53 / 459
【第53話】作戦開始
しおりを挟む セシルは明日の出発のために、メアリに荷造りを手伝ってもらっていた。
「お洋服に、お薬に~」
メアリは訓練所に行く時と同じように、鼻歌混じりで支度をしてくれている。
「メアリさん。最後まで、ありがとうございます」
「最後だなんて……。落ち着いたらお手紙をくれると嬉しいわ」
「はい。絶対に書きます! あ、でも、どうやって別の国からお手紙を送るんでしょうか?」
「あらあら。どうしましょう。アル様に相談しておくわね」
「はい!」
メアリとの縁は、きっとこんなことでは切れないんだ。
そう思うと嬉しくもあり、逆に気掛かりなことも出てきた。
クリスとの縁もそう簡単には切れないのではないだろうかと。
十五歳の誕生日は半年も先だ。
その日を無事迎えるまで、気を抜いてはいけない。
「セシル。どうかしたの?」
「いえ。あ、そうだ。アルベリク様に夜のお茶をお入れして来ますね」
「ええ。いってらっしゃい」
◇◇
書斎の前で深呼吸をして、セシルはノックをしてから扉を開けた。
「アルベリク様、お茶を……」
セシルは顔を上げると言葉に詰まった。
目の前に、ミリアの姿があったから。
そしてソファーにはリリアーヌの姿があった。
紅茶の香りがし、リリアーヌはこちらを振り向くことはせず、手にしていたクッキーを口に入れ紅茶に手を伸ばしていた。
「セシル。中に入るがいい」
「……はい」
セシルがアルベリクに手招きされソファーの横に立つと、リリアーヌが立ち上がった。
テーブルの上には可愛らしいクッキーが置かれている。
前にミリアにもらったものと同じクッキーだ。
リリアーヌはセシルに視線を合わせると、その手をセシルに伸ばした。セシルの体は勝手にビクッと反応したが、リリアーヌは構わずセシルの手を握りしめる。
「セシル。今まで辛く当たってしまったわね」
「……?」
「アルベリクと屋敷を出るのでしょう? 正直、あなたの顔なんか、もう見たくないから清々しているわ」
「姉上っ」
「あ、つい本音が出てしまいましたわ。でも、アルベリクには迷惑をかけたとは思っているの。可愛い弟に嫌われたままお別れは嫌だわ。だから、お詫びの気持ちを込めて、ミリアにクッキーを焼いてもらったわ。先に少しいただいてしまったけれど、よかったら貴女もアルベリクと一緒にいただいて?」
「あ、ありがとうございます」
「では、私は失礼するわ。おやすみなさい。アルベリク」
「はい。姉上」
リリアーヌが出ていくと、セシルはアルベリクに手を引かれてソファーに座らされた。
「大丈夫か?」
「えっと……。よく分からない気持ちでいっぱいです」
「だろうな。俺には申し訳ないと思っているらしい。しかし、セシルには悪いと思っていないだろうな」
「やっぱりそう言うことですよね」
「茶が冷めてしまったな。新しい物を入れてくれるか?」
「はい。リリアーヌ様とは、どんなお話を?」
セシルは複雑な心境のままお茶をいれた。でも、急に手の平を返されるよりは理解できるような気もした。
リリアーヌのことを尋ねると、アルベリクは瞳をゆっくりと閉じ、思い唇を開いた。
「前に俺が言った言葉を気にしていたようだ。俺は、姉上の悪意がいずれ殺意に変わるのではないかと、恐れていた」
「殺意?」
「ああ。しかし姉上は、悪意を捨てファビウス家の為に尽くすと誓ってくれた。だから、安心して自分の道を歩けと」
「そうですか。リリアーヌ様は、アルベリク様のお姉様なんですね。って、そうですよね」
「そうだな。――セシル、明日の支度は進んでいるか?」
「はい」
「足りないものがあれば、街に買いに行こうと思うのだが」
「行きたいです!」
明日はアルベリクとお買い物だ。
