見捨てられた俺と追放者を集める女神さま スキルの真価を見つけだし、リベンジ果たして成りあがる

腰尾マモル

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【第97話】エナジーストーンの成り立ち

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 俺と門番の戦いを止めて、絵本のヒーローのような仰々しい跳躍で現れた謎の男はニッと笑い、門番兄弟の方へ近づいて言った。

「門番ブラザーズの二人で敵う相手じゃねぇよ、砂の兄ちゃんが見せた魔力変化はかなりのもんだ。それにまだまだ余裕がありそうだから恐らくもう一つぐらい先の段階があると思うぞ。気の毒だが門番ブラザーズは砂の兄ちゃんに手を抜かれていたってことだな、怪我をさせないように気を使ってくれたんだろう」

 どうやら謎の男には何もかもバレているようだ。あの慧眼からも恐らく門番兄弟より数段上の実力を持っているのだろう。謎の男は野太い声で浅黒い肌が映える筋肉質な奴で、切れ長な目つきと頬にある幾つかの傷もあいまり、荒波を超えてきた漁師のような凄味がある。

 俺はこの男の事が気になって素性を尋ねてみた。

「短い時間で俺の事を見抜くなんて凄いな、あんた。俺の名はガラルド、シンバードのハンターをしながらドライアドの復興も担当している者だ。あんたの名を聞かせてもらってもいいか?」

「俺の名前か? あ~、えっと、あれだ、アイコリーだ。色んなところを旅しながら物作り全般の知識を学び、アーティファクトの伝承も追っている。今は『岩の町エナジーストーン』で色々と勉強中だ、よろしくな」

 男は再び笑顔をこちらに向けて握手を求めてきた。それにしてもアイコリーという男の返事は妙だった。端に名前を聞いただけなのに、思い出すように喋っていたかと思えば、旅の理由はスラスラと語っている。

 名前もどちらかと言えば女性的な名前で彼にあまり合ってない気がする、もしかしたら本名を隠しているのだろうか? 気になるところではあるが、今は戦いを止めてくれた礼を言うのが先だ。

「俺達の戦いを見極めて止めてくれてありがとなアイコリー。止めてくれたということは、俺達を認めてくれて町に入れてくれるという事でいいんだよな?」

「ああ! いいと思うぞ、多分」

 多分? また妙な言い方をする彼に疑問を抱いていると、門番兄弟の兄の方がアイコリーに近づいて頭を軽く小突き、呆れた声で言った。

「なに勝手に通そうとしてるんだよ、お前はおさに気に入られているただの旅人だろうが。立場的にはガラルド御一行と全く変わらないぞ」

「まぁまぁ、俺も二百日以上ここを拠点にしているんだし大目に見てくれよ。それに門番ブラザーズだって、ガラルドを合格だと思ってるんだろ?」

「うむ、悔しいがお前の言う通りだ。ガラルドは魔力砲を使った帝国兵よりも更に強い戦士だったが、帝国武術特有の精錬された動きや癖みたいなものは一切感じられなかった、典型的な我流闘法なうえに、あらゆる点で無駄が多い動きだったよ」

 散々な言われようだが、とりあえず認められたようで嬉しい限りだ。そして、気になるのが『魔力砲』というワードだ。

どうやら帝国は一度コメットサークル領に来て武力を誇示したようだが、それでもここが支配されている様子はない。この町と帝国との間に何があったのか気になるところではあるが、町の入口で話し込むのもなんだし、後でじっくり聞いてみることにしよう。

 進路を塞いでいた門番兄弟が横にはけると、大きな入口扉の前にアイコリーが立ったかと思うと、仰々しく腕を広げて宣言した。

「ようこそ、超巨大岩の内部あらため、活力岩の町エナジーストーンへ!」

 お前が言うなという門番兄弟の視線を背中に受けながらアイコリーはゆっくりと扉を開けた。すると俺達の視界に見た事がない景色が飛び込んだ。

それは馬鹿デカい空間の中に蜘蛛の糸のような道が縦横無尽に張り巡らされていて、蜂の巣のように空いた大小さまざまな岩穴の中で沢山の店や施設が稼働しているのである。

何階建てと言えばいいのか、それとも何層建てと言えばいいのかは分からないが、見上げる首が痛くなる程高い位置にも岩穴があることからも五十階はゆうに超えた高さだろう。

外から見た時も岩穴で生活する人々の姿が見えたが、中の様子はさらに活気づいており、岩穴によっては家畜を飼っているところや畑をしているところ、さらには学校のようなところもある、圧巻の景色だ。

