カタクリズム

ウナムムル

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2章:ハーフブリード編

第2話 ハーフキャット 其の二

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【ハーフキャット】其の二







森を駆けている集団がいる、ハーフキャット達だ
後方の遥か遠い位置では夜空が赤く染まり、大きな火災が起きているのが分かる
しかし、誰ひとり振り向かず、夜の森を駆けて行く
普通の人間ならそんな芸当はできないだろう
ここにいるのはラピを除けば全てハーフキャットだ
彼女達は夜目がきくのである

足の早い彼女達に追いつくため、ラピは聖獣エペタムの背に乗っていた
本来であればエペタムに乗るという事はしない
それは、この聖獣は雷をまとっているからだ
エペタムに跨がるラピの表情は険しい
それほど強い電撃ではないが、痺れや多少の痛みを感じているからだった

しばらく走り、先頭を行くシャルルが止まる
そして、静かに、と小声で言った
ハーフキャット達は耳もいい、全員に彼女の声が聞こえ、息を潜める
ラピはシャルルの声は聞こえなかったが、皆がそうした事により気づく
元々ラピの乗るエペタムは宙に浮いているので足音すらしないのだが

サラが前へと出て、息を潜めるシャルルの横に静かに並ぶ
シャルルが見ている先、そこにはナーガがいた・・・どうやら眠っているようだ
ナーガの腹は大きく膨れ、何かを捕食し、消化中なのが見て取れる

「起こさず通れるかな・・・」

サラがナーガの様子を見ながら考えていた事を声にする
シャルルはしばらく考え、皆を見て言う

「静かに迂回しよ、なるべく音は立てないで」

ハーフキャット達が頷き、ゆっくりと音も無く動き出す
ナーガの横を30メートルほど離れて通って行く
草木を鳴らさないよう細心の注意を払いながら
その時、ハーフキャットの一人が突然しゃがみ込む
数名のハーフキャットがそれに気づき、彼女のそばへと駆け寄る

「・・・・う・・・・・おぇっ」

そのハーフキャットの女性が嘔吐する
びちゃびちゃと嘔吐物が地面に落ちる音がし、女性は必死に声を堪える
辺りにはツンとする独特な臭いが漂っていた
これはつわりだった、彼女は妊娠していたのだ
彼女達はお腹が目立ち始めた頃、薬を飲まされ流産させられる
この女性はまだそこまでお腹は大きくなっておらず、身ごもったままだったのだ

しばしの静寂が訪れる・・・

ナーガの様子を伺っていたサラは、ナーガが起きる気配の無い事に安堵する
再び静かに進み始めた時、ナーガがぴくりと動く
全員が身を屈め、息を潜める
ゆっくりとナーガの身体が起き上がり、辺りを見渡している
そして、ナーガはある方向を見て止まる
それはさっき女性が嘔吐した方向だ
ナーガはその鼻をすんすんと鳴らしていた
そして、ナーガはあるものを見つける・・・・ラピの乗るエペタムだった
エペタムの身体は不定期に雷を発している
それがこの夜の闇の中では目立ってしまった

シャーーーーー!!

ナーガの威嚇する声が発せられる
とぐろを巻いていたその身体はほどけていき
全長20メートル近い身体があらわになる

その時、サラは走り出していた
彼女は剣を抜き、左手に盾を構え、ナーガへと向かって行く
ラピはエペタムから飛び降り、サラへ強化魔法をかけようとするが
着地すると同時にこてんっと横に倒れ込む

「はへ?ひははは・・・はひははひ」

エペタムの背に長時間乗っていたラピは痺れていて全く動けず
ろれつも回っていなかった
ピクピクと痙攣しており、倒れたままの体勢で固まっている

サラへと身体を向けたナーガが勢いよく彼女へと突っ込んで来る
盾を前面に構え、彼女は止まり待ち受ける
ナーガはサラの手前で急に方向を変え、彼女の横へと回り込み
口を大きくあけ、彼女へと襲い掛かった
サラはその牙を左手の盾で防ぎ、ナーガの振るう腕を右手の剣で下段から上段へと払う
ナーガの右腕が切断され、宙に舞った時
シャルルは走っていた、ナーガ目掛けて・・・
自身の腕が切断された事に集中していたナーガは気づいていなかった
シャルルは全速力で走り、杖を構える
杖先でナーガの眼を狙い、そのまま突っ込んでいく
ナーガが視界の隅にシャルルを捉えた瞬間、右目に彼女の杖が刺さる

