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【第84話】元仲間
しおりを挟むレックとの再会から二日後の正午『俺 対 レック』の陣営代表模擬試合の時が訪れた。
一時的に復興作業の手を止めて集まった両陣営の人々は思い思いに声援を飛ばしていた。
「レック様ぁぁ! 頑張ってくだされ!」
「シンバード魂を見せてやれガラルド!」
「帝国こそ力なりィィ!」
「私の分までボコボコにしてくださいガラルドさーーん!」
コロシアムの時と同じようにまたリリスの声が聞こえた気がする……。そもそもリリスはヘカトンケイルの診療所でレックにビンタをかましているから、俺より先に鬱憤を晴らしている気がするのだが……考えない事にしよう。
観客席にはレナ、ヒノミ、サーシャの姿もあり、リリスを含む四人が『闘魂ガラルド』と記されたハチマキを頭に巻いている。感染源は恐らくリリスだろう。
試合前だというのに緊張感がなくなりそうな光景に笑っていると、俺の傍にストレングが近づいてきた。
「どうだガラルド、緊張してるか?」
「いいや、全然。むしろリリス達のハチマキが気になってしょうがないよ」
「ストレートなリリスらしい素晴らしい援護じゃないか。そう言えば援護で思い出したがレックに取引を持ち掛けたワシも中々のファインプレーだったじゃろ?」
「結局肝心の試合を担当するのは俺だけどな。だが、確かに勝利したら陣地を広げるという約束は良いと思ったよ。負けてもこっちの陣地は減らないしな。とは言え3%じゃなくて、もうちょっと多めに交渉してもよかったんじゃないのか?」
「いや、あれぐらいがいい塩梅じゃと思うぞ。多過ぎると勝ちを確信していると思われるし、少な過ぎると向こうにダメージを与えられないからな。あの坊ちゃんは政を分かっていないから、3%なんて軽いと思っておるじゃろうな」
ストレングの言う事は一理ある。今回の交渉では帝国が負けた場合、ただ単に3%領地が減るだけではない。3%減ったうえでシンバード側に3%の陣地が拡充されることになるから競争相手との差は実質6%開くことになる。
レックが絶対に勝てると思うぐらい強大な力を手に入れたのではなく、単純に自信過剰な馬鹿であることを祈るばかりだ。
ストレングとそんな話をしている間に審判役であるレックの部下が間もなく試合が始まると伝えてくれた。
「ガラルド殿、中央広場の祭舞台へおあがりください。レック様がお待ちです」
「ああ、舞台の中心で俺を睨んでいるレックの視線を感じるよ。それじゃあ行ってくるよストレングさん」
「おう、頑張ってこい。油断するなよ」
俺は審判の後ろをついていき祭舞台へと上がった。流石にコロシアムの武舞台に比べると小さいものの、360度みんなの顔がよく見えるいい舞台だ。
審判は俺とレックの間に立つとルールの再確認を行った。ルールはコロシアムとほぼ同じで場外負けとギブアップと十秒間起き上がれなかったら負けとなるようだ。
審判が説明を終えると自信満々にニヤついたレックが俺を挑発してきた。
「危なくなったら直ぐにギブアップしろよ、俺は上手に手加減したり、場外勝ちをさせられるほど器用じゃないからな」
如何にもレックらしい言葉で安心感すら覚える。だから俺も俺なりにレックを挑発する事にした。
「じゃあ俺は極力お前を怪我させずに場外で倒す事にするよ。立派なお兄ちゃん達に恨まれても困るからな」
「チッ、相変わらずムカつく野郎だぜ、おい、審判! 早く試合を開始しろ」
イラついたレックは細剣を握りしめて催促した。そう言えば以前は幅のある長剣を使っていた筈だが戦い方を変えたのだろうか。昔の事を思い返していると審判が「始め!」の掛け声とともに、試合開始を告げる金属の円盤を鳴らした、戦闘開始だ。