 一体どういう理由でこんな形態が出来上がったのかが気になった俺はアイコリーに質問した。

「聞かせてくれアイコリー。太陽の光も当たらないような巨大岩の中でどうやってこんなに立派な町を発展させられたんだ?」

「いい質問だ、教えてやろう。その秘密は巨大岩の中心にあるんだが、今いる位置では糸道いとみちが陰になってしまって見え辛いな、こっちへ来てくれ」

 俺達はアイコリーの指示に従い、三十秒ほど歩いてから巨大岩の中心を見つめた。するとそこには強い黄色の光を放つ卵の様な発光体が浮かんでいた。その光は太陽の様な直視できない程の眩しさはないけれど、不思議と強いエネルギーを感じる。

 アイコリーは発光体を指差しながら、アレがどんな役割を果たしているのかを教えてくれた。

「あの発光体の説明をする前に、この町の成り立ちを説明しておくぞ。この町エナジーストーンは大昔、空に見えていた彗星が今俺達のいる場所に落ちて突き刺さり、その彗星を住処にして作られた町だ。昔の人は彗星の中心に発光体を発見し、あの発光体が放つ光が太陽の光や魔力に似たエネルギーを持っていることを解明したんだ。それ以来、農業、畜産、魔術修練、あらゆる分野であの光を利用することになって今に至る訳だ」

 それからアイコリーは発光体がいかに凄い存在かを教えてくれた。あの光は植物に当たれば肥料のように成長を促進させ、動物や人間に当たれば回復力や魔力・魔量増幅の効果もあるらしい。

特に回復力・魔力・魔量の向上が優秀で、エナジーストーンで修練を積んだ戦士は皆強靭な肉体と耐久力を得ているらしい。門番兄弟がやたらとタフだったのもそのせいだろう。

 そして、大昔に落ちてきた彗星は落下の衝撃で周囲に破片を散らばらせたらしい。その破片は町の中央にある巨大な発光体に比べれば効果は低いものの、同じようにエネルギー増幅の効果があるとのことだ。

結果この町以外にも色んなポイントで動物や魔獣を活性化させてしまっているそうで、外で俺達を追ってきたバトルウルフも破片から出る光で強くなったと考えられる。

 コメットサークル領は良くも悪くも『彗星=活力岩=エナジーストーン』によって成り立っている社会のようだ、町の名前をエナジーストーンにしている点からも伺える。

ここまで変わった町ならもっと色々と調べたいところだが、俺達の目的は他にある。まずは町長に話を聞くのが一番手っ取り早いだろう、俺はアイコリーに町長の場所を尋ねた。

「すまないが町長に会わせてくれないか? 色々と話したいことがあるんだ」

「おう、構わないぞ。町長はエナジーストーン内の一番高い場所にいる。ほら俺が指差しているポイントに大きな看板があるだろう? そこに描かれている隕石のマークが町のシンボルだ。看板が設置してあるあっちの穴が町長の住む家だ」

 やはり町長が住む家だけあって他の穴住居よりも大きく、かなり下方にいる俺達にもはっきりと見えた。とは言え何階相当かも計算できないぐらい高い場所まで登るのはかなり骨が折れそうだ。

「あの高さに加えて、縦横無尽に伸びる糸道いとみちを登っていくとなるとかなり時間がかかりそうだな、エナジーストーンの住人はいつもこんな大変な移動をしているのか?」

「いやいや、そんなめんどくさい場所なら大人しく平地に住んだ方がいいし、ここまで発展もしないさ。エナジーストーンの各所にはところどころ青白く光る床や壁があるんだが、そこに足をかけて跳躍すると、まるでバネを踏んだかのように大きく跳ねて、あっという間に上に行く事ができるんだ。逆に降りる時は青白く光る床に飛び降りればいい、簡単だろ?」

 確かにアイコリー言う通り所々に直系3メード程の光る床があるのが見える。これも彗星に宿っていた不思議な力なのだろうか? アイコリーの説明だけでは、いまいち移動のイメージが湧いてこなかったが、アイコリーがすぐに手本を見せてくれた。

「俺の真似をして光る床で飛んでくれ、軽くジャンプしたつもりでもかなりの反発力があるから飛び過ぎに注意してくれよ? それじゃあ行くぞ、とりゃ!」

 そう言うとアイコリーは猫でも目を見開くレベルの跳躍で上へ上へと飛んでいった。一回の跳躍で十階相当の高さまで飛んでいるのではないだろうか? それを数回繰り返してあっという間にアイコリーは町長宅前に到着した。

 少し怖いが勇気を出して俺達も光る床にトライしてみた。

 するとノミにでもなったかのように俺達の体が弾んだ。重力がなくなったのかと思うぐらい浮遊感が凄まじい。

軽くジャンプしただけでこれだけの反発力を生むのなら、全力で飛んだらどうなるのだろうと試したい気持ちを我慢しながらコツコツと上へ飛んでいきアイコリーに追いついた。

「流石ガラルド、飲み込みが早いな。こんな感じで町の中を移動する時は光る床で飛んでみてくれ。それじゃあ町長の家に入るが準備はいいか?」

 アイコリーの確認に俺は首を縦に振った。いよいよ風変わりな町の代表とご対面だ。

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