつか必ず暴走や綻びが生じる』という言葉を参考に作らせてもらったものだけどな」

「そうか、じゃあやる事を全てやりきったその時はよろしく頼む」

 俺が握手を求めるとレックはすぐに応じ、強く握り返してきた。

「俺はお前がいたから救われたし、お前がいたから変われたんだ。だから今度は俺が民を……ガラルド達を助ける側になる番だ。ガラルドと再び会うその時までにもっと強くなっておくし、政治にも全力で励むよ」

 レックに追放されたことで本格的に動き始めた俺の運命が今、この瞬間の握手を以って節目を迎えた気がする。思い返せば本当に……本当に大変で楽しい冒険の日々だった。

 生まれや不条理に不貞腐れていた日々が遠い昔のように感じる。視界に映る見送りに来てくれた多くの人の笑顔こそが過去の俺が求めていたもの――――つまり『理不尽な世界へのリベンジ』だったのだろう、今なら確信を持って言える。

 求めていたものをいつの間にか手に入れていた事実に泣いてしまいそうだ。だけど、俺は笑顔で旅立ちたい。涙を必死に堪えながら船に乗り込んだ俺は大観衆に向けて手を振りながら叫んだ。



「皆! 見送りありがとう! 俺達は必ず目的を果たして帰ってくる! それまで元気でな!」



――――ワアアアアァァァァァ!! ――――



 海の魚が逃げ出すんじゃないかと思うぐらいに大きな歓声が港に響く。姿が見えなくなるまでずっと手を振り続けてくれている民衆を見届けた俺はブリッジに視線を戻し、仲間達へ語り掛ける。

「みんな、これからは長い長い航海になる。無事祭壇を見つける為にも慎重に進んでいこうな。まずはシンバード海を西に抜けて運河を通り、内海に行かないとな。風と波は順調そうかサーシャ?」

「う~ん、サーシャもこの2年で出来るだけ航海の勉強をしてきたけど順調だと断言する自信はないかな。最近、運河の入口は波が荒くなっているし、クラーケンをはじめとした危険な海棲魔獣も多いらしいからね。お兄ちゃんならズバッと断言できると思うんだけど……」

「大丈夫さ、サーシャの航海術だって十分頼りになるよ。だが、クラーケンは流石にちょっと恐いな。あいつらはパワフルでタフだから撃退するのも骨がおれ――――痛っ!」

 サーシャと会話している途中で誰かが突然俺の右腕を強く引っ張ってきた。何事かと視線を向けるとそこには青ざめた顔のリリスが人差し指を船首の方へ向けていた。

「ガ、ガ、ガラルドさぁぁん! 海に謎の大きな丸い影がいくつも浮かんでますよぉ! もしかしてアレが最近噂になっているクラーケンでは?」

「5,6,7……ざっと数えて7体は見えるぞ……。一体だけでも結構厄介な魔獣なのに7体も相手にしていたら消耗しちま……ん?」

 俺は言葉を途中で詰まらせて海面を見つめた。その理由は海に浮かぶ影からクラーケンらしくないゆっくりとした浮上で巨体が次々と浮かんできたからだ。

 その動きは水面から船の様子を伺うのではなく、既に死んでいて死体が浮かんでいるような感じだ。

 不審に思った俺は皆を代表して浮かんでいるクラーケンに飛び移って肉体に触れてみたけれど、やっぱり全てのクラーケンが死んでいるみたいだ。しかも、倒されてからほとんど時間が経っていないようにも見える。

 手強いクラーケンが7体も倒されている不思議な状況に困惑していると今度はグラッジが運河の入口の上空を指差した。

「あっちを見てくださいガラルドさん! あの後ろ姿は!」

 遠くて詳細には見えないが今、確かに魔力の羽を広げた人型の影が飛んでいく姿が見えた。飛行して去っていく人間……そして強敵クラーケンの死体……。まるで安全な船出をサポートすると言わんばかりの善行に務めて、尚且つ何も言わずに逃げるような奴は一人しか心当たりがない。

「そうか、生きているって事は2年経った今も契約を守り続けているんだな。楽に運河を通れるようにしてくれたのは奴なりの餞別と受け取ろうか」

 気が付けば俺は薄く笑みを浮かべていた。あの時、奴を殺さなかったことが無駄じゃなかったと認識できたからだ。

 俺達の船はクラーケンの傍を通り抜けて運河へ突入すると、今度は俺の左腕にリリスが優しく抱きつき、猫撫で声で呟いた。

「色々ありましたが、遂に私達の長い新婚旅行が始まりましたねぇ~。この機会にまだ人前で腕を組めないひよっこカップルに私達の愛を見せつけてやりましょうね、ガラルドさん!」