俺は様子を見る為に無纏の型でひとまず相手の出方を探る事にした。棍を構えて少しずつ擦り足で近づいたものの、レックはレイピアの切っ先をこちらへ向けたまま微動だにしなかった。
ここは大技を使う前に魔量の消費が少ない技を仕掛けるべきだと判断した俺は棍に回転砂を纏わせて、そのままレックの手元を叩く為に踏み込んだ。その瞬間、レックは半歩後ろへ下がって棍を避け、後ろへ下がった反動を利用し、レイピアで前進突きを放ってきた。
突きを防がなければと俺は棍で防御姿勢を取ると、レイピアは棍の先端に衝突した。ひとまず突きを防ぐことが出来たと安心した俺だったが、レックは不敵な笑みを浮かべていた。
「受けてしまったなガラルド」
有利を得たような言い方をするレックに危険を感じた俺はすぐさま大きく後ろへ離れた。しかし、レックは追撃してくる様子はない。何か変化が起きたのかと自分自身を確認すると、棍に纏っていた筈の回転砂が綺麗さっぱり消えていた。
「まさか、魔力をかき消すスキルを会得したのか?」
「その通り、勘が良いなガラルド。お前をパーティーから追放した後、俺はスキルを開花する為にひたすら模索し、修行に励んでいた。もともと魔術適性は高いものの、先天・後天スキルともに発現していなかった俺は剣術と魔術だけで高位のハンターにまで成り上っていたのはガラルドも知っているだろう? そんな俺が厳しい修行の末、遂に後天スキル『バニッシュ・レイピア』を手に入れることが出来たんだ」
俺は正直驚いていた。先天・後天スキルというものは、スキル鑑定を行って石版を読んだとしても明記されていないことはざらにあるし、ハンターと言えどもスキルを一つも持っていない人間の方が割合としては多い。
漠然と修行していても開花しないケースも多いことから、僧院の修行僧などは厳しい特訓を積んで自分を追い込んだりもするが、それでも開花しないことは多い。
過半数のハンターや昔のレックの様に、スキルが無い事を悩んでいる者がいることを考えれば、俺はスキルを得られているだけありがたいと思う。
『回転砂』のスキルを『砂飛ばし』スキルと勘違いしていたせいで昔はほとんど性能を発揮できなかったが、それでも早いうちから砂を動かす感覚だけは修行できていたからこそ、長い時間をかけて今の俺の強さに繋がっているのだと思う。
だが、レックは俺と違い短期間でスキルを開花させ、実戦で使えるレベルにまで達している。それに加えてレック自身が自慢気に言っていた通り、剣術と魔術の腕だけであいつはスターランク70にまで登りつめていた逸材だ。
俺は今まで少し侮っていたレックへの認識を改めて、意識をレックの剣先へ集中させた。とにかく防御と攻撃を兼ね備えた『バニッシュ・レイピア』を受けてはならない。
「レック、同じパーティーにいた頃とは比較にならない程に強くなったみたいだな。ワクワクするぜ」
「楽しそうにしているその顔を引きつらせてやる、行くぞ!」
そこからレックはフェイントを交えた素早い連続突きを放ってきた。速度に特化したレイピアを捌くのは難しく、俺の両腕にレイピアが掠った。
「畜生、大した手数だぜ、これならどうだ! サンド・ストーム!」
俺は全方位防御が可能なサンド・ストームを生成した。これならバニッシュ・レイピアで部分的に穴を開けられても直ぐに修復すればいいからだ。しかし、その計算は甘かった。サンド・ストームの奥で深呼吸をしたレックは、強い踏み込みと共に力強い突きを放ってきた。
「纏めて消え去れ、破ッッ!」
レックの掛け声と共にレイピアとサンド・ストームが衝突する。すると一点にしか接触していなかった筈のサンド・ストームが全て消滅してしまった。どうやらバニッシュ・レイピアで消し去れる範囲はレックの出力次第で変わるようだ。
これでは俺も迂闊に大技が出せない、とにかく距離を取らなければと後ろへ飛んだ俺だったが、その判断も良くなかった。
「逃がすかよ、ファイアーボール!」