セシルは嬉しくてたまらなかった。
アルベリクもセシルの笑顔を見て微笑んでいる。
「今日は何のお茶だ?」
「えっと。ブレンドティーです。ミリアさんのクッキーに合うと思いますよ?」
「ほぅ。ミリアのクッキーを食べたことがあるような言い方だな」
「ふふふ。それがあるんです! 甘さ控えめで、アルベリク様だってパクパク食べられると思います」
以前、教会でアクアマリンの指輪を見つけた後、ミリアからお礼にクッキーをもらっていた。
お茶をテーブルに運び早速クッキーに手を伸ばすと、アルベリクに取り上げられてしまった。
「お前は食べたことがあるのだろう? だったら先に俺が食べる」
「ぅう。良いですよ。どうぞ好きなだけ食べてください」
アルベリクは悪戯に微笑むとクッキーを一口で食べ、首をかしげてもう一枚口に運んだ。
「やはり甘いな……」
そしてハーブティーに口をつけると、ゴホゴホとむせ返った。
「大丈夫ですか? 欲張って二枚も食べるからですよ。さて、私も──」
「食べるなっ!」
セシルの伸ばした手をアルベリクが弾いた。
クッキーがテーブルの上に散らばり、セシルは驚いてアルベリクの顔を見た。
苦痛に歪んだ顔、そして震える手。
「アルベリク……様!?」
「ど、毒だ……」
「えっ、そ、そんな。さっきリリアーヌ様だって……」
部屋に入った時、リリアーヌもクッキーを食べていた。それに、ファビウス家の為に悪意を捨てたのではないの?
毒はセシルの魔法で治せない。
解毒薬がないと、アルベリクは――。
「お洋服に、お薬に~」
メアリは訓練所に行く時と同じように、鼻歌混じりで支度をしてくれている。
「メアリさん。最後まで、ありがとうございます」
「最後だなんて……。落ち着いたらお手紙をくれると嬉しいわ」
「はい。絶対に書きます! あ、でも、どうやって別の国からお手紙を送るんでしょうか?」
「あらあら。どうしましょう。アル様に相談しておくわね」
「はい!」
メアリとの縁は、きっとこんなことでは切れないんだ。
そう思うと嬉しくもあり、逆に気掛かりなことも出てきた。
クリスとの縁もそう簡単には切れないのではないだろうかと。
十五歳の誕生日は半年も先だ。
その日を無事迎えるまで、気を抜いてはいけない。
「セシル。どうかしたの?」
「いえ。あ、そうだ。アルベリク様に夜のお茶をお入れして来ますね」
「ええ。いってらっしゃい」
◇◇
書斎の前で深呼吸をして、セシルはノックをしてから扉を開けた。
「アルベリク様、お茶を……」
セシルは顔を上げると言葉に詰まった。
目の前に、ミリアの姿があったから。
そしてソファーにはリリアーヌの姿があった。
紅茶の香りがし、リリアーヌはこちらを振り向くことはせず、手にしていたクッキーを口に入れ紅茶に手を伸ばしていた。
「セシル。中に入るがいい」
「……はい」
セシルがアルベリクに手招きされソファーの横に立つと、リリアーヌが立ち上がった。
テーブルの上には可愛らしいクッキーが置かれている。
前にミリアにもらったものと同じクッキーだ。
リリアーヌはセシルに視線を合わせると、その手をセシルに伸ばした。セシルの体は勝手にビクッと反応したが、リリアーヌは構わずセシルの手を握りしめる。
「セシル。今まで辛く当たってしまったわね」
「……?」
「アルベリクと屋敷を出るのでしょう? 正直、あなたの顔なんか、もう見たくないから清々しているわ」
「姉上っ」
「あ、つい本音が出てしまいましたわ。でも、アルベリクには迷惑をかけたとは思っているの。可愛い弟に嫌われたままお別れは嫌だわ。だから、お詫びの気持ちを込めて、ミリアにクッキーを焼いてもらったわ。先に少しいただいてしまったけれど、よかったら貴女もアルベリクと一緒にいただいて?」