「サラっ!!」

シャルルが叫び、ナーガから飛び退く
サラは右手に力を込めた
振り上げられていた剣を右上段から左下段へと斜めに振り下ろす
それがナーガの胸を深く切り裂き、血が吹き出す
サラの攻撃はまだ止まっていなかった
そのままくるりと回転し、右から左へと水平になぎ払う
それが再度胸を深く切り裂き、大量の血が溢れ出る

シャーーーーーーーーーー!!!

左足で思い切り地面を蹴り、無理矢理回転を止める
膝を曲げて少し屈む、そこから一気に立ち上がり、下から上へと鋭い突きを放った
喉へと深く刺さりナーガの動きが止まった
ナーガから力が抜け、ゆっくりと崩れ落ちる
サラは剣を抜き、それをヒュッと振り、血を払う
そこへシャルルが飛びついて来た

「サラー!やったねー!」

「うんうん、すごい緊張した」

二人で笑い合っていると、少し離れた位置から情けない声が届く

「はふへへ~」

ラピがさっきの体勢のまま、助けを求めていた
二人がラピの元へ行くと、ラピは涙目になりながら二人を見る

「ラピ、何してるの?」

「ふほへはひほ~」

「あははは!ラピ面白いっ!」

「ははふは~!」

シャルルがしゃがみ込み、彼女をつんつんとつつく
その度、ラピから「はへっ」っと声が洩れる
つんつんと遊んでいると、サラが立ち上がる

「そろそろ行かないと」

「あ!そだったね!仕方ない、ラピを治してあげるかー!」

「ははふ~!」

「サラも左足見せてね、さっき痛めたでしょ?」

シャルルがサラを見上げながら言ってくる
それにはサラも驚いた、本人が気づいてなかったのだ
言われて左足に意識を向けてやっと気づいたくらいだった
先ほど無理矢理回転を止めた時、左足を少し痛めていたらしい

「ありがとう」

シャルルがサラの左足から回復を始め
ラピがまた文句を言っているが何を言っているのかよく分からない
その後、ラピにも回復を唱え、彼女は一瞬で治る

「ありがとー、って遅ーい!」

ラピが不満を身体全体を使って表現している
そんな彼女をスルーして、シャルルは嘔吐した女性に声をかける

「大丈夫ですか?」

「はい・・・ごめんなさい、私のせいで」

「いいんですよー!気にしないでください!」

シャルルは歯を見せ笑う
彼女の笑顔が木々の隙間から入る月明かりに照らされていた

そして、ハーフキャット達一行はネネモリへと辿り着くのだった








シルトとジーンは豪華な館を木の上から覗いていた
ここはフィッツィ伯爵邸、大森林を出た所にある伯爵の館だ
周りを鉄製の柵で囲み、侵入者を拒んでいる
外にはパッと見ただけで警備の兵は100はいる
中にもいる事を考えると、おおよそ200~300はいるだろうか
これを二人で相手しようとしているのだ
無謀とも思える事だが、彼等には勝算があった・・・それはジーンの精霊だ
彼女の精霊さえあれば、数百程度の兵なら問題ではなかった
その中に強者、特に強い魔法使いがいたら厄介だが
しかし、そんな強い魔法使いが中級貴族の館を警護しているなどまず無いだろう
兵達の格好はバラバラで、どう見ても野盗の類いが大半だ
一部はプレートを着込んだ傭兵のような者も混ざってはいるが数は少ない

「どうしよっか・・・とりあえず誘き出さないとだよね」

「うん、そうだね」

「じゃあ囮やりますかぁ」

「頑張ってね」

「ほいほい」

そう言って彼は木から飛び降り、盾と剣を構える
ジーンも飛び降り、腰の魔導書に手を伸ばす

「派手に行きますか」

「そうだね、派手に行こ」

二人が微笑み、鉄製の柵へと向かって行く
突如森から現れた二人を見つけた警備兵が笛を鳴らす

ピィィィィィィィッ!!