大きく後ろへ飛んでいた俺は足が浮いていたせいで火球をもろに受けてしまった。神託の森でハイオークの背中を焼いた時よりも遥かに強い熱が俺の体を襲う。慌てて地面を転がり火を消した俺の元へ、レックが距離を詰め、突きを放ってきた。それを俺はギリギリ棍で受け止めた。
「チッ、しぶとい奴め」
悪態をつきながらもレックは少し笑っていた、手ごたえを感じているのだろう。このままでは完全にレックのペースだ、どうにかしなければ。
しかし、遠距離攻撃のサンド・ホイールやサンド・テンペストはかき消されてしまうし、レック自身にも遠距離魔術がある以上分が悪い、かと言って棍に回転砂を纏わせるトルネードブロウもレイピアで受けられたら消されてしまう。
だったら俺に取れる手段は限られてくる。俺は再び手に魔力を込めて言った。
「バニッシュ・レイピア……いい技だが、結局のところ触れたエネルギーしか消せないんだろ? だったらやりようはある。リトル・トルネード!」
俺はぶっつけ本番で威力の弱い見掛け倒しの竜巻を大量に生成した。これをレックの周囲で旋回させて撹乱し、前後左右に死角を作って一撃を与える作戦だ。これにはレックも驚いたようで、険しい顔をしながら地道に一個一個竜巻を消滅させていった。
その間に俺はレックの斜め後ろへ回り込んだ。そして、レックが前方の竜巻を処理している間に自身の足裏に魔力を集中させ、小さく呟いた。
「サンド・ステップ」
足裏に圧縮された回転エネルギーが俺の体を高速で射出した。風切り音を乗せた俺の拳がレックの背中に直撃する。
「ぐはっっ!」
うめき声をあげたレックの体は旋回する竜巻を突き破り、祭舞台を飛び出す勢いで飛んでいった。これでレックの場外負けだと期待した俺だったが、奴はそんなに弱くはなかった。
レックは吹き飛んでいる最中、片手に風の魔力を練り出し、場外方向へ放出して吹き飛ぶ体を無理やり止めた。
あと数メード吹き飛ばせていれば勝つことが出来たのだが、悔しがっている暇はない。俺はレックが態勢を整える前に再び、サンド・ステップで距離を詰めた。
俺の接近に気がついたレックは急いでレイピアを縦に構えて防御姿勢を取った。だが、俺はお構いなしにレイピアごとレックの体を両手で押した。
レイピアが刺突特化の武器とはいえ、それでも手で押すと多少は切れるし痛い。だが、確実にレックのスキルを封じて身体ごと押し出すなら手で押すのが一番だろう。レイピアと棍ではなく、レイピアと両手という奇妙な押し合いが始まった。
「ぐぐぐ、さっさと諦めて落ちたらどうだレック」
「ハァハァ、お前こそ両手に少しずつレイピアが食い込んでいるぞ、やせ我慢せずに降参したらどうだ?」
正直、レックの言う通り俺はやせ我慢をしている。それでもここで退くわけにはいかない。既に魔砂を大量に消失されて魔量が減っている以上、この機を逃すとますます不利になる。
それにレックと接触できている今こそ、バニッシュ・レイピアの脅威に晒されない絶好のチャンスだ。俺は三回目のサンド・ステップを発動するべく足裏に魔力を集中させた。
「今度こそ終わりだサンド・ステップッッ!」
「押されてたまるか、バック・ガストッッ!」
俺の蹴り出しと同時にレックの背中から圧縮された空気が放出された、それはまるで風属性のサンド・ステップとも言うべき推進力で、俺の動きに真正面から反発した。風と砂と膂力の激しいぶつかり合いが祭舞台に煙幕を起こす。
俺達の様子が見えなくなったからか、観客たちは静かになっていた。しかし、徐々に煙は晴れていき、観客の目には祭舞台に残る真っすぐな四本の摺足跡と場外に出ているレックの姿が映ったことだろう。
力でレックを押し出した俺の勝ちだ。
「し、勝者! ガラルド殿!」
レックの部下兼審判の男が俺の勝利をコールした。
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