 リリスが珍しくサーシャとグラッジを煽っている。それを真に受けたサーシャは鼻息を荒くしながらグラッジの腕に抱きついた。

「サーシャ達はひよっこカップルじゃないもん! ほ、ほら、こうやって皆の前で腕だって組めるし! そうだよね? グラッジ君?」

「い、いや、やっぱり僕は人前だと恥ずかしいです。ガーランド団全員の視線が痛いです。リリスさんへ煽らないように叱ってくださいよ、ガラルドさ~ん!」

「う~ん、リリスの暴走を止められるもんなら出会った頃に止めているからなぁ。悪いが諦めてくれグラッジ。それに、まだここで抱き着かれる分にはいいじゃないか。もし、ここにシスコンのシルバーがいてみろ、大変な事にな――――」



――――サーシャァァァッッ! ――――



 俺の後ろ側から突然、野太い叫び声が聞こえてきた。俺の後ろには木箱しかなかったはずなのだが……。恐る恐る後ろを振り返るとそこにはシルバーがいて、他にも女神ウンディーネとパープルズの姿もあった。

 俺が「なんでお前らがここに!」と尋ねると、シルバーが代表して説明を始める。

「俺達は故郷や各町でやらなければいけない事があった面子だが、どうしても旅についていきたくて脱走したんだ。俺は親父の目を抜け出してきたし、ウンディーネさんも似たような感じだ。パープルズはちゃんと手続きを踏んで許可を貰っているけどお前達を驚かしたかったから同じ木箱に隠れてたって訳だ。これから俺達も頑張るからよろしくな、ガラルド団長!」

「……ったく、お前らは……まぁいい。正直、ついてきてくれて嬉しいからな。それじゃあ早速、航海士としての仕事を頼むぞ、シルバー」

「ああ、だが仕事前にやらなきゃいけない事がある。サーシャ相手に鼻の下を伸ばしている悪ガキを成敗しなくちゃな! 覚悟しろ、グラッジ!」

「うわーーん! 僕は悪くないですってば!」

 スキルを消しに行く旅とは思えないワチャワチャっぷりで俺達の船は進み続けた。グラッジを追い回すシルバー、兄を叱るサーシャ、それを笑って見守る団員達。この仲間達とならどんな困難が訪れても笑って進めるはずだ。

 リリスは頭を俺の肩にあずけて寄りかかると、騒いでいる仲間達を眺めながらしみじみと呟く。

「ガラルドさんの傍にいるとホントに楽しいですね。これからハンターガラルドの大冒険第2章についていけるんだぁ~、と考えただけでワクワクしちゃいますよ」

「第2章……か。そう考えると故郷とモンストル大陸を救った第1章は随分と濃い冒険だったな。こりゃあ第2章,第3章はどんなに大変な冒険になっちまうんだろうな?」

「さあ、どうでしょうね? きっと全く想像できないから楽しいのだと思いますよ。多くの個性と夢を乗せた船がどんな風に進むかなんて神様でも女神様でも分かりませんからね。でも、一つだけ確かなのは失ったものを取り戻そうとしてきたこれまでの旅と違い、これからの旅は欲しいものを求めに行く旅になりますから絶対に今まで以上の楽しい旅になるって事です」

「フッ、確かにそうだな。それじゃあ進むとするか、楽しい未来を探しに!」


 俺達の船は夢を乗せてずっとずっと進み続ける。今、ここにいない仲間達や散っていた者達の想いも乗せて。

 その航路の先にはきっとあるはずだ、到底言葉になんかできない最高の冒険と物語が。










――――あとがき――――

 拙作【追放者集めの女神】を読んでくださった皆さん。ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございました。

 最終話の後、ガラルド達がどんな人生を歩んでいったのか……それを描く日が来るかは今のところ分かりませんが、強大な敵を倒し、大陸一の英雄となったガラルドの物語はここで区切りとなります。

 最終話である458話の後に更新予定の『作者 腰尾マモルの次回作以降の予定』そして『追放者集めの女神と同じ世界観の別作品の話』も読んでいってもらえると嬉しいです(同日にあげるつもりです)

 そこでは連載期間に感じたことや読者様への感謝の言葉なども書くつもりですので最後までお付き合いいただけると幸いです(お知らせもありますしね)

 それではまたお会いできることを楽しみにしております。


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