「あ、ありがとうございます」
「では、私は失礼するわ。おやすみなさい。アルベリク」
「はい。姉上」
リリアーヌが出ていくと、セシルはアルベリクに手を引かれてソファーに座らされた。
「大丈夫か?」
「えっと……。よく分からない気持ちでいっぱいです」
「だろうな。俺には申し訳ないと思っているらしい。しかし、セシルには悪いと思っていないだろうな」
「やっぱりそう言うことですよね」
「茶が冷めてしまったな。新しい物を入れてくれるか?」
「はい。リリアーヌ様とは、どんなお話を?」
セシルは複雑な心境のままお茶をいれた。でも、急に手の平を返されるよりは理解できるような気もした。
リリアーヌのことを尋ねると、アルベリクは瞳をゆっくりと閉じ、思い唇を開いた。
「前に俺が言った言葉を気にしていたようだ。俺は、姉上の悪意がいずれ殺意に変わるのではないかと、恐れていた」
「殺意?」
「ああ。しかし姉上は、悪意を捨てファビウス家の為に尽くすと誓ってくれた。だから、安心して自分の道を歩けと」
「そうですか。リリアーヌ様は、アルベリク様のお姉様なんですね。って、そうですよね」
「そうだな。――セシル、明日の支度は進んでいるか?」
「はい」
「足りないものがあれば、街に買いに行こうと思うのだが」
「行きたいです!」
明日はアルベリクとお買い物だ。
セシルは嬉しくてたまらなかった。
アルベリクもセシルの笑顔を見て微笑んでいる。
「今日は何のお茶だ?」
「えっと。ブレンドティーです。ミリアさんのクッキーに合うと思いますよ?」
「ほぅ。ミリアのクッキーを食べたことがあるような言い方だな」
「ふふふ。それがあるんです! 甘さ控えめで、アルベリク様だってパクパク食べられると思います」
以前、教会でアクアマリンの指輪を見つけた後、ミリアからお礼にクッキーをもらっていた。
お茶をテーブルに運び早速クッキーに手を伸ばすと、アルベリクに取り上げられてしまった。
「お前は食べたことがあるのだろう? だったら先に俺が食べる」
「ぅう。良いですよ。どうぞ好きなだけ食べてください」
アルベリクは悪戯に微笑むとクッキーを一口で食べ、首をかしげてもう一枚口に運んだ。
「やはり甘いな……」
そしてハーブティーに口をつけると、ゴホゴホとむせ返った。
「大丈夫ですか? 欲張って二枚も食べるからですよ。さて、私も──」
「食べるなっ!」
セシルの伸ばした手をアルベリクが弾いた。
クッキーがテーブルの上に散らばり、セシルは驚いてアルベリクの顔を見た。
苦痛に歪んだ顔、そして震える手。
「アルベリク……様!?」
「ど、毒だ……」
「えっ、そ、そんな。さっきリリアーヌ様だって……」
部屋に入った時、リリアーヌもクッキーを食べていた。それに、ファビウス家の為に悪意を捨てたのではないの?
毒はセシルの魔法で治せない。
解毒薬がないと、アルベリクは――。
0
お気に入りに追加
391
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
放浪(元)騎士、世界を救う!?
風無シオン
ファンタジー
帝国騎士団長の息子ゼクス・シリアートル。
だらだらと学校生活を送っていた。
騎士学校を卒業後、父親「ジーク」が中隊長の席を用意していた。
だが、一年も経たずある思いから騎士団を辞め、放浪する日々を過ごしていた。
帝都から離れた港町ディネールに立ち寄っていたゼクス。
酒場で眠りこけていると、何やら騒がしかった。
騎士と傭兵が揉めていたのだ。
銀髪の少女アイリと出会い、彼女の強さを知ると弟子入りを頼み——
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる