見捨てられた俺と追放者を集める女神さま スキルの真価を見つけだし、リベンジ果たして成りあがる

腰尾マモル

文字の大きさ
上 下
343 / 459

【第343話】名もなき英雄

しおりを挟む


「これで皆さんに帝国の恐ろしさを分かってもらえたと思います。なので、ここからはシンバード陣営が勝つ為に未来の話をさせてください」

 一際険しい顔で語り出す帝国兵に何か嫌な予感を覚える。よっぽど厳しい事を言われるのかと覚悟した俺だったが、俺の予想は違う形で裏切られた。

「今から私が話す『シンバード陣営が勝つ為の策』は至ってシンプルです。そして、私は『策の細かいところ』までは話す事が出来ません。ですが、どうか私を信じて、私の言った通りに動いてください……我々帝国軍とシンバード陣営が戦う時は――――」

 帝国兵の念を押すような言い方を聞いている内に俺は彼が何を意図しているのかが分かった。

 彼がわざわざビエードとグリメンツの話を絡めつつ、帝国の恐ろしさを語り、その後に勝つ為の策を語り始めたのは恐らく『策を話した瞬間に彼がグリメンツの契約で殺される』からだ。

 命懸けで情報を伝えようとしてくれている彼の心は立派だが彼を死なせたくない……全員の中でいち早く気付いた俺が帝国兵の口を塞ぐべく、素早く手を前に差し出した。だが、俺の動き出しは一瞬遅く、彼はベッドから後ろへ飛び跳ねて禁じられた情報を口にしてしまう。

「どんな戦況であろうとも、必ず一直線にミニオス殿下とバイオル殿下を倒してください! それにより戦力の……ぐはぁっっ!」

 やはり俺の予想は当たってしまった。帝国兵はビエードの時と同じように大量の血を吐き、背中からグリメンツの契約違反時に現れる黒い霧を出現させた。

 ビエードの時以上に消耗していた帝国兵はそれ以上何も喋れなくなり、そのまま崩れるように息を引き取ってしまった。ビエードの時はもう少し長く喋る事が出来ていたから、同じぐらい喋れていたならもう少し詳細を聞く事が出来たかもしれない。

 ミニオスとバイオルという名前には聞き覚えがある。確かモードレッドの弟の名前でミニオスが次男、バイオルが三男のはずだ。彼の言い方から察するにどうやら二人はレックとは違ってモードレッドに従順なようだ。

 恐らくモードレッドを直接狙うには防備が硬いうえにモードレッド自身が強いから難しいのだろう。彼がわざわざ二人を一直線に狙えと言っていたのは恐らく二人を倒す事で帝国軍の指示系統が一気に半壊するからではないだろうか?

 グリメンツの霧のせいで彼は詳細を語る時間が無かったが俺達の取るべき選択は知る事が出来た。

 レックの部下として、そして帝国を愛する兵として、命を差し出して最後まで務めを果たしきった彼に心から賛辞を贈りたい。

 だが、立派な心を持って散っていった彼が亡くなった直後、彼を侮辱する高笑いが診療室に響き渡った。俺達がこの不快な笑い声を聞くのは二回目だ。グリメンツの契約を破ったことで現れた黒い霧はジークフリートの時と変わらない顔で帝国兵の侮辱を始める。

「カカカッ! レックという馬鹿な上司を持って、青臭い正義感を抱いたばっかりにコイツも無駄死にしちまったみたいだなァ! 大陸の頂点に立つのはリングウォルドただ一つだっていうのによォ!」

 この霧をぶん殴ってやれるものなら今すぐやってやりたいところだが、こいつは生命でもないし、契約を実行しているに過ぎない。自我こそあるようだが、俺達が倒すべき敵はこいつではない。

 俺は今にも殴りかかりそうな自分を何とか抑えながらグリメンツの霧に問いかける。

「汚い言葉を吐くな、耳が腐る。それより俺の質問に答えろ。お前はグリメンツの契約を破る奴が現れる度に場所も関係なく殺しに来るのか? それに俺達の事情をある程度分かっているようだが、契約者の死を以て得た情報をモードレッドに流しているのか?」

「チッ! 意外と冷静じゃないか、もっと俺様に怒りを向けて欲しかったんだがな。まぁいい、特別に教えてやろう。俺様が自らの目と耳で情報を得られるのは具現化している時だけ、つまり契約を結んでいる最中と契約者を殺す時だけだ。殺した時も数分しか霧の形を維持できないから誰かに情報を流す真似なんて出来ねぇよ。嘘だと思うならジャッジメントでも使って確かめればいい」

「ほう、ジャッジメントを知っているのか。って事は帝国の人間からある程度情報を教えてもらっているようだな。恐らく契約を結んでいる最中に色々吹きこまれたか、もしくは自ら面白がって尋ねたか……ってところだな。あんまり喋り過ぎると身を滅ぼすかもしれないぜ?」