高い音が響き渡り、一気に兵が集まってくる

「ありゃ、柵壊す前に見つかっちゃったか・・・ま、いっか」

シルトは盾を地面に刺し、ミスリルブロードソードを両手で持つ
そして、数回振るい、柵がガコンッと音を立てて崩れ落ちる
盾を拾い、剣を左手に持ち、彼が伯爵の敷地へと入って行く
既に兵が集まってきており、その数は80名近い

「うわぁ多いなぁ・・・・中央突破だな」

彼の後に続き、敷地に入ったジーンが頷く

「はぐれないでね」

「おっけー」

シルトが走り出し、その後をジーンが続く
彼はミスリルラージシールドを構え、警備兵達に突っ込んでいく

「バカか、こいつら」

兵達の中で彼等を馬鹿にする言葉が飛び交い
彼等を囲むように移動して行く
しかし、シルト達は止まらない、更に加速していく
正面にいた兵はその勢いに恐怖し始めた
後ろにいる女は軽装なので走って来れるのは理解できる
しかし、その前を走る男は何故フルプレートで全力疾走できるのだ?
フルプレートとは普通なら60キロ近い重さがあるのだ
それを着て走るなど、普通の人では出来ないだろう
だが、彼の鎧は常闇の鎧、重さを任意で変えられるアーティファクト防具だ
そんな事を知らない人から見れば、彼の走る姿は異常に映るだろう
実際、ジーンも不思議に思っていた
よくこの速さで走って息も切れないな、と

一部の警備兵が彼等の勢いに恐怖した頃、シルトと正面の兵がぶつかる
そして、兵士が吹き飛んだ、後方に2メートル近くだ
別の兵に当たり、更にもう1人巻き込まれ、3人が倒れる
そのままシルトは加速を続け、止めに入った兵が更に吹き飛ばされる
しかし、シルトの身体はその衝撃を感じていないように揺れない
これには流石のジーンも何かを感じ取った

ぶつかる瞬間に盾を押し込み、吹き飛ばす
これを3回繰り返し、彼等は警備兵の一団を中央突破した
そのまま館まで走り、館を背にして盾を構える
その後ろ、館とシルトの間にはジーンが立っていた

「サラマンダーいけちゃう?」

「うん、ここなら平気」

「じゃ、お願い」

「おっけー」

兵達が彼等を取り囲み、逃げ道は無くなる

「・・・おいで、サラマンダー」

シルトの影に入るようにして、ジーンはパチンと指を鳴らす
その音は反響しながら進んで行き、館の中から聴こえてくる
そして、館の中で小さな炎が発生したのがガラス越しに見える

「シルさん、ガラスの前危ないよ」

ジーンの声にシルトが横へと移動する
その瞬間、館の中で発生した3センチ程度の炎は4メートル近くまで一気に膨れ上がる
窓がパリンッと割れ、そこから熱風が溢れ出る
館はサラマンダーの出現により壊れ、炎上する

「ここもヤバいな、移動しよか」

「そだね」

どんどん膨張していく炎の塊を残して、二人は駆け出した
そんな二人を止めようと動き出す者は誰一人いなかった
彼等の目は、うごめく炎に釘付けになっていたからだ
徐々に形を成していく炎に、ジーンが命令を下す

「私達以外は誰一人逃がすな、全員殺せ」

館を壊しながら膨張を続けた炎はトカゲのような形になり
その大きさは6メートル以上にもなった
彼等を取り囲む動揺している兵達の一角をシルトが切り崩す
一人目の男の首を跳ね、二人目を盾で吹き飛ばし、三人目を突き殺す
その後ろをジーンが着いて来ていた
彼等がいた場所辺りの壁が溶け、サラマンダーが庭へと這い出る
壁が無くなり、突如襲いかかる熱に兵達は顔をしかめる
サラマンダーが一歩進むごとに芝生は焼け、景色は歪む
兵達から悲鳴が洩れ始めた時、巨大な炎のトカゲは一気に駆け出した
業火の権化は容赦なく兵達をなぎ倒してゆく
彼等は逃げる間も与えられず、一瞬で髪は燃え、爪が溶け、穴という穴から血が流れる
業火に飲まれた者の悲鳴が一瞬で消え、ただの屍と姿を変える
80名近い兵達はあっという間に炎に飲まれ、辺りから悲鳴は聴こえなくなっていた
サラマンダーは未だ止まらず、今度は館の中へと入って行く
バキバキと館を破壊しながら人の気配がする方へと突き進んでいく
サラマンダーの通った場所は全て燃え、その炎が広がる
扉を破壊し、部屋へ入り、寝ていた野盗のような兵達がそれに気づいた時には既に遅い
熱により目は開けていられなくなり、一瞬で焼け死んでいく
そのまま壁をぶち破り、隣の部屋にいた兵達を焼き殺す



その頃、シルトとジーンは別の入口から館へと侵入している
捕まえた一人の男から伯爵の部屋を聞き出し、2階の部屋へと向かっていた
勢いよく扉を蹴破り、中へと入る・・・部屋は暗く、視界が悪い
その時、ヒュッと空気を切るような音がして、シルトは咄嗟に盾を構えた
キィンッ!金属同士がぶつかり合う音がし、火花が散り、辺りは一瞬だが明るくなる
一瞬見えた男の顔は驚きと喜びにニヤけていた

「やるな、お前」

低く響くような声が闇から聞こえてくる
伯爵の部屋は月明かりが一切入っておらず、完全な闇だった
しかし、中からは人の動く気配がする

「ジーンさん、こいつらは僕が」

こいつら、とは中から複数の気配を感じたからだった
その気配は只者ではない、伯爵以外の誰かが複数いるのだろう

「わかった、私は伯爵をやるね」

ジーンが部屋の入口から少し離れ、様子を見守る
シルトは1歩下がり、盾を前面へと構えなおし、待ち構えた

闇からぬっと現れたのは手に特殊なナックルをつけた男だった
手を覆うような形のナックルには3本の突起があり
その先端は緑色の液体が付着している、おそらく毒だろう
頭から焦げ茶色のケープをかぶっており、口から上は黒い仮面で隠されている
見えている口元は右の口角が上がり、嬉しそう、楽しそう、という印象を受ける
全身にベルトのようなものが巻かれており
そこに収められているのは、小さな瓶やナイフなど多種多様だ

男は闇から現れた瞬間、鋭い正拳突きを放つ
シルトは盾でしっかりと受け、金属同士がぶつかり音が響く
拳を盾でいなし、男の体勢が崩れる
男がチッと舌打ちをし、崩された方へと自ら身体を傾けていく
男の後ろの闇からキラリと光る物が姿を現す
それは槍だった、この槍の先端にも緑色の液体が塗られていた
槍はシルトの顔目掛けて放たれており、彼はそれを頭を逸らす事でかわす
そこでシルトは気づいた・・・これでは避けられないと
槍はしなっており、その軌道が僅かに変わる
シルトの右頬をかすり、空を切った
それを見たジーンが回復魔法を詠唱した

「穢れを払いし光よ」

ジーンの右手が白く光ると同時にシルトの右頬が僅かに光る
傷から少量の血と緑の液体がにじみ出て消えてゆく

「くそっ!生の魔法使いがいるぞ!女から狙え!」

ナックルをつけた男が部屋の中に聞こえるよう声をあげる
闇から現れたのは先ほどの槍を放った男だ
ナックルの男と全く同じ格好をしており、目標をジーンへと切り替えた様子だった
しかし、シルトはそれを許さない
すぐさまジーンとの間に立ち塞がり、盾を構える

「ジーンさん下がって!多分伯爵ここにいないわ」

「了解、私は行っちゃって大丈夫?」

「うん、何とかするよ」

ジーンはくるりと反転し、走り出す
後ろを警戒する事もなく走る彼女はシルトを信頼しているのが見て取れた

「随分信頼されてるな」

「どもども」

「お前、名前は」

「君に名乗る理由がないから言わないよ」

「そうか、俺はネクロだ、こいつはヘモト
 そして、中にいるのがボツリヌだ・・・おい、出てこい!」

ネクロと名乗るナックルを持つ男が伯爵の部屋の中にいるボツリヌを呼ぶ
ぬっと現れた男は部屋の入口の扉をくぐって出てきた
デカい、2メートル30センチはあるだろうか
本当に人なのか、と疑いたくなるほど巨大な男だった
腰に毛皮のようなものを巻き、右肩には金属のショルダーガードがついており
それ以外は肌を露出しており、鋼のような筋肉があらわになっている
手にはその身体に合った大きな槌を軽々と持っている
顔には他の二人と同じように仮面がつけられていた

「お前は俺達が出会った中でも指折りの強さと見た
 それに敬意を払い、我等トキシンが全力を持って相手をさせてもらう」

「はぁ・・・それじゃ名乗りますか・・・ハーフブリード、シルト」

3人の目が開かれる
ネクロの口元が大きく歪み、喜びを表現していた

「お前が不動のシルトか・・・くっくっく、俺達はツイてる」

「ネクロ、1等級が相手は分が悪い、撤退した方がよくないか」

「おいおい、こんな大物を殺れるチャンスを逃せってのかよ」

「だが、仲間が来たら厄介だ」

ヘモトがネクロに食い下がっていると、シルトが口を開く

「あ、仲間なら来ないよ、今いるのさっき走ってた人だけだし」

「は?」

ヘモトが彼を見て困惑する

「君らの相手は僕だけでするから早くかかってきて欲しいんだけど」

「はっはっはっは!こいつはいい!アンタ気に入ったぜ!」

ネクロは大笑いして構えを解く

「なぁ、不動のシルトさんよ、良かったら外で殺らないか」

ここじゃ狭いだろ?と彼が提案する

「その前に伯爵どこよ?」

「あのハゲなら今頃裏口の方から逃げてるだろうよ」

「そっか、じゃあジーンさんに任せておけば平気かな・・・うん、外行こか」

ネクロを先頭にヘモトとボツリヌが続き、最後尾をシルトが歩く
無防備な彼等の背を見てシルトは不思議な感覚を覚えるのだった
それを聞いてみる事にした

「君ら、雇われなの?」

「おう、あのハゲは払いだけはいいからな」

「そっか、でも僕は君ら殺すよ?」

「はっはっは!もう勝つ気か!構わんぞ、そのくらいじゃないとつまらん」

一行は1階へと降り、窓から外へと出て対峙する

「すまないが3対1でやらせてもらおう」

「いいよ、早く来なよ」

右手の盾を前に構え、重心を低くする
左手の剣は盾に隠し、シルトの目つきが変わる
それに反応して、トキシンの3人が構え、睨み合いが続いた
最初に動き出したのはネクロだ
地を這うような走りで地面スレスレからのアッパーを放つ
シルトは城壁防御を発動し、盾で防ぎ、下へと押し付ける
分厚い壁を殴ったような感覚がネクロを襲い、地面に膝をつく
その後ろからヘモトの槍が襲いかかる
盾を傾けるだけでそれをいなし、左手の剣をネクロ目掛けて放とうとした時
ボツリヌがのっしのっしと走ってきており
その両手で持つ大きな槌が高く振り上げられていた
シルトは右手の盾を高く構え、足を踏ん張る
ボツリヌの全体重を乗せた一撃が叩き込まれ、盾とぶつかり激しい音を立てる
しかし、シルトは一歩も動いていなかった
その槌を横へ払い、左手の剣でボツリヌの脇腹を貫く
トキシンの3人は一旦引き、シルトは盾を構えなおし待ち構えた

ボツリヌが平然としているのを見て
脇腹刺したのに平気なのか、どうなってんだ、と心の中で愚痴を吐く

「これが不動か、噂以上だな」

「本当に一歩も動いてねぇ・・・くそっ」

「俺の一撃、効いてない」

3人が話し合っている
その光景を見ながら隙を伺っているが、こちらがピクリと動けばネクロが反応する
これは待ちに徹した方がいいかな、シルトはそう考え待つ事にした

「お前等、あれを使うぞ」

ネクロの提案に二人は頷き、腰にある小瓶を手にする
ボツリヌはそれを飲み干し、彼の身体に血管が浮き上がり
その鋼のような肉体が更に膨張していく
フー、フー、と息が荒くなり、目は血走る
これは短時間だが肉体を大幅に強化する魔法薬
しかし、副作用が強く、一般的には使う者はいない代物だ
ボツリヌは目を瞑り、息を整えている
そして、ネクロとヘモトが走り出す
シルトは二人を交互に見て、どちらが先に来るかを見極めようとしていた
その時、ネクロがシルトの手前に小瓶を投げつけた
刹那、強烈な真っ白な光が辺りを包む

「くっ」

シルトはその光を直視してしまった
目の前が真っ白になり、顔をしかめる
その時、ヘモトが小瓶の蓋を開け、シルトの横50センチの中空に投げつける

キィィィィィィィィィンッ!

強烈な高音が鳴り響く
シルトの鼓膜は破れ、耳からは血が流れる
キーンという一定の音だけが聞こえていた

「くっそ!」

思わず汚い言葉が洩れる
白い光が収まり、シルトは目を開くが、そこに広がるのは真っ白な世界だった
そう、彼の目は先ほどの閃光で機能しなくなり、視覚を失った
更に、強烈な高音により鼓膜は破れ、聴覚を失った
シルトは目を瞑り、感覚だけを研ぎ澄ます
足から伝わる振動、空気が流れる感覚、それらだけに集中した

僅かに空気が揺れ、何かが近寄る感覚がする
半分以上当てずっぽうで彼は腕を振るう
右から来たヘモトの放つ槍を左手の剣で払い
左から来たネクロの拳を盾で弾く
運が良かったとも言えるが、彼の狙い通りとも言える
シルトはニヤけ、正面に盾を構え直す
正面から来たボツリヌの振動はよく分かっていた
ボツリヌの一撃を盾で受け、衝撃を感じ、横へ逸らす
大地にドスンっと振動が伝わり、槌が大地に刺さったのが分かる
そこへ左手の剣を全力で振るい、それはボツリヌのうなじから肩口を深く切り裂く
ボツリムはそのまま前へ倒れ込み、ビクッビクッと痙攣をしていた

・・・ふぅ~~~~っ

大きく息を吐き、シルトは再び構え直す

「こいつ・・・何故分かるっ!」

「迂闊に近寄るな、殺られるぞ」

ネクロとヘモトは距離を取っていた
シルトがゆっくりと横へ移動し、ボツリヌから離れる
見えない以上、足元に障害物があるのは困るからだ
そして、ボツリヌの痙攣が邪魔だったのだ

「奴は気配だけで感じ取っているのだろう・・・ならばスピードで攻めるぞ」

「了解だ」

ネクロはステップを踏み、ヘモトは身を低くしていつでも走れる体勢だ
その時、シルトの身体がピクッと動く
そして、彼は心の中で言う、城壁解除、と
彼は駆け出した、ネクロへと一直線に、だ

「なにっ!」

咄嗟に横に避けようとするが間に合わない、彼の突進はそれほど早かった
盾がもろに脇腹に当たり、ネクロは吹き飛ぶ
そして、シルトの振るった剣はヘモトの顔面を捉える
鼻が折れ、顔に深く剣がめり込む
ネクロは3回転ほどして止まり、顔を上げた瞬間それを目にする
シルトの目は開かれており、見ているはずがないその瞳はネクロを顔を見ていた
ゾッとした、その表情に、その光景に
ボツリヌは脇腹を刺され、うなじから肩口を斬られ、すでに痙攣も止んでいる
ヘモトは顔を真横に斬られ、即死だろう
視覚と聴覚を奪われた男一人に、あっという間に二人が殺されたのだ

幾多の依頼を3人でこなして来た
時には猛者と呼ばれる者を相手にする事もあった
時には大勢を相手にする事もあった
それでも彼等3人は生き抜いてきた、勝ってきた
対人に特化した彼等は人の殺し方に精通していた
それが、目の前の男には通じない
相手は冒険者、人を相手にする事など殆ど無い者なのに、だ
ネクロはこの仕事を始めてから初めて恐怖というものを知った
ゆっくりとこちらへ歩いて来る一等級冒険者を見て、彼の手足は震える

「ごめんね、君に恨みはないけど殺すよ」

「ははっ・・・化け物めっ」

ネクロの言葉は彼には届かない
シルトは剣を振り上げる、その光景を目に焼き付けていた
シルトの背後で館が燃え、逆光の彼の顔は見えにくい
しかし、その目だけは確実に自分を見ていた
剣が振り下ろされ、彼は絶命する

ふぅ、とため息をして剣を腰の鞘へと収める
館の方へと向き、目をこする
半分以上が崩れ落ち、大炎上してるのが目に入ってくる
実はシルトの目は途中からぼんやりとだが見えていた
ジーンが彼等の戦いを見かけ、こっそり回復を飛ばしていたのだ
遠距離からの回復魔法は効果が低く、完全に治癒する事はできなかったが
ぼんやりと色が分かる程度には回復していた
耳は鼓膜がやられているので一切聴こえないが

彼はゆっくりと歩き出し、館へと向かって行く




ジーンはシルトと別れてから館内を走っていた
その時、15メートルほど先にある階段を上がってくるサラマンダーを見つける

「止まれ」

彼女の言葉にサラマンダーはぴたっと止まる

「まだ生存者はいる?」

サラマンダーは首を縦に2回振った

「そう、じゃあ私とシルさんには近づかないように続けて」

再び動き出したサラマンダーは館を破壊しながら進んで行く
ジーンは向きを変え、窓から下りる事にした
階段が火の海になっているからだ
カーテンをロープの代わりに使い、2階の窓から裏庭へと降りた
そこへ丁度裏口から頭の薄い男が出てくる

「みっけ」

頭の薄い男、フィッツィ伯爵は護衛の兵を2人連れ、逃げていた
ジーンは走り、一気に距離を詰めていく
頭の中で精霊との繋がりを感じ、心の中で命令を下す
おいで、と・・・ただ一言

『フィッツィ!』

ジーンが叫び、伯爵一行が足を止めた
彼女を見た伯爵は安堵する、なんだ女か、と
しかも彼女は手に武器すら持っていない

「見ない顔だな?お前が侵入者か?」

「そう、後一人いるけどね」

「カッカッカッ!たった二人で来たというのか!嘘をつくな!」

「嘘じゃないんだけどな」

「ええい、やかましい!殺せ!」

護衛の二人が剣を抜き、ジーンへと向かい始めた時、館の裏口が爆発する
そこから現れたのは業火の権化、サラマンダーだ
ジーンを見つけたサラマンダーは指示を待つ

「そこの二人だけ殺れ」

ジーンが指を刺す
巨大な炎の塊のトカゲを見て伯爵達は固まっていた
普通の人間の理解できる範囲を超えていたのだ
サラマンダーは一瞬で2人を飲み込み、鎧や武器を溶かしていく
目の前の光景が信じられない伯爵は腰を抜かし、尻もちをついた

「な、な、な、な、なんだこれは!!」

サラマンダーに他の生存者を消せ、と命令を下し
ジーンは伯爵の元へと歩く
サラマンダーは再び館へと突っ込んで行き、壁を壊し中へと消えて行く
ジーンが伯爵を見下ろし、僅かに微笑む
綺麗な顔が館の火災に照らされ、妖艶さを醸し出す

「何って、普通の精霊だよ」

「せ、精霊!?まさか・・・元素のジーンか!!」

「正解、おめでとう」

パチパチと小さな拍手をする

「1等級冒険者が何の用だ!!私が何をした!!」

はぁ、とジーンがため息をし答える

「私達のチーム知ってるみたいだけど、そこにいる二人も知ってるよね?」

「何の事を言ってる!」

「はぁ・・・これでも分からないの・・・・ハーフキャットが2人いるんだよ」

「っ!?」

「やっと分かった?殺されるのも納得したかな?じゃ、殺すね」

「ま、ま、まて!」

「何?」

「金ならやる!お前冒険者だろ?!こ、この私に雇われないか!」

ジーンは顎に手を当て一瞬考える
そして、微笑み、頷いた

「いいよ」

「おお!話が分かるじゃないか!」

「いいから早くお金」

「ま、待ってくれ、こっちだ」

伯爵の後を歩き、館の離れへと向かう
倉庫のような蔵のような建物の鍵を開け、伯爵が入って行く
ジーンは入口で待っていた

「早くして」

「わ、わかった!待ってくれ」

焦る伯爵は大きな箱の鍵を外す、中には金貨が山のように入っていた

「ドラスリア金貨?」

「あぁ、いくら欲しい」

「ドラスリア金貨は使い勝手悪いから200くらいかなー」

「200か・・・チッ」

足元を見やがって、と内心腸が煮えくり返る気持ちになる
伯爵は袋に金貨を詰め、それをジーンへと渡す
袋を軽く振り、重さを確かめたジーンは微笑む

「これで契約は完了だな、仲間に戦闘を止めるよう言ってくれ」

「え?なんで?」

「はぁ!?」

ジーンが不思議そうに伯爵の顔を見ている

「貴方が勝手にお金くれるって言い出したんだよ
 私はいいよとしか言ってない、だから私は貴方を殺す、それだけ」

ジーンがゆっくりと伯爵に詰め寄る
彼は後ずさり、金貨の詰まった箱へとぶつかり、金貨がジャラっと音を立てる
ジーンが目の前まで迫り、伯爵は金貨を掴み投げつける

「く、来るなぁ!!」

それを顔を逸らす事でかわし、ジーンは彼の喉を鷲掴みにする
ポーチから小さな杭を取り出し、それを握り、彼の目へと突き刺す

『ぐ、ぎゃああああああああああああああああ!!』

手を離すと伯爵は倒れ込み、もがき苦しむ

「だ、だずげで」

涙や涎や鼻水や尿を垂れ流し助けを求める
彼の手がジーンの足を掴み、ジーンはその手を振りほどき、踵で勢いよく踏みつける
指がボキッと音を上げ、本来であれば向かない方向へと曲がる

『あああああああああっ!!』

ジーンは無表情だった
伯爵は暴れ、すがるように金貨の箱を掴む
立ち上がろうとした彼の脳天に両手で杭を叩きつける
それは深く根元まで刺さった

「あ、あが・・・ごっ・・・」

伯爵が金貨の山に倒れ込み、箱から金貨が溢れ落ちる
黄金色の山に赤い色が足されていった
ジーンは袋に入るだけ金貨を入れ、蔵を後にする

館の正面へと回り込むと、そこではシルトが先ほどの敵と戦っているのが見える

「珍しい、シルさん苦戦中?」

よく観察しているとシルトの動きがおかしい
普段の彼ではありえない事だった
そこでジーンは気づいた、彼の目が閉じられている事を
そして、耳から血が流れている事を

「なるほど、これじゃ苦戦もするか」

ジーンは両手をシルトへと構え、集中する

「癒しの波動よ・・・届けっ!」

ギリギリ届いたようで、シルトの身体がピクッと反応する
彼は敵に向かって走り出し、一人を吹き飛ばし、一人を斬り殺す
それを見届けたジーンはサラマンダーへと意識を集中する
心の中で、おいで、と唱える
少ししてサラマンダーが館を破壊しながら一直線にジーンへと駆けて来た

「全部殺した?」

サラマンダーは首を縦に2回振る

「そっか、なら館の中央で弾けて」

サラマンダーはくるりと反転し、館の中へと戻っていく
見送りながらジーンはため息を洩らした
流石の彼女でもここまで魔力を酷使すれば疲れる
それに加え、今回は走ったり格闘戦をしたりと、疲労は溜まっていた
その頃、シルトの戦闘も終え、彼の元へと歩いて行く
館から15メートルほどの場所で落ち合い、お互いの無事を確認していると
館が爆発し、一気に崩壊していく
その中央には巨大な火柱が上がっていた

「派手だねぇ」

「だね、早く逃げよっか」

ジーンはシルトの耳が聴こえないのを思い出し、手で行こうと合図を出す
二人は大森林へと入り、シルトは道中の川で武具や身体を洗い流す
返り血が洗い流され、川は赤く染まっていく
ジーンがその光景を見て言う

「シルさん悪鬼羅刹のようだったね」

何か悪口を言われた気がするシルトは笑いながら身体を洗っている
ちなみにジーンは返り血すらほとんど浴びていない

「流石にあの格好じゃ帰れないからなぁ」

ゴシゴシとマントを洗いながら彼が言う

「でもこれで終わった、彼女達が少しでも幸せになれるといいな」

「うんうん」

よし!とマントをキツく絞り、パンッと広げる
鎧を身に纏い、マントをつけ、シルトがぶるぶるっと震える

「つめたっ!さむっ!」

横でジーンがクスクスと笑い、二人は夜の森を進んで行く
魔物に出会う事もなく、ネネモリの首都イオマンテの領内へと入る



二人はその街の一角、死の巫女リリムの家を目指すのだった





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