「くっ……怒りを抑え込んでいるうえに頭まで回っているとはな、逆にこっちがムカついてきたぜ。やるじゃねぇか強そうな兄ちゃん」

「褒めてくれてありがとよ、それじゃあお言葉に甘えてジャッジメントを使わせてもらうか。シン、よろしく頼む」

 俺がお願いするとシンは早速、グリメンツの霧に「今までの言葉に嘘はないか?」と問いかけた。

 グリメンツの霧は律儀に「全部本当だ」と答え、奴にジャッジメントを刺すと刀身は青く光り真実であることを示していた。

 だが、元々ジャッジメントの性質として『皇帝または否定』の意思を示さなければ、虚実の判定が出ないというものがある。だから、黙るかとぼけるのがグリメンツの霧にとっての正解だったのだろう。

 グリメンツの霧があまり賢くなくてよかった。とはいえ、このままグリメンツの霧が消えるのをただ待つのも癪だ、折角なら利用してやりたいところだ。

 俺は一つの案を思いつき、それを実行する為にシンからジャッジメントを借りて、グリメンツの霧に再び問いかけた。

「グリメンツの霧よ、一つ聞かせてくれ。お前はあくまで契約と契約者を殺す事を楽しんでいるだけであって、どちらの味方という訳でもないんだよな? もしお前が平等な存在ならやって欲しい事がある。もし仮にモードレッドの近くでお前が再び出現することがあったら、奴に伝言を頼みたいんだ」

「ああ、兄ちゃんの言う通りあくまで俺様は契約を最優先するだけのアーティファクトだ。言うなれば悪魔の契約と一緒で約束だけは絶対に守るが、その後は好きにさせてもらうし、誰の味方という訳でもない。俺様は面白い状況を見られればそれでいい。お前の伝言とやらを届けられる状況になったら届けてやってもいいぜ。勿論嘘じゃないから確かめたかったらいくらでも確かめろ」

 悪魔の契約とやらはよく分からないが、どうやらグリメンツの霧みたいな特殊な仕組みは自我こそあれど嘘はつかないようだ。念のためにジャッジメントをグリメンツの霧に刺して真偽を確かめてみたが、やはり奴の言葉に偽りはないようだ。

 俺は今、心の中に抱いているありったけの想いをモードレッド宛てに呟く。

「それじゃあモードレッドにこう伝えてくれ。お前ら帝国が大陸の支配者になることはない、お前らが俺達の国を攻めてきても俺が必ずお前をぶっ潰すってな」

「ほほう、久々に凄い迫力を出す人間を見れた気がするぜ。兄ちゃんの気持ちは本気のようだな。分かったモードレッドの前に現れることがあったら伝えてやる。俺様はただただ面白い争いが見られればそれでいい、精々俺様を楽しませてくれよ」

 グリメンツの霧は相変わらず不愉快な表情と言葉を発し、この場から消えようとしていた。だが、グリメンツの霧が消えようとしたその時、サーシャが俺の前に出てグリメンツの霧に語り掛けた。

「待って! サーシャも伝えて欲しい事があるの! もし、モードレッドさんに会ったらその時は『帝国が負けたらビエードさんの墓の前で謝って』と伝えて欲しいの。ビエードさんの遺体と魂は今もジークフリートにあるから、サーシャの第二の故郷で散っていった者として、モードレッドさんに謝らせたいの」

 ビエードには散々苦しめられたというのにサーシャは本当に優しい奴だ。きっとサーシャの人間性と説得の言葉があったからこそ、最後にビエードは帝国に牙を剥く選択をしてくれたのだろう。

 サーシャの言葉を受けたグリメンツの霧は最後に小さく笑みを浮かべ「面白い奴らだぜ、お前らなら本当に勝てるかもな」と呟きながら消えていった。





 今日は本当に色々な事があった。まさか、ここにきてグリメンツの霧と再会するとは思わなかったし、レックの部下が命を捨ててまでシンバードに情報を流してくれるとは思わなかった。

 俺達は亡くなった帝国兵に敬礼を贈り、遺体を棺にしまい、彼の偉業と志を称えて手厚く葬ることにした。

 どうやらレックの部下はシンバードの規定により、第一級功労者として贈位され、一際立派な墓が建てられるそうだ。名前を聞けなかったから墓石に名前を掘れないのが残念だが、それは後々レックへの報告を兼ねてレックから聞く事にしよう。



 俺達はアスタロト陣営に勝ち、帝国陣営に勝ち、レックを助け出して、命を犠牲に情報を伝えてくれた彼の名前を知る大仕事を必ず成し遂げてみせる。

 決戦まであと少し……俺達はよりいっそう絆と決意を固め、最終決戦への準備を進めていった。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します

かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。 追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。 恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。 それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。 やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。 鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。 ※小説家になろうにも投稿しています。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!

よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。 10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。 ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。 同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。 皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。 こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。 そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。 しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。 その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。 そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした! 更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。 これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。 ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

処理中です...